【設定】神霊術と創生術、および魔具について
twitterで質問いただいて、活動報告に掲載させていただいたもの。
移動の際に少し加筆してます。
まず、神霊術/創生術の大本となる「魔術」については、大雑把には
・魔力を使用し、術式を構築することにより発動するものである。
・魔術の最終的な出来を左右するのは術者個人のイメージであり、これが魔術を「魔力による世界の変革」とできる理由である。
と考えて下さい。
イメージをより強固に、かつ、既定のものにするために術式と詠唱があり、それらの「結果」をあらわすものが術式紋です。
個人の魔力量やイメージの違いにより、まったく同一の術式紋を描くことは非常に困難です。手書きみたいなカンジで。
さて、一応本編でも触れているのですが、
まず神霊術と創生術は、非常にざっくり、細かいところを一切気にしない方向で考えていただくと
神霊術=薬による治療
創生術=移植
というのが一番近いと思われます。
神霊術は「人間がもともと持っているものをさらに活性化させることで病気やけがを治す術」
創生術は「失われたものを魔術により新しく補完することで病気やけがを治す術」と考えてください。
このイメージをしていただくと、同じケガや病気を治すのに必要とされる魔力などが、神霊術<<創生術 となるのも何となく分かっていただけるのではないかなと思います。神霊術がもともと人間が持っているものを使用するのに対し、創生術はまったく新しいものをゼロから創り出して患者に与えなければならないわけなので。
あ、ちなみに、それぞれのデメリット、
特にアレルギーや拒絶反応といったものの関連)については、基本的には無視してくださって結構です。そこは魔法ってすげー! の一言でOKです。
さて、ここからはそれぞれの術をもう少し細かく。
神霊術の基本、病気やけがを治すための術式は
1. 全身の代謝の亢進
2. 血流、リンパ流など、全身の水分の容量・循環的正常化
3. 免疫機能の促進
の3つを組み合わせたものになります。
優秀な祈道士は、これに「祝福の術式」と呼ばれる術式を組み込むことで、同じ魔力使用量でも、より高い治療効果をあげられるようになります。これは「祝福の術式」が、患者の状態を簡易スキャンし、3つの区分それぞれに対する、魔力の配分を最適化することができるからです。
ちなみにこの「最適化」の部分は、本編では実際にはまだ研究中の部分だったりします。経験則的にベテランの術師が使っている、というような状況です。
一方の創生術の基本は、「失われたものを再度患者の身体に創り出す」術式ひとつだけになります。
適切なものを適切に創り出すため、補助的に組み込まれ一体化させられている術式が多く(スキャンのようなものから、組織の細かいところを再現するためのものまで)、必要とされる魔力量は必然的にはねあがります。
よって、未熟な術者が使用すると、十分な効果が得られないうちに魔力が枯渇して倒れてしまうのです。
さて、そして、今度は魔具について。
これも本編のどこかで記述したと思いますが、この世界では、ひとつの魔具にはひとつの術式しか込めることはできません。
神霊術の魔具が「最低3つ」必要になるのは、これが理由です。一方の創生術は基本の術式がひとつだけなので、ひとつの魔具で事足ります。
しかし上述した理由より、非常にこの「基本術式」が大きいうえ、魔術自体の作用機序がよく分からず、少なくとも魔具師にはイメージがわきづらかったこともあって、魔具の作成がこれまでは不可能であったわけです。
神霊術をはじめとする、いろいろな効果が複合した魔術を扱えるのは基本的に魔術師だけです。
魔具がエクストリー王国で発展しない理由は、こういう「一からの応用がなかなか利きづらい」という部分にも存在していたりします。結局は使い方次第なのですが。
また、魔術は大規模なものになればなるほど、必要とされる詠唱の長さ、および必要な魔力量が増加します。
同時に魔術の「結果」として出現する術式紋、いわゆる「魔法陣」も、細かく複雑なものになってゆきます。
しかし魔具で魔術を発動させるためには、この術式紋をすべて魔具の中に刻んだうえで、その魔術を発動させるのに十分な魔力を、特殊な鉱石「アンビュラック鉱」を埋め込むことによって補給する必要があります。この鉱石にも色々と等級がありまして、大きさや込められる魔力量によって基準は定められています。
創生術を込めたものが「腕輪」であり、神霊術それぞれを込めた「指輪」よりものが大きくなっているのは、そんな理由です。
椋がね、もう少しこういうところも気にしてくれるような人間だったらいいんですけどね!
椋自身が魔術を使えないこともありまして、あんまりこういう設定を本編にねじ込めないのが残念なところです。ヘイやリーが椋に特に何も言わずに、椋の望む通りのものをぽいっと彼に放り投げてしまうところにも原因があるような気がしますが。(笑)