表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なっぴの昆虫王国 シュラ編  作者: 黒瀬新吉
51/127

オロスの巫女母娘

オロスの巫女母娘


「ミーシャ、ミーシャは何処? 母さん、ミーシャがいない」

近所の水車小屋まで麦を運びにいった、娘が戻らない。ミナはラナを見た。その『目くばせ』には意味があった。ラナは先日ルノクスからの飛行物体を感知した様に、敵の襲来を察知していたのだ。


「クククッ、往生際の悪いオロスの巫女。アガルタでその奥義を使い、ほとんど術は使えまい。余計な事をしなければもう少し長生きできたであろうに」

ガラムの赤い牙がついに『ラナ』の足首を捕らえた。

「うっ、赤ムカデめ!」

ラナは太刀を抜き、その頭を飛ばす。見事な居合いだ。しかし次の瞬間ガラムの新しい顔が笑った。

「無駄だ、『ラナ・ポポローナ』わしらは不死身なのだ」

「オローシャ・ピリリカ!」

新しい牙を剥き、ラナに襲いかかる赤ムカデを無数の雷針が貫いた。

「ウゲェアア」

ミナがオロスの雷針の呪文を唱える。しかしすぐにガラムの体から抜け落ちる。


挿絵(By みてみん)


「……だめだ、オロスの術では叶わない。ヒメカの術でなければ」

しかし、ミナはオロシアーナとして覚醒していない。それでも懸命に母を守ろうとしていた。吹雪の呪文を唱えようとした時だ。

「クククッ、お前の相手は俺だろう」

彼女に向けてゴラムの糸が放射状に放たれた。その糸はまるで1本づつ、意志を持つかの様にミナの剣をかいくぐりついに彼女の足に絡みついた。

「うっ、しまった」

「クククッ、人魚などに関わって力を使い過ぎた様だな、せっかく連れて来たあの闇の巫女もとうとう出番も無いままか」

「闇の、巫女……」

「そうさ、我ら先住民の『巫女アゲハ』だ」

今まで何処にいたのかその白いアゲハは初めてミナに口を開いた。

「マンジュリカーナは私の大事な人を奪った。決して許さない」

「……」


ラナは大きく肩で息をしていた、ゆっくり近づくガラムに刀を振り上げる力さえ残っていなかった。

「さあ、そろそろあの世に旅立ちな、キリトが待っているぜ」

そう言うと、ガラムは赤い牙をオロスの巫女の首に深く打ち込んだ。白い巫女装束は一瞬で紅に染まった。母が無惨に殺されるのを見て、ミナが叫んだ。

「母さん!」

「フフフッ、ついにくたばったか。さあ、確かお前には娘がいたはず。ダーマはその娘も殺して来いと言った。何処にいる?」


「一足違いだったわね、娘はここにはいないわ」

体中を大グモの糸に巻きつかれ、自由を奪われたミナはそうつい口走った、あわてて口をつむぐ。しかしその心の中はすでに操りグモに見破られてしまった。

「クククッ、言わずとも伝わる」

そうゴラムは笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