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18 想い

あのとき…


美玖が飲み込まれ俺たちが触手につかまったとき。


もがきながらみんなを見た。


みんながやっぱり触手から逃げようとしながら俺を見ていた。



じじぃの術はきっとまたあのエロ攻撃



馬鹿の一つ覚えのようにあればっかりだから、どんなに強力になっても俺たちはそれから逃れる術を身体がおぼえている。



美玖を助けるのに…奴のなかに入らにゃ…中から突き破るのが唯一の方法だな



なんといってもあの腹は内臓。外側こそ厚い粘膜で保護されてるけど、内側はもろいはずだ…根拠ないけどさ……

みんなは俺のアイコンタクトでわかってくれたか?

みんな理解してくれてると、確信めいたものはある。

それだけ俺たちは死地を潜り抜け、ともに戦ってきた仲間だから。



そして…



裸にされちまった俺たちだけど、やばい状況にもなったけど、みんなは迫真の演技でじじぃをだました!



太夫!



じじぃのでかい口が開いたところへ、俺は桜太夫の渾身の力で投げ飛ばされたうえに彩姫の防御魔法と速度魔法の混合術で奴の腹中に飛び込んだ!



美玖!


美玖っ!


美玖っ!!


美玖の名を呼び続けた!

そして美玖のいるところへ到達した。



視線が合った……



ああ、美玖


(卓っ)


彼女の声が確かに聞こえた。

互いに手を伸ばし、俺は腕をつかんで彼女を引き寄せ、しっかりとその腕に抱き寄せた。

温かい彼女の体温…肌の弾力。

なによりも重なり合う想い…



手に覇王の長剣を呼ぶ。



彼女の力が俺に流れ込んできた。



じじぃの腹を内側から突き刺す!

もろくはないのは想定の範囲内。

外側から瀧夜叉が援護してくれている。



俺に抱きついている美玖の腕に力が入る。視線が絡み合うと彼女が微笑んだ。

彼女の力と俺の力、想いと想いが全身にみなぎってくる!



てぇいっ!



長剣が輝いて奴の腹を突き抜いた!



俺たちは脱出に成功!

太夫が美玖の鳩尾に当身を入れて、胃の中まで入り込んだ奴の体液を吐き出させ、俺は口に含んだ毒消しを美玖に口移しに飲ませた。

うっすら開いた彼女の瞳が柔らかくほっとした表情を作っていた。



それから奴を倒し、美玖の叩く万感の太鼓。



いつまでも楽しそうに叩く美玖の姿はほんとうに美しい。

見ているみんなが、そんな彼女を嬉しそうに見つめていた。





小鳥のさえずり

さわやかな風が頬をかすめる

右腕に心地よい重み…美玖の髪の香りと規則的な寝息

密着した肌と肌。伝わるぬくもり……



目をあけると白い天井



終わったんだなぁ…



しみじみ思い返すなんざ、おっさんだわな…

それにしてもなにがどうなってたんだか、結局わからずじまいだったな。

セイメイ老師の悪企みはいったいなにを意図してたんだろう…

本当に世界征服なんちゅうアホな夢をみたのか、それとももっと大きな混沌とした暗黒面の気が老師を狂わせたのか…

俺や美玖は何のためにこの世界に呼ばれちまったんだろう…てか、なんで俺たちなんだ?

疑問は山ほどあるけど、それも老師を倒しちまった今では五里霧中だしなぁ

確かにこっちの世界もあっちの世界にも、良くはわからないけど時間というか流れというか意思見たいのはあるように感じるときはあるけど、それっていったい全体なんだろう…もっともそんなもんを俺たちただの人間がわかるはずもないんだろうけどな。


美玖が寝返り背中を向けた。

後ろから裸の彼女を抱き、柔らかな大きな胸を背後から軽くつかむと弾力と柔らかさが手のひらに心地いい。



う…んん



美玖の唇から吐息が小さく漏れる。

身体をくっつけて髪にキスをする。



胸をつかんだ俺の手に彼女の手が重ねられる。


「卓…」

「おはよ」

「おはよう」


彼女が身体の位置をずらして、お互いの唇が触れる。



ああ、美玖だ…



俺はこんな瞬間が好きだ。



あのとき…セイメイを倒した後の勝利を祝う太鼓を叩く誇らしげで充足感の漂う彼女の表情もとても好きだ。

何をしているときでも…

辛かった3年前のあのときも、出会った頃のあのときも…

俺は美玖の心からの笑顔と充実感の伴った声を見て、聞くときが至福のとき…それはいまでも変わってないんだな…


「どしたの?」


彼女の問いかけに笑顔で応え、またキスをした。


「ちょ、なんか誤魔化してない?」

「美玖」

「なに?」

「愛してる」

「あっ!」


不意打ちを食った彼女の頬が真っ赤に染まり、照れて俺にまた背中を向ける。



その仕草も俺、好きだ。



どこまでも、なにもかも、俺は彼女を愛してる……





【続】

砂糖の塊、ご用意しましたwww

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