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翳り行く街の光と影  作者: いしかわがる
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【研究所】 ーー復活ーー

「ああ成る迄の二週間、アレですよ、彼はそれこそ殺人的なメニューのリハビリをこなしてきたのだよ」

 いつのまにか晴男の傍らには、某子力研究所所長であり、某子力学博士、墨薫スミカオルの姿があった。

「某子力研究所所長の墨です。今後ともヨロシク」

 上体をくの字に折り、晴男の右手を自ら取って握手を交わす。

「アレだね、彼はどうやら、1973年の現代に到着後、あろうことか、再度亜空間を遡ったようだ。全く凄いサンプルだよ。通常では考えられないことなのだからね。何かアレ強い意志を発揮させる要因が過去に有ったのだろうか? 立て続け複数回の亜空間航行により、コレステロール値と血糖値に甚大な不備が生じたようだ。亜空間でなにか高カロリーを摂取した疑いがある。そもそも亜空間で意思行動をとること自体……、まぁ、ぶっちゃけ、アレですわ、見るに堪えない太りようでね、そんな姿を君に見せたくなかったのだろうね。見栄と気概で起き上がって来たってワケ……」

 墨博士の話は其処から先も続いていたようだが、晴男にはもう興味がなかった。

「まったく!(熊肉の残りが惜しかったんだな)馬鹿な野郎だぜ、兄弟!」

 深呼吸ひとつ。丹田に気を集中させると、晴男は一気に立ち上がり、西園寺の対面に陣取る。そして、給仕のカワイ子ちゃんに、ありったけのメニュウを注文した。西園寺の分をつまみ食いながら。

 東海林は信じられないという顔で肩をすくめた。

 墨は思わず呟く。

「……果心居士……アレですな。貴方は恐るべき怪物を作り上げてしまわれたようですわ……」

 某子力研究所所長、某子力学博士墨薫は、この腐敗した世界の未来に一筋の光明をみた。……ような気がした。

 食事も一段落し、軽くリハビリを開始する晴男。一ヶ月ぶりの食事にもかかわらず、西園寺に触発されてか、10人前の定食をたいらげ、必須アミノ酸をサプリメントで補給したとたん、みるみる体形が復元し、難なく自立歩行できるまでに回復した。

「アレだな、マンガだな。まるでこれは」

 これを見ていた墨博士と東海林は只々、唖然とするしかなかった。


 先ずは有酸素系フィジカルフィットネスのメニューをこなし、シナプスとニューロン細胞の活性化を図る。

 全神経と、全筋肉組織のコネクト強化を終えた後、大小筋肉群のトレーニングを丁寧に丁寧に、スプリットで180日間かけて鍛え直し、また数日間、一日の内の大半を過大な負荷をかけてのアイソメトリックトレーニングに費やす。晴男は長年の実戦経験から自己の超回復期を10時間後と理解している。休息の後は、西園寺との組み手で、実戦の勘も取り戻す。元来備わった感性に現代の知性が加わり、独自のメソッドを組み立てていくうちに、二人は全盛期をも凌ぐ身体能力と戦闘力を手に入れる事となる。

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