得意げなもの
あなたは得意げに話すことが
ときどきあった
わたしは
申し訳ないけど
スポーツがあまり詳しくなくて
大きな画面に映し出される、
サッカーの試合を見つめながら
ルールも分からずにいた
だけど、周りのみんなの歓声に
最初は驚くばかりだったものが
そのうち、だんだんと慣れていった
それがビールの酔いでは無いことだけは
確かなこと
あなたに誘ってもらったのが
初めてだったから
次々と話してくれる、あなたの表情も
初めてのことが多くて
わたしはサッカーのルールを
先に覚えるべきなのか、
それとも、あなたの言葉を
先に理解するのか
どちらか迷ってしまったけど
巡りめぐって
まずは、あなたのことを
理解しようと頑張っていた
その試合は点の取り合いで
シーソーゲームとか言ってた
公園にあるシーソーのことか・・
ガタン、ゴトンと
お互いに楽しむ
なるほど・・と
わたしは思いながら
どこかで、あなたが
わたしの子供のときのことを
聞いてくれるのか
そして、何か得意にしてたことは・・と
いつ聞かれるのか
あのゴールを守る人と同じように
わたしは知らないうちに身構えていた
じつは、あなたから
いくつか聞かれたことも
わたし自身が試合に
入り込んでしまっていて
気づかなかったらしい
あらためての質問は
「今度聞くよ」とあなたに言われて
わたしは
嬉しさのあまり
ココロの中で
ガッツポーズをするのだった
さっき、点を挙げたプレーヤーみたいに
あなたの前では
さすがに難しいけど
フィクションです。読んでいただき、ありがとうございます