ショートショート② 幽霊
UuuuuuuuuuuU
な、なんだこの音
一人暮らしの青年は目が覚めた。カーテンを開けて確認する。
近くに何かおちたのかな?
この日は講義が昼からだったのに起きてしまった。
なんだか損した気分で外にジャージのまま出た。
しかし、外は何もなかったかのように多くの人が歩いている。みんなが会社や学校に向けて歩いていた。
んー朝ごはんでも買いに行くか
いつも朝ごはんは食べないが今日は違う。時間に余裕があったので近くのコンビニへ向かう。その途中
大学の友人を見つけた。
おー、おはよう!
まあ確かにそんなに仲は良くないが挨拶くらい返してくれてもいいのに。そんなことを考えながら歩き続ける。
まてよ
やっぱりおかしい
すれ違う人と目線が合わない
みんな顔が死んでいるようで
まさか、ゾンビ
いやいや幽霊?
おかしい
自分だけが仲間はずれのような
急に恐ろしくなった
つい大声で
あのー
あのー
聞こえますかー
おおーい
遠くから返事とともに長髪の男が走ってきた
いつもだったら冷たい目で見るような外見だが今は別だ。
よかった目線が合う人がいて
俺もまさか1人は嫌だったんだよ
そうなんですよ
僕もさっき外に出たばっかりで
そうなのか、いやーほんとによかった1人じゃなくて
さびしかったんだよ
朝からまったく人と喋っていなかった青年は不思議な安心感があった。
とりあえず僕は家に帰ります
俺もそうするよ
どうやら2人は同じ方向に帰るようで、その途中も会話は続いた。とても楽しく幸せな気持ちだった。
青年は人を見かけで判断するのをやめた。
「お昼のニュースです。早朝に発生したと思われるガス漏れによる事故は、自殺の方向で操作が始まったようです。部屋から漏れだガスにより隣の部屋の大学…」