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【誰よりも強くて誰よりも優しくて誰よりも不幸な騎士の悪夢:愛と友情の悲劇】 1回目

ここから本格的な悪夢に入る。

 相も変わらず忙しい時期であるが、どうやらそれが功を奏したのか再び例の悪夢の館へと招かれたので、記録として残しておこうと思う。ただの夢にしろホンモノにしろ、面白いのであればそれでいいじゃないか。……三回目があればホンモノ認定してもいいだろうか。正直、書くのはあまり気分が進まないがこれもなにかのためだ。


 さて、その日は持ち帰った課題を延々とこなして心身ともに疲れきっていたと記憶している。寝る前に一杯の牛乳を飲み、トイレと歯磨きを済ませて床に着いたと思ったら私は再びあの陰気で大きく、そして妙に威厳のある館の門扉をくぐっていた。


 前回来た時と同じように、そこが悪夢の一等地、悪夢が住まう館──悪夢【ナイトメア・マンション】であることは頭の中で理解できており、まるで勝手知ったる我が家とばかりに管理人室へと私は足を伸ばした。家具の配置も寂れ具合もまるで変わってなく、どこで仕入れたのか優雅なカップで紅茶を飲みながら管理人の少女は私の姿をみていたずらっ子のように微笑んでいた。


 前回のケヴィン・ブラックマンの悪夢について答え合わせをしたかったのだが、そのことを問い詰めると少女は『わかっているみたいだからいい、初回だからサービスしてあげたの』というではないか。どうやら管理人権限でナイトメア・マンションのルールはある程度変えられるらしく、クリア報酬の『悪夢を見ない権利・快眠できる権利・明晰夢を見る権利』もそれが用いられているそうだ。そう言われて見れば、快眠や明晰夢はともかく前回のゲームクリアから私は一度も悪夢(一般的な意味。ここにも呼ばれなかったから注釈の必要もないかもしれない)を見ていなかった。


 さてさて、積もる話もそこそこに、少女はにんまりとしながら指を折って今日のゲームの舞台を考え始めた。忘れがちではあるが、この可愛らしい西洋人形の管理人は人が悪夢を追体験して苦しみながら真実を探るのを見て楽しむサディスティックな趣味があるのだ。


 ちょっと悩んだ末に、少女はとてとてと歩いて管理人室の壁にかけられたいた鍵の一つを手に取った。これは408号室の鍵だそうで、中には【誰よりも強くて誰よりも優しくて誰よりも不幸な騎士の悪夢:愛と友情の悲劇】が入居しているらしい。長ったらしい上にずいぶん陳腐な名前の悲劇だなと思ったのだが、私の表情を見たらしい少女はにんまりと唇を歪めて『今日のはとびっきりのだ』とのたまった。どうやら彼女は私のことをお気に入り認定してしまったらしい。


 暗い冥府へと続くかのような廊下を少女に手を引かれて私は進んでいった。出発前のサービスとしてご馳走になった一杯の紅茶の香りがすごく新鮮で、そしてまた、その廊下においては煌く太陽のように感じられた。


 余談だが、少女は『洗うのも出すのも面倒くさい』という理由で自分が使ってたカップをそのまま客である私のカップとして使用したことをここに記しておく。


 がちゃりと重い金属音とともに分厚い格式ばった扉が開く。少女の小さな手ではとても開かないような大きさなのだが、それは何かを欲するかのようで、やはり中には黒いもやのようなものが渦巻いていた。ケヴィンの悪夢と少し違うのは、彼の悪夢は(比較対象が出来たからこそわかったのだが)少し緑色かかっていたのにたいし、こちらは若干赤色が混じっているところだ。どうやら悪夢によって色合いが微妙に違うらしい。闇という言葉が生ぬるいほどに深い黒なのに色が感じられるとはまた妙な話だが、ともかくたしかに私には色が感じられたのだ。


 満面の笑みを浮かべた少女に背中を押され、私は悪夢へと飲み込まれていった。最後の瞬間、『今日はキッツイよ!』と小悪魔的な表情を浮かべているのを見て、私はある種の覚悟を決め、そしてクリアの暁には少女になにかしらのお仕置きをしようと心に固く誓った。



