六花ひとひら（１４０字掌編集）

兄と猫

Twitterでどなたかにお題をいただいたもの（だった気がする）

２ツイート分

　＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊

　兄はなまけものだ。

　よく家の中で行き倒れのように転がっている。飼い猫のミィはそんな兄を障害物か何かのように踏みつけて歩く。

「あー、俺、猫にも認知されない」

　認知されてるよ。邪魔だって。わかってるなら起きてればいいのに。

　でもね、知ってる。

　おにぃが転がるところをミィはわざわざ通る。

　おにぃはミィの通りそうな所にわざわざ転がる。

　寝る時だって一緒だし、たまに寝相までそっくりだ。

　男同士なのに、なんでそんなに仲イイの？

　おにぃが珍しく出掛けている時に、こっそり真似して転がってみたけれど、ミィは鼻で笑って避けて行った。

　くっそう！　今夜おにぃと一緒に寝るのは私だからね！