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デート前のあーちゃん

 私は自室で明日のデートの準備をしています。


「りょーくんは~♪ 私と結ばれるのです~♪」


 こんな歌、他人に聞かれては死んでしまうくらい恥ずかしいのですが、今は一人です。りょーくんに対する愛を声に出して歌うことができます。

 そんな歌を口ずさみながら、私はある悩みを抱えていました。

 と、言いましてもそんなに大きな悩みではありません……い、いいえ、やはり私にとっては人生に関わる大きな悩みかもしれません。


「明日の洋服……どれにしましょうか」


 ベッドの上にはクローゼットから取り出した、持っている全ての服を並べています。

 どれもこれも可愛い洋服ばかりでとても悩んでしまいます。

 

「あーあ……こんなことになってしまうのなら、りょーくんから事前にどんな感じが好みなのか訊いておくべきだったなぁ……」


 私は激しく後悔しました。

 りょーくんを誘った時にどんな服装が好みなのかさえ訊いておけば、一時間近く悩まずに済んだはずです。

 ––––ここはひとまず、今流行りの服装にすれば、まぁまぁなウケになるかな?

 私はそう思い、スマホを取り出して、どんな服装がいいか調べます。


「綾乃、ずっと部屋にいるけど––––」


「わ、わーわー! お母さん急に入ってこないでよ!」


 調べている最中にドアがガチャと開いたかと思えば、いきなりお母さんが部屋の中に乱入。

 私は中を見られまいと、慌ててスマホをベッドの上に放り投げて、お母さんを無理やり部屋の外に押し出します。

 ですが、私の行動は虚しく、遅かったみたいで……


「あら、そーいうことだったのね~……うふふ」


 お母さんは顔をてかてかにして、口元を抑えて微笑みます。

 私は恥ずかしさのあまり、顔が熱くなっていくのが感覚で伝わります。


「も、もうっ! ちゃ、ちゃんとノックぐらいしてよ!」


「したわよ。でも、綾乃ったら『りょーくんは~♪ 私と結ばれるのです~♪』とか変な歌詞を歌って気づかないだもの」


「え、え?! そ、そそそれも聞いてたの!?」


「聞いてたというよりは、聞こえてたわね」


 パフン。

 私の幻聴でしょうか? 顔が熱くなりすぎて、小さく爆発したような音が聞こえました。


「綾乃、すっごく顔が赤いわよ」


 そう言って、お母さんは私をからかうように笑います。


「と、とにかく、次入って来るときはちゃんとノックだからね!」


「はいはい……明日のりょーくんとのデート頑張りなさいよ?」


「う、うるさいっ!」


 バンッ!

 私はドアを勢いよく閉めました。

 お母さんに私の恥ずかしいところを知られてしまい、顔から火が吹き出してしまいそうなくらい熱いです。

 

「もう……バカ」


 お母さんは恋愛のお話とかすっごく大好きな人です。

 だから、私の恋愛にも興味本位で……もう! バカバカバカ!

 そういえばなのですが、お母さんに暴言を吐いたのはこれが初めてかもしれません。

 ––––思春期って怖いものですね……。


「はぁ……」

 

 私はため息を吐き、落ち着いたところで再び洋服選びを再開します。

 ––––気に入ってもらえるといいなぁ……。

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