【世界観補足】特殊能力省公表文書『特殊能力に関する見解』
読まなくても物語には関係ない、フレーバーです
『特殊能力についての見解』
2020年3月7日
特殊能力省
一.『本見解に関して』
本見解は2020年2月30日に行われた衆議院特殊能力委員会における質問第一号、
民生党衆議院議員河本義男議員の『特殊能力』の概要に関する質問への
特殊能力者省 畑本桜事務次官 による答弁の補完を図るものである、
また、本見解をもって今後の委員会運営の円滑化を図るものである。
二.『特殊能力についての見解』
質問一号において特殊能力の概要という質問の定義がなされていないが、
「特殊能力はいかなるもので、活用ではどのような実績があるのか」という文言から
本省が定める特殊能力の概念、並びに現在日本において活用されている具体例を示す。
1.特殊能力の定義
特殊能力とは、物理法則や現在の科学技術をもって概ねの人間が実行不可能な行為を
成しえる能力を指す。
従って、どの様な能力、技能であっても、他者が会得可能と思われるものは排除される。
以上の定義は漠然としているが現在の科学技術をもってして、これ以上の定義は困難である。
これはあくまでも現在の特殊能力省の見解であり、今後の研究で変更の可能性は十分にある。
また、特殊能力評価委員会が様々な角度から分析、調査を踏まえ特殊能力の認定を行っている。
2.特殊能力活用の具体例
①エネルギー政策における活用
特殊能力によってエネルギーの生産及び変換は著しく変化しつつある。
2018年に発生した国際エネルギー会議テロ事件及びその後に相次いだ国際紛争によって、我が国
の生命線たる海上輸送路は途絶した。
そこで、同年に発足した特殊能力省の前進となる特殊能力技術庁により以下の政策が打たれた。
(ⅰ)特殊能力者『検閲済み』の『検閲済み』による備蓄石油を増量。
※現在、下記の様に電力では代替エネルギー源の開発が進んでおり、石油消費量は
下降傾向にある。また『検閲済み』による新型原油合成プラントの建造が進めらており、
来年度には稼働する見込みである。再来年度には我が国は原油産出国になる見通し。
(ⅱ)特殊能力者『検閲済み』及び『検閲済み』による火力発電効率の引き上げ。
また特殊能力省への昇格後は以下の政策を打ち出した。
(ⅲ)特殊能力者『大槌啓介』の放射線遮断による原子力発電所の安全確保
これにより、全国の原子力発電所の稼働率が引き上げた。
※現在大槌啓介は特殊能力省/防衛省/消防庁/海上保安庁/合同部隊「特殊能力救難隊」所属
放射性物質爆弾並びに核兵器による攻撃を受けた地域への派遣を任務としている。
(ⅳ)特殊能力者『雨海湊』による地質調査ならびに『検閲済み』による特殊ボーリング作業による
地熱発電所の開発。
※雨海湊は上記の特殊能力救難隊に所属。地震、地滑りの予知を任務としてる。
現在『検閲済み』並びに『検閲済み』による新触媒の開発により、
太陽光発電の大幅な効率化が見込まれる。今後電力は太陽光、地熱、原子力に担われ、
有限の石油資源を他分野で活用可能になる見通し。
②産業における活用
特殊能力の産業における活用は我が国の経済活動の根本である。
(ⅰ)新素材による3Dプリンターの生産性向上
特殊能力者『検閲済み』並びに『検閲済み』により3Dプリンターの新樹脂を開発。
これにより硬化速度と製品の強度が向上した。
現在は特殊能力省並びに地方警察、自衛隊の小火器製造に活用されている。
また地方の老朽化したインフラ整備に活用される等、我が国の生産力を向上させた。
(ⅱ)量子コンピューター京2の開発
特殊能力者十名(いずれも氏名非公開)により、第一世代量子コンピューターを開発。
現在特殊能力省特殊能力評価委員会にて運用中。
(ⅲ)農業の生産性向上
我が国は2010年代まで食料自給率が低水準に留まっていた。
ベイジンショック以降輸入が途絶え、国民の生活で大きな影響をもたらした。
そこで特殊能力技術庁と農林水産省との共同で農業、酪農、水産業の効率化を図った。
農業、酪農では『検閲済み』により、遺伝子組み換えを用いず、任意の生産性、
品質を保った新たな銘柄を短期間で開発、国内生産で需要の80%を生産可能になった。
