プロローグ
母の意識を取り戻すべく、海底王国「アガルタ」を目指すなっぴ。
しかし次々と襲いかかる敵に七色の原石を失ったなっぴは苦戦を強いられる。
危機一髪、そのとき仲間が現れた。彼らはなっぴのために人間界に現れた「昆虫人」だった。
黒幕「ダーマ」とは「ギバ」とは……、そして「シュラ」とは?
なっぴシリーズ第3弾のはじまりです。
黒瀬新吉 2016.09/01
プロローグ
なっぴが『里香の長い記憶』をダウンロードしたのにはある理由がありました。それは、既に亡くなって久しい祖母にもう一度会いたいだけではなかったのです。
「おばあちゃん、また会いにきたよ」
里香の記憶は一年前と同じ輝きを持ち、新しい制服に変ったなっぴにダウンロードされました。母の香奈から聞いた話では、オロチのねじ曲げた次元を修復し元通りつなげるために里香はそのマナの大半を使い、シラトとともに着いたヒメカの故郷アキツ(神聖語、アキツヤマト=日本)ではもう『マンジュリカーナ』として目覚めることはなかったそうです。シラトも先年亡くなり、やがて香奈になっぴが産まれたのです。しかし里香は待望の孫を抱き上げるとまもなく病床に伏しました。香奈はその時のことを彼女に言ったことがありました。
「お母様は、あなたと私をかわるがわる見て、こういったの『香奈、この子はきっと私たちを救ってくれる、母が私にしてくれたように私のすべてのマナを注ぎます。でも香奈、覚えておきなさい、マンジュリカーナは同じ次元で二人は現れない、マンジュリカーナとしてその力を使えるのは常に一人だけなのです』と」
香奈は少し涙ぐみその時のことをなっぴに伝えたのでした。
そして祖母の葬儀の時、なっぴは母に似た女性にはじめて会いました。その人が母の姉、アガルタに嫁いだ『里奈』だと教えてくれたのが、背の高い黒いサングラスの男。その男に再び会うまで、なっぴの周りには次第に異変が起こり始めていたのです。