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翳り行く街の光と影  作者: いしかわがる
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【零次元】 ーー崩壊ーー

 UFOロボのコックピットでは東海林が操縦桿を握っている。

 西園寺と晴男は昂った精神を統一するために瞑想中。

 クリティカルコンディションの北大路はエマージェンシーポッドで蘇生を試みているが状況は芳しくない。

「オートパイロット設定完了。あと5分程でメインエンジン臨界に到達、亜空間ドライヴに移行します」

「キミクン、あんたスゲェな。この極限状態で沈着で冷静な判断。的確な行動。さすが室町幕府のお役人様だぜ」

 瞑想から戻った西園寺は東海林を褒め称える。

「いえいえ、拙者も一応、武門の端くれでござるゆえ……」

「俺ぁ恥ずかしいよ。ずっと隠密部隊で殺伐とした人生送ってきた血みどろの人間がさ、なんか表舞台で人の為に役立てると思った矢先のことだったんでついカァっとなっちまってさ」

「ぁにいってんスか! 今が将にその時じゃぁないっすか!」

「そうそう。そうだぜ、ハジメ。腹ぁくくらんかい!」

「おう! 矢でも鉄砲でも持ってこんかい! ってなもんか?」

三人は、高らかに笑った。北大路も笑った……ような気がした。

「しかし、最後まで所長には本当のところを聞けずじまいだったな……」

「……そうですね、現にこれから、平和の為に平和でない事するんですからね……」

「矛盾だな」

「無常でもある」

「哲学ですねぇ……」

そうこうしてるうちに、エネルギー充塡120%のアラームが鳴る。

「反重力ストームエンジン臨界突破。亜空間ドライヴに突入します」

「お願いしまぁす!」


 光と闇の激しい渦の中、南達が光の粒子となって次元の壁を越えて行く。

 がだそこでまたもや戦いの予感が強まる。各々素粒子を引き締めて沈着に次フェイズへの移行を待つ。程なくして、異次元からワープしたと思われる流星爆撃の流れ弾に被弾! 衝撃が光と闇、そして引力斥力、重力に遠心力。様々なダイナミズムを出鱈目に、ないまぜに貫く。


………………元素固定ナノスタビライザー破損。………………

………防衛システム暴走。…………メインエンジンメルトダウン………………


 すべて、一瞬の夢のように、覚めない夢のように、惑星全生命の希望が、次元のハザマで塵も残らず消えてしまった。



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