老店主の話
思考の音楽センスを持った鬼子、歌姫の話。
トイレの音を消すやつではないです。歌姫です、念のため。
一応連載にしました。
一応2話も書きました。
そして気づきました。
これ、とてつもなく暗いです。
最初ほんとに暗いです。
計画ではいちばんさいごにぱぁっと明るくしてふぃなーれ
なんですが、そこまで書く気力が持つかどうか。
よろしかったらお読みください。
音楽家、ですか。ここは喫茶店ですからそういった方は。いや、ちょっと待ってください。一人だけいます。音楽家なのかは微妙ですが、ここで働いていた娘です。名前は岬といいました。
岬をお探しなんですか。失礼ながら、どういったいきさつなのでしょうか。……そうですか。婚約者様でしたか、岬の。
……実は、岬から伝言を言付かっておりまして。はい、貴方に。
数年前の冬の日のことです。その日は雨が降っておりました。そう、雨です。この辺りだと暖かいので冬でも雪は滅多に降りません。お客様は雪国の出身ですか。ああ、リサスト地方……。いくさで大変でしょう。
ええ、そうです。岬はいくさにいきました。徴兵に引っ掛かったのではなく、志願兵として……。よく、こんな戦い私が止めさせてみせると言っていました。私はもう心配で心配で堪らなかったのですが、岬は弱音一つ吐かずに……立派なものです。
私としては、いくさなんて終わらせなくて良いから、岬に居てほしかったのですが。あの時分はなかなかそんなことも言えませんでした。止めましたよ、私は。ただ、あの娘は言い出したらきかないのですよ。
……やはり戦場で岬に会われたのですか。そうですか、徴兵で……それは苦労なさいましたね。同じ部隊に居たのですか……。岬は名誉の戦死を……。すみません未だに信じられないのです。
岬がもうこの世に居ない……それもありますが、あの娘が敵陣に飛び込んで自爆などをするはずがないのです。無駄ないくさを止めてやる、と意気込んでいたあの娘が。
話がかなり逸れてしまいました。岬からの言伝でしたね。雨の日に、手紙が一通届いたのです。戦場から、岬からの手紙でした。婚約者ができたが、自分は明日の戦いで死んでしまうだろう。もし彼が店を訪ねてきたら渡してもらいたいものがある。……そういったことが簡単に纏まって書かれておりました。
また、話が逸れてしまうのですが、手紙からだと、岬は死を覚悟している様子でした。宜しければ、戦場で何があったのか、お話下さいませんか……。
くらくて、すみません。
でも、わりと満足しています。
この話で黒いもの全部吐き出して、最後にかっとばしたいです。
次話がんばります。
応援はしなくても見守っていただけたら嬉しいです。