失ったマナの力
失ったマナの力
女王が目覚めて二日後の昼、人間界のなっぴの姿が広間に映った。
「デュランタ、ゲンチアーナ、この場のものたち、よく見ておきなさい。この国を救いなお、更なる強敵から異界を守る『虹の戦士』の姿を」
「なっぴ、がんばって」
「ああ、由美子がいるわ。由美子が無事着いたのは、母さんたちのおかげです」
しかしゲンチアーナの声は眠り続ける母『バィオレット』には届かなかった。
(何故、由美子はあの仮面のアゲハを倒さないのかしら。私のときと同じだ。きっと何かに操られているからだわ)
ゲンチアーナはそう思った。
ただ一人、アイリス(フランヌ)だけがその仮面のアゲハに心当たりがあった。
(はやく元に戻って、きっとあなたでしょう? シルティ……)
なっぴが大グモを浄化した時、ついにラベンデュラに残るマンジュリカーナの力が尽きた。
「ラベンデュラ!」
キングが駆け寄り女王を抱きとめる。二人の王子によって掘り出された黄金のカブトがその時王宮に届けられた。気を取り直して女王は息子たちの労をねぎらった。
「よくやってくれました。この国で皆に命を救われたマイ、あなたたちの妹が今度は皆を救ってくれます。『ヒドランジア』の覚醒も近いはずです」
ナノリアの女王『ラベンデュラ』は再び気を失った。これでフローラの三姉妹は、マンジュリカーナの力を全て失ってしまった。若い巫女たちに黄金のカブトを扱う力はまだ無い、ヴィオラはアイリスに告げた。
「私たちの力では黄金のカブトを使うことはできない。マンジュリカーナに匹敵するマナの力、それがこの『虹の力』。でもこれを使えるのはただ一人しかいない」
長い間虹のほこらにあったそのもう一組の原石は『虹の力』と呼ばれた。母『トレニア』は口癖の様に二人に話していた。
「私たちは、宇宙で産まれたマンジュリカーナの子孫。そのためこの星のマナ(イオナの力)はアロマリカーナに集中していった。そしてリカーナがこの星のラグナを浄化した時、マナの力を使ってアロマに集まったイオナの力を封印しそれを『虹の力』とした」
そのためアロマの娘であるフローレスは巫女として覚醒する事は無かったのだ。やがて、あらためてマンジュリカーナはフローレスの姉妹や素質のある娘たちに、術を伝授した。しかしその『虹の力』を扱える程の巫女は残念ながら、レムリアのムシビトにはいない。
「『虹の力』『黄金のカブト』は揃った。これで三人が目覚めさえすれば強力な援護ができる」
だが翌日の朝になっても三人の巫女は目覚める気配はなかった。




