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なっぴの昆虫王国 シュラ編  作者: 黒瀬新吉
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タマヨセ

タマヨセ


「セイレが気を失うのは、わたしが『エスメラーダ』の覚醒を早めているからなの、おばあさまがしたようにね。なっぴ」


なっぴの祖母『里香』はカイリュウ、『シラト』と結ばれた、その娘は二人あった。一人は『里奈』、もう一人の娘とは『香奈』の事だ。二人にはレムリアとアガルタの血が流れていたのである。


なっぴには一緒に暮らしていた女の子がいた。といっても姉妹ではない、ある日突然家に現れたその子は半年ほどでふっと、いなくなっていたからだ。両親はそんな子はもともといなかったと言った。なっぴに見えたのはマナの実体化したもの、それは里香が『リカーナ』から引き継ぎ、地上のシャングリラで練り込まれた、強力無比なるマナだったのだ。それを取り込んだ彼女が、レムリア王国へ行ったのはわずか十才の時だった。


「私は『ルシナ』に『ラミナ』の残した『人魚の卵』の話を聞き、再誕の時代にも関わらず、『ラミナ』が何故『人魚の卵』を残そうとしたのかと思ったのよ」


時は来た


「あなたたち、本当にいいの?」

『里奈』が三人に言った。

「もちろんです、女王様」

『ルシナ』が最初に答えた。

「これが伝承の巫女の役目です」

『ダルナ』がにっこり笑った。

「女王様こそ、こんなご決断をされて感謝いたします」

『マーラ』は長い槍を紅珊瑚に立てかけ、『ラナ』の前に進み出た。


コアをほどき三人に伝わる伝承をもう一度一つに練り込む。しかし、『タマフリ』から『タマヨセ』そして『タマムスビ』その一連のヒメカの奥義『アマオロス』を使えば『ラナ・ポポローナ』はおそらく今後術は使えないだろう。しかし一足早くこの世から消えた『カルナ』そして『里香』を思うと彼女は満足だった。この星の生き物はすべて海から産まれたのだから……。


「オローシャ、フリノーレ」

『クシナ』の力がエスメラーダ人魚から抜き取られていく。『マーラ』『ダルナ』『ルシナ』が次第に石化していく。ついにすべての人魚は消滅したのだった。しかしその顔は皆満足げだった。


「ありがとう、エスメラーダ人魚たち。『クシナ・エスメラーダ』『アキナ・エスメラーダ』そして『カルナ・エスメラーダ』……」

女王『里奈』はつい、涙を流した。最初の涙がこぼれると後から後から湧き出して来た。それが丸い『緑の真珠』となったのである。そしてそれらが互いに混じり合い、十五個の『人魚の卵』になった。


「今、降り下ろす『クシナ』の精、見事『人魚の卵』を『寄り代』と望め。オローシャ・ヨリキューラ」


『ラナ』はそう言うと、自身に流れる最後のエスメラーダ『ラミナ』の『クシナの力』を降り下ろした。彼女の『タマヨセ』により『人魚塚』へと全ての『クシナの力』は巨大な緑の光となり吸い込まれていった。


『クシナの力』は何代ものエスメラーダの(コア)をほどきそれをより直していった。やがて『紅珊瑚』から細い糸が幾本も伸びてくると、それがゆっくり、ゆっくりと緑の真珠に巻き取られていった。全て終わると緑の人魚の卵はさらに一回り大きくなっていた。


『タマヨセ』が完了したのと同時に、ラナは肩で息をしていた。香奈が手を貸そうとしたとき、ラナはそれを制した。

「『マンジュリカーナ』、こうなることは承知。『オロシアーナ』はこれしきのこと何でもない、たとえ『里香』であっても『アマオロス』は使えない。わたしは『ヒメカ』の力を受け継ぐオロスの巫女だ」

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