第一話:上京と微かな違和感
新しく貞操逆転ものを書こうと思いまして、、、
お付き合いいただければ幸いです!
追伸、少し修正させていただきました!
ガタンゴトン……規則正しいリズムが、心地よく身体を揺らす。
車窓の景色が、延々と続いていた緑から、少しずつ建物の灰色へと変わっていく。
故郷が遠ざかっていくその事実が、僕の胸を高鳴らせた。
……少しだけ、寂しいけど。
うとうとと、浅い眠りに落ちていたらしい。
不意に、身体がふわっと浮き上がるような、奇妙な感覚に襲われた。
ジェットコースターが頂点に達した時のような、あの無重力感。
ほんの一瞬のことだったけれど、その感覚は妙に生々しかった。
夢……だろうか。
でも、身体にはまだあの浮遊感が残っている気がする。
『次はー、終点ー、東京ー』
気の抜けたアナウンスで、僕ははっと意識を現実に引き戻される。
いつの間にか、電車は巨大な駅のホームに滑り込んでいた。
いよいよだ。
今日から僕は、この大都会で大学生になる。
電車が完全に停車し、扉が開くのを待つ間、僕は改めて車内を見渡した。
まず目に飛び込んできたのは、車内の広告だ。
新作エナジードリンクの広告らしい。
屈強な肉体を持つ女性アスリートが、力強い眼差しでこちらを見つめている。
キャッチコピーは『限界を超えろ、女たち。』
……なんだかすごい迫力だ。
僕の向かいに座っていたサラリーマン風の男性は、小さな手鏡を取り出して熱心に前髪を気にしている。
その隣では、若いカップルが寄り添っていた。
彼女が彼の頭を優しく撫で、彼のほうが甘えるように彼女の肩に頭を乗せている。
その光景が、なんだか妙にちぐはぐに見えた。
プシューという音と共に扉が開く。
重い荷物を背負い、人の波に乗ってホームに降り立つ。
なんとかアパートの最寄り駅にたどり着き、不動産屋でもらった地図を頼りに歩き出す。
十分ほど歩くと、目的の建物が見えてきた。
鉄筋コンクリートの、しっかりとした三階建てのアパートだ。
僕の部屋は二階の角部屋。
オートロックの扉を抜け、階段を上がる。
鍵を開けて中に入ると、真新しいフローリングの匂いがした。
六畳一間、キッチンとユニットバス付き。
一人暮らしには、十分すぎる広さだ。
荷物を部屋の隅に寄せ、僕はベッドに倒れ込んだ。
これから始まる新生活への期待と、少しの不安。
そして、まだ言葉にはできない、小さな違和感。
それらすべてを飲み込むように、僕は大きく息を吸い込んだ。
新しい世界での一日が、今、始まろうとしていた。




