なっぴ対大グモ
なっぴ対大グモ
「ギルル」
大グモは言葉と言えるものは、発せないらしい、なっぴに牙を剥き跳躍した。再び舞い上がる彼女は空中から緑のヨーヨーを投げつけた。
「グリーン・ヨーヨー」
三列に並ぶ八個の眼のひとつにまともにヨーヨーが命中した。ヨミ族もムシビトとはそう違わないはずだ、なっぴは『テンテン』にダメージがあるかを尋ねた。
「どう? こいつに効き目はあるの?」
しかし、答えはこうだった。
「ほとんどダメージはないわ、でもそのかわりヨーヨーの方に変化がある、これはおかしい?」
なるほど、緑色のヨーヨーがその鮮やかな色を心なしか失っている。
「ギッ」
数値としてのダメージはない、しかし明らかに大グモは苦しんでいた。なっぴは由美子から受け取った『インディゴ・ソード(藍龍刀)』を抜いた。
「そんなにあるなら何本か斬ってもいいかしら?」
「気をつけてなっぴ、ドモンが何かダゴスに聞いているかも」
なっぴはついにテンテンに尋ねる。
「ダゴスは……」
しかし、テンテンは暫く何も言ってくれなかった。
(ダゴスはやはりあのサソリに倒されてしまったのか)
「なっぴは『インディゴ・ソード』を振り、大グモの腕をたちまち三本切り落とした。しかしガラム同様すぐに新しく生えてくる。どうやらダメージは与えられない様だ。
「イエロー・ブンブン」
今度はブンブンごまを投げつけるなっぴだが変化はない。大グモは尻から強力な糸を吐いた。これに捕らえられるわけにはいかない。横転してそれを避けると、なっぴはもう一度テンテンに聞いた。
「何かわかった? テンテン」
なっぴに聞こえたのは、『アシダカグモ』の『ドモン』の声だ。
「なっぴ、ラグナの成体を倒すには『浄化』しなければならない。ラグナは浄化された寄り代には居られない。あまりの苦しさに外へ出ると伝わっている。だが『ダゴス』はその浄化には『ヨミの力』が必要だといった。
「浄化?」
「お前、誰と話している?『浄化』だと、お前にそれができると思っているのか?」
ガラムは、腕が体になじむと肩当てをひとつ引きちぎり鋭い剣に変えた。
「ヨミの戦士は、体を武器に変える事ができる。それは魚人と同じだがな、ただ格段に固い」
そう言って、ミーシャの打ち込んだ太刀をガラムは受け止めた。今度は勝手が違う。ミーシャが剣を習っている経験がないのは誰の目にも明らかだった。やがてガラムの剣がミーシャを捉え刻み始める。白装束が少しずつ赤く染まり始めた。
「なるほどさすがガラム、言うだけの事はある。あの剣がもし『白龍刀』だとしても、未だあの娘は扱えていない。やはり、母親を殺しておいたのは正解だな」
そう言ってゴラムは再び大ムカデを操り始めた。




