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【プロットタイプ】面倒臭い同居人

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

バグった時の鏡花。

常に生きながらに役者として振る舞う鏡花であるが、其れは自らの精神状態が正常である時に限られる。つまり計算するだけの余裕があるから、自分の駒を統率し、扱う事が出来る。だから、自分の精神が嵐になると、非常に突飛な行動に出る。今のように。

風呂を入る前、脱ぎ捨てた衣類がない。置かれたバスマットだけがきちんと出迎えられている。その事に強い違和感を覚えながらも、消えた衣類の行き先は分かっている。だからそこまで慌てる必要はない。

「それ」

事を済ませてリビングに移動すると、消えた衣類を抱き込んで、ソファに寝転ぶ女がいた。

犬や猫は飼い主が脱ぎ捨てた衣類に、自分の臭いを付けようと、体を擦り付ける様である。そうしてその様を主人に見られると、動物と言えども焦るらしい。

今まさにその光景と重なった。脱ぎ捨てたシャツを胸に抱いて、ソファの上で寝返りを打つ鏡花は、俺を見るなり体を強ばらせた。しかしすぐに開き直って、また擦り寄る。

「犬や猫ならまだ……」

衣類を引き離す事無く、若干引いた様な顔が精神に来たのだろう。起き上がるなり、絶叫する。

「可愛いだろうがぁ!! 奥ちゃまが旦那の脱ぎ捨てた含ん抱いて寝てるとかぁ!! この上ない据え膳だろうがぁ!!」

「うっさ」

なお、人間の鼓膜を破るには180デシベルの音量が必要らしい。其れには及ばないが、苦情が来るには十分過ぎる程のものである。此処が防音式のマンションでなければ、壁を叩かれていただろう。

何時もなら苛立ちを込めた言い合いになっているはずだが、今日はあえて挑発に乗ることなく、素面で返す事にした。たまには良いだろう。何時も同じパターンだと、相手も飽きるだろうし。

そう思って境界の反応を見ると、今にも泣きそうな顔をして、ぽつりと呟いた。

「なんだよぉ……」

そうして俺の服を抱いたまま、すごすごと自室に戻ろうとする。それこそ、ずぶ濡れになった野良犬の様に。そうしてすれ違い様にぽつりと呟いた。

「乗らないならせめて、『可愛い』ぐらい言えよ……」

「めんどくさ」

俺がそんな感情を抱く事も、向ける事もないと、お前は知っているだろうに。其れとは違うものだと知っているだろうに。しかしこれが地雷になったらしい。

鏡花は持っていた俺のシャツを思い切り床に叩き付けると、俺に抱き着いた。風呂上がりの水分をこそげ落とす様に自分の体を擦り付ける。

「なんだよ。面倒臭い」

何時もの駒の統率はどうしたよ。

とりあえず、髪を撫でてやる。すると女の啜り泣く声だけ胸元から聞こえて来た。

面倒臭い女である。其れでも同居人である。

瑠衣は鏡花に恋愛感情を持たない。

という話は改めて。

改めて『恋愛感情』を調べ直して、全く当てはまってはいなかったので。

愛はあるよ。恋はないけど。


でも鏡花は瑠衣に恋愛感情持ってるんですよ。

そう言う駒も作ってあるし、制御が効かない時には、だる絡みとは違う面倒臭さが出ます。


それが今。


脱ぎ捨てた衣類を抱き締めて、ソファに転がっていたら、そう言う気になるかも。

という、一種のぶりっ子です。


まぁ精神不安定で、何時もと違う冷めた反応が悪い方に向かい『うわ、此奴本当に私の事嫌いじゃん……』となって泣いてます。

瑠衣はこの事、あんまり分かってません。

だから『面倒臭い』なんて言葉です。


何時も通りに体当たりすりゃ良いんだよ。

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