04 タクと愉快な仲間たち
見慣れた顔がそこにあった。
長身、筋肉質だがスタイル抜群、はっきりした顔立ちに短髪が似合うバーサーカーの桜太夫
縁をファーで飾った合金の軽甲を付け、両手には獣の爪が剥き出しになったグラブをはめている。巨大な胸の谷間に恋人の形見の鏃が首から下げられているのも変ってない。
やや小柄で素早い身のこなし
茶髪と薄桃色の唇、活発で弾けた感じ…
ロリ顔にだまされて会ったとき痛い目に合わされたっけ…シーフのユミンは俺たち仲間のムードメーカー。
意外と身体の曲線はメリハリ利いてて、胸もしっかり形良い。
短弓と短剣は持たせちゃいかん…てか持ったらすげぇ戦力。
白魔術師の彩姫。
全身マントでフードをかぶって普段は鼻から下しか見えないが、いわゆるお嬢様的な顔立ちをしている美女。
決してツンデレではないけど、冗談が通じないのは…変ってないよなぁ……
実はダイナマイトボディなのを、何故か俺は知っている。
癒しの魔法は彼女にお任せだな。
あらゆる銃を使い、射撃の正確さは神技の域…ガンファイターのアーネ。
表面上明るさ爆発の彼女だけど、かなりトラウマもってて扱い間違えると途端に鬱入っちまう…
謙虚で言葉使いも丁寧なんだが、それも程度問題で…
まぁ標準体型?遠距離からの援護には欠かせないな。
そして瀧夜叉。
この国の国王ショウモンの娘。
なのにこの面倒臭い性格は誰に似たんだか。
薙刀を扱わせたら天下一品…なんだが、褒めると図に乗るので褒めてやんないし。
まだ15歳のくせに世の中わかったような顔してやがる。
しかし…そろいもそろって眼鏡っこってなんだよそりゃwww
「で、なにが起きたんだ?」
俺は美玖に彼女たちを紹介しながら瀧夜叉に聞いた。
「ドーマが生きている…」
「なんだって?んな筈ねぇし!」
「それが、ね…」
ややハスキーな桜太夫の声。
「まぢか?」
「ボクだって嘘だって思ったけど…」
顔と一緒でロリ声のユミン。
「あいつは生きてる…間違いないわ」
「しつこい奴、嫌いです」
彩姫とアーネが溜息をついた。
美玖は俺の腕にしがみついている。
って、爪立てるなよ…痛いって…
彼女の顔をちらっとみたら…目に明らかに怒りが…
う~~~~~魔物どもより恐いかも…
「ミク。嫉妬はみっともないよ」
瀧夜叉ぁ~~~いらんこと言うなぁああああ(泣)
「妬いてなんかいないもん」
うぐ…爪が更に腕に食い込んでるんですがぁ~~
「確かにさ、頼りになるけど安心しなさい。貴女が妬くようなことは何もなかったから」
桜太夫が大人な表情で美玖を諭してくれた。
あ、ちょっと緩んだww
「そ~だね~♪ボク達とはそんないいことなかったね~」
「ふ…ちょっとスケベだけど」
「ちょっとでしたか?」
ちょっと待て!
それはフォローしてるのか?
火に油注ごうとしてるのか?
「ん~~~まぁ、風呂はたまに一緒したけどさ」
「うんうん」
「そんなこともあった……」
「恥ずかしかったですね、あれは…」
ぐああああああああああああああああああああ
腕が折れる~~~~~~~~~><
てめぇら、そりゃフォローなってねぇぞ!
「わたいたちと一緒に入るって駄々こねたし、仕方ないぢゃん。タクがいないと戦えなかったし、ね」
こらこらぁ~~~~いつ駄々こねたぁ~~~あんときゃ、俺は意識なかったんだぞ!
「卓?」
わ、なんだ?
この超がつくほど優しい美玖の声わ…
「な、なにかな?」
「ホントなのかな?」
「事実だけど、駄々はこねてないし」
「ホントなのね?」
「だからぁ~~~><」
ふと見ると、みんなが今にも吹き出そうとしていやがる。
腕から美玖が離れた?
「卓?」
「美玖?」
俺の顔を蕩けるような表情で見上げている。
ああ、冗談だってわかってくれたん……
視界いっぱいにぐーぱんちが飛んできた。
わかってくれてなかったんだな……ああ…意識が……世界は白い………
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賑やかな笑い声が聞こえる。
美玖の笑い声だ。
みんなと笑ってるんだ…打ち解けたんだな………
って、ドーマが生きてる…
それって、とんでもねぇことじゃん!
寝てる場合じゃねぇし
起き上がった気配を皆が気づいたらしい。
口々に謝りながら…美玖も軽くキスして
「ごめん」
て言ってくれた…
はぁ…これで許せる俺ってどうよ
「んで、ドーマの脅威は?」
彼女たちと車座になって広間に座り込んで聞いてみた。
「わたいたちが気づいたレベル」
「というと、まだ具体的にどうこうってことじゃないんだな?」
瀧夜叉が小さくうなずいた。
「でも土蜘蛛は湧いてきてます」
「黒翼山脈の様子は?」
「ユミンがひとっ走りしてくれたんだが、思わしくないわね」
桜太夫の細く美しい眉が曇る。
「うんうん…ちょっと山頂まではひとりじゃ無理って感じ?」
「そうか」
それから皆が見たこと聞いたこと、感じたことをランダムに聞いていった。
確かにドーマの復活の気配ありありだ。
あっちこっちにこれからいろんな被害が出ることも、おそらく回避は出来ないだろう…
なにか…違和感が……ある。
俺は考えた。
あのとき、確実に止めを刺したはずだった…
セイメイ老師が命を削って死骸も封印した……
なにかが……おかしい……
ドーマ以上の嫌な気配を感じる
「卓、どうしたの?」
「あ、いや……どうも嫌な予感がする」
腕組みしつつ俺はこれからの行動を組み立ててみた。
「明日までにチーム作ってどうするか決める。それでいいか?」
皆は真剣な表情でうなずきつつ、それでも少しだけ安心したような空気が漂った。
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寝室は美玖と一緒だった。
それこそ駄々こねて一緒にしてもらったさww
部屋に入ると彼女は俺に抱きついてきた。
ごめん
もういいよ
彼女の柔らかい唇が俺の唇に重なった。
俺は用意されたダブルサイズのベッドに彼女を運んだ。
【続】
この作品は本来R18なのですが、全年齢向けに改編してます(笑)