78/86
白い世界の青い夜
星の瞬きの音がしそうだ。
昼までの吹雪が嘘のように晴れ渡って、白銀の世界をキンキンと冷やしていく。月明かりが雪の上に青い影を落とし、全ての音は雪に抱かれて眠りにつく。
動くものも無い。
手元の肉は尽きた。
寂しいのなら、墓標を掘り起こせば懐かしい顔にも会えるのだが……
腐ることのない彼らを、いつまで友と家族と思い続けられるのか。ここ最近は自分が信用ならない。
星々から目を離し、鍋に雪を詰め、今日も湯で空腹を誤魔化す。
ああ。また風が出てきた……雪が、舞い上がる。
#140字SS
Twitterに放流させたものに加筆修正を加えてます
雪の中に埋めると凍らない(常に0度程度)。
凍らせたいときは雪の上に出しておかないと。




