ヨミの扉
ヨミの扉が開くとき
レムリアの神ともいえるカブト。闘神イオ、アギトを送還するための『虹の光』『黄金のカブト』を集めたムシビトたちは、シルティを紹介される。それはカタビラアゲハとしてダーマの仲間となっていたシルティ、ヨミ族の『巫女アゲハ』だったのだ。
ヨミの扉
「それだけでは、足りぬぞコオカ」
そこにゴラリアのエレファス王が入って来た。
「さあ、入りなさい」
その娘をコオカは片時も忘れた事が無かった。ずっと妃を持たなかったのには理由があったのだ。
「ご無沙汰しています、コオカ様」
白いアゲハが王宮に現れた。シルティに寄生していたラグナが浄化され、ダーマによって刷り込まれていた偽りの過去も一緒に浄化された。彼女が心を寄せていたのはヤンマではなく『コオカ』だったのである。彼女はマンジュリカーナに見いだされたヨミ族の娘だった。ダーマは彼女を操るためにヤンマに寄生していたのだ。彼女にはフランタイヤンマが実はコオカに見えていたのだった。
「ヨミ族をわしの思いのままに操るには、シルティの持つ力を引き入れなければならない。自らの意思でわしの元に来させねば、寄り代にならぬ」
ダーマはそのために幻術を彼女にかけたのだ。彼女が恋する相手はこの戦いで『死ななければならない』のだった。ラグナが浄化され、その幻術がやっと解けた彼女は、『巫女アゲハ』として再びこのレムリアに戻った。
「おい、コオカ。何を見とれている」
ラクレスが珍しく冗談を言った。
「ば、馬鹿を言うな。それよりもできるのかシルティ、再誕の術が」
「はい、コオカ様。サフラン(由美子)のおかげで私もようやく覚醒できました。若いマンジュリカーナ、なっぴ。オロシアーナ、そしてエスメラーダもきっとアガルタにお着きになるでしょう。このレムリアからムシビトの神を送還しないでどうするのですか?」
「も、もちろんだとも、シルティ」
「なんか、押されてない? コウカ様ぁ」
「これっ、リンリン。王をからかうものじゃないぞ」
ギラファがたしなめた。久し振りの笑い声が王宮に響いた。
(これが、今のレムリア王国。これもなっぴの力なのかしらね)
シルティもようやく本来の笑顔を取り戻した。彼女は精霊『シロアゲハ』を持つ。ヨミ族は再誕の術に長けていた、ダゴスがマイに使った古い術もそのひとつだ。
シルティの指示通りに広間に三人を並べると、ムシビトは出て行った。巫女たちは頭をつける様に仰向けに並べられた。その両手にはひとつずつ虹の原石が握られている。ラベンデュラは赤と橙、スカーレットは黄と緑、バイオレットは青と藍の原石だ。そして三人の頭で作られた三角形の中心に紫の原石を置く。全てが完成すると、彼女はゆっくりと広間に舞い上がった。
「この星にある、イオナ・アマテラスよ。長き眠りは終わった、その光を再び放ちこのものを救いたまえ。『アロマリカーナ・ゼム!』」
虹の原石の光は一点に向けて放出された。そして混沌とした闇に混じり終えると巨大な目がゆっくりと開いた。その目を見据えてシルティは物怖じもせずこう言った。
「まさに『ヨミの扉』我らの主。このものを再び甦らせたまえ。そしてマンジュリカーナの元にムシビトの神を送らせたまえ」
低い声が響いた。
「代償は高くつくぞ、それでもよいのであろうな、我が子供たち」
「かまいませぬ、この星にはどうしてもマンジュリカーナが必要なのです」
ヨミの扉が開き一人の女神が広間に現れた。