▲▽▲▽▲▽ 408号室【誰よりも強くて誰よりも優しくて誰よりも不幸な騎士の悪夢:愛と友情の悲劇】 ▲▽▲▽▲▽



 さて、今回の悪夢の追体験だが、私は精霊になった。


 どうやらここはファンタジーの世界らしく、いわゆる中世ヨーロッパ的な世界観のなかで剣と魔法でドンパチしているらしい。


 この世界では精霊とは守護霊のようなものでもあるらしく、私は常にある一人の若い新人騎士の傍でこの悪夢を傍観し続けたことを最初に記しておく。なお、追体験が始まった当初は精霊という、傍観しか出来ない存在であることに喜びを覚えたが、悪夢を繰り返すに連れて、どんな干渉も出来ない霊体であることにひどく虚しく、寂しく、悲しい気持ちになったことを今のうちに述べておく。


 本題に入ろう。


 物語はある田舎の村から始まった。その新人騎士の住む村だ。


 新人騎士には同い年の幼馴染が二人いた。村一番の薬屋の息子であるジャンと、村一番の鍛冶屋の娘のレナだ。ジャンはひ弱ではあるものの精神が強く、そして頭がよい。レナはお転婆で男勝りだったが、大人になるにつれて女らしさと可愛らしさが見え始め、村一番の娘となった。私が取り付いている新人騎士──なぜか名前が聞き取れなかったから以降は騎士とする──は村一番の勇気と誠実さ、そしてまっすぐな正義の心を持ち、そして村の誰よりも強かった。


 騎士とレナとジャンは同い年ということもあって昔から仲がよく、いつも三人で一緒に行動していた。互いに親友と呼べる間柄で、お互い体のどこにホクロがあるのかさえも知っているような関係だ。


 やがて騎士とレナが愛し始めて、恋人になり、そして夫婦になってもその関係は変わらなかった。お互い家族のようなものだったのだろう。


 さて、騎士はまだ若干22歳という若さでありながら、『新人騎士』でありながら、それまでの功績と腕っ節が認められ、特殊騎士だかなんだかに格上げされることになった。詳しくは省くが、実力派の平社員が社長専属の秘書というか右腕になったようなものだと思って欲しい。


 叙任式に出るために騎士は船に乗って聖都までいくことになった。しばらくは村に帰れない。出発の前日、三人は子供のころからよく集まって遊んだ秘密の川原の土手(といっても大人たちの誰もがそこを知っていたが、彼らに気を使ってみんなが知らないフリをし、彼らだけの秘密の場所に村ぐるみで仕立て上げていた)に集まった。


 騎士はレナからお祝いとして真っ白でピカピカの双剣をもらった。鍛冶屋が全力で鍛ったものだ。最高の出来だった。そして、騎士の得意な武器は双剣だ。ジャンからは野草や薬の知識をもらった。ジャンは笑いながら『おまえは危なっかしいからな』なんていっていた。どちらも最高の贈り物で、その日、三人は再会を固く約束し、そして騎士はジャンに自分がいない間にレナを、妻を任せるといって翌日旅立った。


 ぴかぴかの鎧と二つの剣が、丘を越えるまでずっと光を反射していて綺麗だった。


 船の中には一般客のほかに貴族、そして傭兵がいた。テンプレとでも言うべきか、船の航路には魔物がでることがあるらしく、その対策として雇われたものらしい。ただ、貴族が雇った傭兵は貴族同様に態度が悪く、船の揺れでよろけてぶつかった子供を怒鳴り散らしたり、目があったとイチャモンをつけてきたり、およそチンピラのような有様であった。貴族も傭兵も、悪い意味での想像通りのキャラクターをしていたといっていいだろう。


『クソッタレが!』


 そんな言葉がひっきりなしに響いていた。


 騎士はそんな様子にイライラしながらも、にこやかに対応し、そして泣く子供を笑顔であやした。長くなるのでここでは省くが、まさに理想の騎士のような、正義の光で溢れる、私から見てもかっこいい人間だったのだ。


