第1話 プロローグ
連載です。
が、時々です。
首が長くなってキリンさんになるかもしれませんがもし良ければ見てください。
どうも〜C級冒険者のハルだ。年は18?よくわからんが成人儀式を3年前に受けたからそうだろう、うん、そうだきっと。べ、別に一昨日の誕生日を誰にも祝って貰えなくて悲しんでる訳じゃないぞっ!あ、あとそこのお前、線が細くて色白で名前がハルだからって女だと思ったか!残念、俺には立派な息子がついておるっっっ!あ、受付嬢さん騒いでゴメンなさい。あ、俺の番?やっと来た〜これ依頼書とコボルトの牙です。は、はい、え?あ、ええ。ソロですけど…っご、ゴメンなさい!怒らないで!…パーティ?クラン?ナニソレオイシイノ…あ、ちょっ待っぎゃああああアイアンクローは無…ちょ、ギブギブ…ぎょえぇぇ
主人公に語りを任せると聞き手の疲労が3倍増しという特殊能力を確認。どうも語り部だ(イケボ)。埒が開かないから私が色々説明しよう。
ここはみんな大好き剣と魔法の世界サーマリウスだ。残念なことに魔族は敵じゃないぞ。邪神モペペペペ・カタルンチョスというセンスもへったくれもない名の神が世界を支配しようと凶悪な魔物たちをバラマキ始めて124年。それぞれの種族が分断されて壁に囲まれた街をつくり、台所のGが如くわき続ける魔物たちに立ち向かっているのだ。
そして、魔物に立ち向かう勇敢な者達、その名を冒険者!年頃の男子が1度はなりたいと口にするがその死亡率の高さ故に大半の者は堅実な生活を築くという超逆風の中、冒険者ギルドの門を叩き、研修と研鑽を積み、ギルドカードを発行して貰えた者こそが街を魔物から守り、また資源となる魔物を狩る、冒険者なのである。
この外見美少女な男性冒険者ハルは、15歳の称号を授けるのだ!の儀式(名前がダサいのは仕様です。)にて収納等のギフトを得た孤児院の住人である。いや、であった。成人したことで自分で食い扶持をなんとかしなければならなくなった為に選んだ道が冒険者というわけである。志望理由?蹴り石が行き着いた先が冒険者ギルドだったからですが何か?
まぁそんなこんなで先輩や受付嬢に揉まれながら(物理)駆け出しのG級から3年でわりと優秀だけどあんま注目されない中途半端のC級に上り詰めたわりと影が細くて薄い主人公の物語である。
「ハル。また1人?」
「シーよ、せめて頭から手を離して頂けないでしょうか?」
「駄目。また私との約束破った。これは罰。」
「いででででででで!!!」
ジト目+ツルペタ+無口な受付嬢シエナにアイアンクローされてます。ハルです。ご褒美で…いででででででで!どこにそんなパワーが…
「ハル。あなたが割と優秀なのは私も知ってる。」
「ちょっと毒含んでない?」
「器用貧乏、浅く広くなハルは誰かと組むべき。」
「褒めたいの?貶したいの?ねぇどっち?!ほ、褒めたいんだよね、そうだよね、そうであってくださいお願いします」
「煙に巻こうとしても無駄。危険な依頼増えてる。」
「だ、だからね、シエナちゃ…シーが危なくないって許可くれた依頼しか受けてないよ?ほ、ホントだよ?ね、だからそろそろ頭から手を…いで、いででで」
「(私の心配を余所に…もう。可愛いハルに何かあったらどうするの。)」
「えっと、何か…」
「う、うるちゃい!これ引換証。鑑定カウンター、支払い!」
「単語?!言語能力の欠落?!痛い痛い、わかった!ありがとう!」
《アイツ、ブチコ〇ス》
モテないしがない縁がない男性冒険者達の私怨の声を尻目に鈍痛で警鐘が鳴り響く頭を抑えながら今日もハルは無事冒険者としての仕事を終えた。
そう、これはチートはあんまり持たない、転生も転移もしてない、現地産の主人公がそこそこの生活を手にするためにそこそこの活躍を時々するようなお話である。