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10・F-15C戦闘機

 

「なに!? なんなのあいつら!?」


 突如現れ、真横に並んできた鉄の塊に少女は理解が追いついていなかった。


「新種のワイバーン......? それとも隣国の超兵器? しかも、人が乗ってる......!」


 速度を一気に落としたF-15Cが、その無骨な翼をブンブンと振り始めた。

 "ただちに進路を変更、または本機の誘導に従え。さもなくば撃墜する"。


 っという信号だが......。


「こ、交尾を求めてるのかしら? やっぱりワイバーンの類い?」


 無論通じず、少女は顔を赤らめた。

 一方で――――――


 《こちらイーグル1、ワイバーンは進路を変更せず。誘導指示にも答えません》

 《コントロールよりイーグル1、再度信号を送れ》

 《了解》


 パイロットや管制官も、とりあえずマニュアル通りにやってはいるがこの行動の無意味さは当然わかっていた。

 無線も積んでいないワイバーン......それも異世界の存在に、国の常識が通じるわけないのだ。


 《ダメです、応答ありません》

 《イーグル1、人は乗っているのか?》

 《はい、15歳ほどの少女が見えます》


 管制官は自身の倫理観を再確認したが、この異世界において常識は捨てることにした。


 《イーグル2、ワイバーンの背後につけ。20ミリガトリング砲の発射を許可する......撃ち落とせ》

 《了解》


 いきなり隣りにいた機体が離れ、代わりにもう1機が背後へついたことで少女は遂に状況を察した。


「やっ、えっ!? まさか攻撃してくる気!? こいつらも『グローリア』の仲間だったの!?」


 慌てふためく少女はワイバーンを操縦して急旋回などするが、ピッタリくっつかれてとても引き離せない。

 背中に冷たい汗が走る。


 F15のパイロットが、少女の乗るワイバーンに向けてガトリング砲のトリガーを引こうとしたとき――――――


 《ッ!! 攻撃中止っ!! 右旋回だ!!》


 僚機の切羽詰まった声に反応して、攻撃しようとしていた戦闘機が一気に回避ブレイクする。

 直後、さっきまでいた場所を火球が追い越した。


 《こちらコントロール! 後方にいたアンノウンが急接近! 飛翔体を発射した! 被害報告!》

 《クッソ舐めやがって! 飛翔体の正体は火球です! 俺らは無傷! ですが......》


 上昇したパイロットは、少女の乗るワイバーンが2騎のワイバーンによって追撃されているのを見る。


 《あの女の子......狙われてんのか?》

 《だとしてもどうするよ......》


 上空で様子を見下ろしていた戦闘機に、管制から無線が飛ぶ。


 《ッ! こちらコントロール、ハルバード少佐の乗ったヘリが空域に侵入! 急ぎ退避せよ!》

 《あの特殊作戦軍ドラゴニアのリーダーが!? 了解した! 高度を保つ!》


 ワイバーンたちの進路に、1機のヘリコプターが立ちはだかった。


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