 そして、予想通り魔物が出た。


 大王イカか何かだと思う。


 想定外の魔物だったため、船で雇った傭兵もなす術がなく次々に葬られていった。騎士は双剣を用いて次々に触手を切り落とし、いわゆる無双に近い状態であったが、いかんせん本体がでかすぎたこと、そして船そのもののダメージまで抑えられなかったために船はゆっくりと傾き始めた。


 もちろん、この船には救命胴衣のようなものが人数分用意してある。が、魔物の攻撃でいくらか破損していた。


 貴族とその傭兵のも破損していたらしい。貴族は我先に子連れの母親を殴って救命胴衣を奪い、海に飛び込んだ。傭兵は子供の救命胴衣を奪おうとしたが、騎士がそれを止めている間に救命胴衣が壊れた。激昂した傭兵が錯乱して逃げ惑う客を襲い始めたので、騎士は仕方なく傭兵を打ちのめし、自分の救命胴衣を傭兵に渡した。そして、必死の思いで無事な救命胴衣を探し出し、子供に渡した。これにより騎士の死は確定的なものになった。だが、騎士はその行為に一切の迷いも戸惑いも見せず、ただただ子供が助かることを喜んでいた。


 その後も騎士は精力的に救助活動を続け、とうとう甲板上にいた全ての人を逃すことに成功した。自身のことを一切省みず、そして魔物も激闘の末に倒していた。ジャンとレナのことを考えながら沈み行く船を運命をともにしようとしたところ、視界の端に女の子がいるのに気付いた。どうやら逃げ遅れていたらしい。


 どうせ死ぬなら、と騎士は女の子を抱えて海に飛び込んだ。うまくいけば自分の溺死体が浮き輪代わりになると思ったのだ。



 結果として騎士と女の子は生き残った。上手く潮に流され無人島に漂着したのだ。ただ、そこは暗礁が複雑に入り組んでいるらしく、船は近づくことが出来ないらしい。ただ、島から離れる流れもあるので小型であろうと船さえあれば脱出が可能のようだった。


 そこから騎士と女の子──パッチュのサバイバルが始まった。


 パッチュはまだ五歳程度の女の子であり、当然体も弱くサバイバルには足手まといでしかなかった。が、騎士は少ない水や食料を自分が我慢してでもパッチュに与えて生活をした。腹が減ったときは、そこらにあるとても食べられそうにない毒々しい草を煮詰め、鼻をつまんで無理やり飲み込んで凌いでいた。騎士はそれが毒草かつ薬草であり、食べ過ぎなければ死にはしないということをジャンからもらった知識によりわかっていたのだ。


 ものすごく長くなるので省くが、このサバイバル中に騎士とパッチュは何度も死にかけた。風邪、ケガ、飢え、渇き、魔物……。騎士一人でなら乗り越えたれた問題でも、単独行動は危険なために連れ歩いたパッチュのせいで死にそうになったことが何度もある。が、それでも騎士はいつも笑って、優しく、そして強く、理想の騎士であり、決してパッチュを見捨てようとも、疎ましく思うこともなかった。


 『騎士は最強なんだ』という言葉と騎士の笑顔はパッチュの生涯でもっとも印象深いものだったといっても過言ではないだろう。


 さて、脱出には船を作る必要がある。


 木材や道具を数ヶ月かけて調達した騎士だったが、動力だけが手に入らなかった。が、ある日その動力──魔石を持つ魔物が島の奥にいることを発見する。


 パッチュと一緒にその魔物を狩ろうとするも、その魔物は騎士ですら手に負えないほど強く、騎士は半殺しにされ、そしてパッチュが泣きながら騎士を引っ張って拠点に戻る羽目になった。


 騎士の容態は日に日に悪化し、一時期はとても危険な状態になったが、パッチュの看病のおかげで一命を取り留めた。


 どうやらその魔物は島の主のようなものらしく、こちらからちょっかいをかけない限りはあの場所から襲ってくることはないらしい。五歳の体で騎士を引っ張って戻ったパッチュは、ケガに因る熱に魘される騎士をずっと見ていたパッチュは、騎士に一つの提案をした。