水産業では『三縞春菜』によるプランクトンの増殖によって海産資源を増大させた。
※三縞春菜の能力は現在変化し『検閲済み』となっている。
上記の特殊能力救難隊において生物兵器、及び生物汚染を除去を任務とする。
③福祉、医療における活用
福祉、医療における活用は、特殊能力者への信頼醸成において重要な意味を持つ。
現在、その方針を模索中ではあるが一例を挙げる。
(ⅰ)医療用マイクロマシンの開発
現在、五名の特殊能力者(いずれも検閲対象)により、
医療用マイクロマシンが試作段階にある。特殊能力の活用により、
当初の想定の性能を超えたマイクロマシンが開発可能になった。
そのため、技術が流出し悪用された場合の対策、安全性の確保が新たに必要となり、
実用化には5年は必要となる見込みである。
(ⅱ)精神医療への活用
精神科医でもある『和田涼介』のトラウマ記憶の五感を通じた共有、
並びに心理カウンセラー『大神真凛』によるストレス原因の脳内物質を抑圧よる
PTSD患者、もしくは心理的負担を強いられると予想される対象の症状の緩和。
※両名とも特殊能力救難隊で災害、テロ被災地における心理カウンセリングを受け持つ。
また平時から難民、各省庁特殊部隊隊員へのカウンセリングを行っている。
(ⅲ)福祉用強化外骨格の開発
高齢者介護の為、強化外骨格を開発。福祉士の負担軽減及び効率化がなされた。
尚、本強化外骨格は警察、自衛隊でも導入がなされている河菱重工製強化外骨格
『APE』(Armed Powered Exoskeleton)の非武装、出力低下型であり、
この開発には操作系、及びバッテリーの小型、高出力化に特殊能力が活用されている。
(ⅳ)複数の特殊能力者による、大規模災害、テロ、戦災対応部隊「特殊能力救難隊」の創設
現在、テロ、紛争地などの、敵対勢力との交戦が想定される事案対処の方針、
特殊能力者以外の人員構成、指揮統制等について各省庁間で協議が進行中である。
当該部隊は訓練段階であるが、本年度中に大規模災害に対処な能力を獲得する見込みである
④警察、防衛における活用
本分野では開示可能な具体例は少ないが、装備品開発における実績を挙げる。
また、何れの能力も検閲対象となることを先に記す。
(ⅰ)小型誘導弾の開発
複数の特殊能力により、センサーの小型、精密化が可能となった。
また推進剤の燃焼効率が向上、弾頭部の高威力化した。
これにより各種小型誘導弾の開発が可能となった。
現在MAAM-1(小型対空ミサイル1)が航空自衛隊に納入されている。
今後、海上自衛隊の対艦誘導弾が配備される見通し。
これにより、国際情勢が不安定かつ流動的な現在にあっても、
大幅な軍拡をせずとも、防衛能力を着実に向上させることが可能になった。
(ⅱ)強化外骨格並びに武装強化外骨格の開発
北京におけるテロ及び大疎開と呼ばれる一連の人口移動により、
警察、自衛隊の員数不足並びに士気低下が課題となった。
また都市圏での大規模テロに際し、当時の能力の限界が明らかになった。
そこで個人の作戦能力の向上及び生存性の改善を図る為、強化外骨格の開発が決定した。
開発は特殊能力技術庁、防衛装備庁、民間企業合同で行われた。
複数の特殊能力により当初の予想を大幅に上回る出力、稼働時間が可能になったため、
装甲、重火器、火器管制、通信指揮システムを盛り込んだ武装強化外骨格の開発が決まった。
現在、強化外骨格は警察、自衛隊に納入されている他、上記の福祉にも活用されている。
武装強化外骨格は特殊能力省、警察、自衛隊、海上保安庁に配備されている。
各省庁の運用思想に基づいた装備がなされており、名称も異なる。
尚特殊能力省、警察での呼称は『機動装甲具』であり、装備も一部を除けば同一である。
三.終わりに
特殊能力は我が国今後を担う活力であり、同時に無極化と紛争の熾烈化が進む世界において我が国の安寧を守りうる術である。上記の具体例が示す通り特殊能力者が齎した恩恵は計り知れない。
本省は今後の我が国の安寧、発展の為に社会並びに国民からの特殊能力と特殊能力者への理解と協力を切に願うものである。
注)『検閲済み』個所に関しては特殊能力委員会において開示したが、本文公開に際し
特殊能力関連情報保全法に基づき、非公開とした。
以上