『わたしをきたえて』、と。


 騎士一人なら勝てない。が、パッチュが戦えるなら勝てるかもしれないのだ。


 当初、騎士は反対した。ものすごく反対した。が、パッチュの意思は固く、とうとう折れることになった。無力なパッチュが力を求めた瞬間だった。


 長くなるのでまた割愛するが、ここから約十年とちょっと、騎士とパッチュはこの島で修行する。パッチュは美しい娘に成長し、そして騎士は中年とまでは行かずとも、そろそろ全盛期を過ぎる年齢になった。


 実力をつけたパッチュと騎士は魔物に挑む。


 実力は拮抗し、どちらがいつやられてもおかしくないほどの勝負であったが、最後の最後で騎士の一撃が決まった。パッチュのアシストのおかげだった。


 が、魔石を獲ろうと油断したところで魔物の最期の一撃が騎士を襲う。すんでのところで気付いたパッチュが騎士をかばった。わき腹が裂かれ、血が地面をぬらした。


 幸いにも傷は浅く、パッチュの容態も安定していた。お互いこれで帰れると喜び合い、涙を流した。その日はゆっくり休み、魔石の取り付けは翌日以降、三日かけて行うことになった。


 一日目は問題なかった。

 二日目も問題なかった。

 三日目も無事に過ぎ、船は完成した。


 そして出発の朝、パッチュは死んだ。


 魔物には遅効性の毒があったらしい。騎士が朝目覚めたとき、すでにパッチュの美しい肌は紫になり、可愛らしい唇はかさかさになっていた。若さが溢れる弾ける様な肢体は死体のように冷たく、鼓動はわずかしかなかった。


 パッチュは死の間際に言った。


『ありがとう、騎士さま。あなたは私のおとうさんで、大切な人で、大好きな人で……あなたと一緒にいられてとっても楽しかった。あなたと一緒にいられてうれしかった。だから、あなただけでも、ここから出て……あなたの大切な人ともう一度あってください。もういちど、笑いあって抱きしめあってください。でも……忘れないでね。わたしはあなたのこと、いつまでも、ずっとずっと、愛しています。一番にはなれないけれど、わたしはあなたを愛し続けます』


 五つのころからずっと一緒にいた騎士に、パッチュは父親のような恋人のような感覚を抱いていたらしい。その感覚をうまく述べることを私は出来ないが、傍観者である私自身にその例えようのない感覚がダイレクトに伝わってきて、それが返って逆に、物語にすっかりのめりこんでいた私にコレが悪夢で、悲劇の追体験であるという事実を思い出させてくれた。


 騎士は泣きながらパッチュを拠点に埋め、墓を立てた。パッチュの大好きだった花とパッチュがずっと使っていた騎士のお古のナイフを墓石の前に置いた。そしてパッチュが作ってくれたおそろいの貝殻のブレスレットを交換し、自分のをパッチュの墓に、パッチュのを自分の手首につけた。



 そこから騎士は死ぬような思いで海を渡り、地面を踏むことになった。ぴかぴかだったはずの鎧はさび付き、髭も髪もぼうぼうに伸びて幽鬼に間違われることさえあった。が、手入れを欠かさなかった二本の剣だけはぴかぴかのままだった。


 騎士は疲れた体に鞭を打って故郷へと向かおうとした。しかし、たどり着いた場所は故郷から遠く離れた、言葉のほとんど通じない異国の地であった。故郷へ戻るのにまた数年の時間を要した。


 このとき、騎士の年齢は40ほどになっていた。


 そして、騎士は故郷の村へと戻ってきた。懐かしい光景に視界がゆがみ、熱いものが頬を伝った。村はずれにあったはずの鍛冶屋がなくなってしまっていたが、彼は場所を変えたのだろうと思い、なんともなしに秘密の川原へと向かった。秘密の川原にはかつての自分たちのように子供が一人遊んでおり、その少年に鍛冶屋の場所を聞くとやはり場所を変え、薬屋の隣になったのだという。


 騎士はよろける足で、それでも全力を出して鍛冶屋へと向かった。

 レナに会いたかった。妻に会いたかった。ジャンに会いたかった。親友に会いたかった。パッチュが死んだ今、彼の生きる理由はそれしかなかった。




 鍛冶屋で彼らは再会した。

 

 騎士は絶望した。

 

 誰よりも強くて誰よりも優しい騎士は、誰よりも強くて誰よりも優しくて誰よりも不幸な騎士となった。



▲▽▲▽▲▽ ナイトメア・マンション:管理人室 ▲▽▲▽▲▽



 と、ここで風景が切り替わり、私はいつのまにやら管理人室へと戻ってきていた。なんだか頭がぼうっとしていて、頬に涙が伝っていた。にやにやと笑う少女なんて目に入らず、例えようのない喪失感と胸にポッカリと空いた気持ちで押しつぶされそうに生っていた。


 ひどく気分が悪かったのを覚えている。

 ずいぶんと長い間夢を見ていた気分だった。


 少女はそんな私をみてさっそく答え合わせに入った。およそ、人の気持ちなどわかりはしないのだろう、いや、わかっててわかろうとしていないのだ。初めて、私はこの悪魔のような少女に殺意を覚えた。


『毒があるはずの魔物の攻撃で騎士が死ななかったのはなぜ?』


『鍛冶屋の場所が変わっていたのはなぜ?』


『騎士が絶望したのはなぜ?』


 最初の質問にはなんとか答えられた。騎士は漂着後、パッチュのために毒草を繰り返し食べていたのだ。つまり、毒に対する耐性が付いていたと考えられる。死にそうになっても、子供の看病だけで治ったのは毒に対する免疫が働いたためだろう。


 だが、残りの二つの質問には答えられなかった。二つ目なんて時代の流れとしかいいようがないし、三つ目はむしろ最後の最後の報われるところで絶望した騎士に、感情移入していた私のほうが絶望したほどだ。せめてどんな形であれ、きちんとこの目で再開を見たかったと思うのは普通のことだと思う。


 結局、一回目は真実までたどり着けず、再び私は悪夢の悲劇を体験することになる。


 ナイトメア・マンションのルールの一つ『リトライすると少女からヒントがもらえる』に従い、少女はこっそりと、内緒話をするかのように私の耳にそのかわいい唇を近づけた。


『クライマックスはあそこじゃない』


『シナリオには続きがある』


『あれ、脇役だと思ってない?』


『憎む相手がいるって、幸せよね!』


 今回の悪夢は特別で、一回での合格はほぼ不可能に近いらしい。最初の答え合わせである条件を達成すると続きが見られるようになり、そこで初めて全貌が明らかになるそうだ。お気に入りになったためか特別に、私は条件を達成していなくても次は続きを見られるようにしたと少女は言ったが、なんの慰めにもならない。


 誰よりも強くて誰よりも優しくて誰よりも不幸な騎士の悪夢を、私は都合4回ほど繰り返すことになる。


 あの悲劇の悪夢を、30余年にわたる一人の男の不幸を、私は一晩で4回も繰り返し見させられたのだ!



▲▽▲▽▲▽▲▽



 文が長くなったので今日はここで筆を置く。せっかくなのでコレを見ている貴方も、気休めや暇つぶしでいいのでこの謎に挑んでみて欲しい。今回は正規のルートで戻ってこれたため、答え合わせはきちんとできる。


 今晩はもう寝るとしよう。続きは明日か時間があるときにでも書こうか。

 さすがにしばらくは呼ばないと少女はいっていたが、あいつに限って信用は出来ない。権利も無視して呼び出すこともあると、先輩もいっていた。


 そう、ナイトメア・マンションに呼び出されているのは、どうやら私だけではないらしい。


20160817 誤字修正など


これを読んでいるあなたも、少女の質問を考えてから次の頁を見てもらえるとうれしい。


なお、この続きは翌日(いや、もう今日か?)に投稿する。

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