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10 タクは騙された。

三ノ宮の敵陣撃破。



奥の院手前の防御陣撃破…



俺はどうも違和感を感じている。もろすぎる気がする。

そりゃ一戦するごとに俺たちのチームワークも戦闘能力も上がっている。

奴らが前のまんまなら、そりゃ戦いはこっちのもんなんだけど…



「う~~~む」


俺のうなり声に瀧夜叉が反応した。


「どうした?もろすぎるか?」

「ああ」

「それはこっちの戦闘力が段違いに上がっているからだろ?現状維持に毛が生えた程度なのはタクだけだしな」

「う…お褒めの言葉をありがとう」

「いえいえ~~、褒めすぎちゃったかな?」

「こいつわぁ!」


ちとはしゃぎ過ぎか…と思った。

まわりを見ると冷静な桜太夫ですらにやにやと笑っているし、当然のように美玖も表情は底抜けに明るい。

奥の院本殿は鳥居の向こう、長い石段の先にある。

こんもりとした鎮守の森…何もなければ緑が生い茂り、清々しい空気で俺たちを迎えてくれるんだけど、今はドーマの呪いか魔物出現の影響か、葉は黒くとがって嫌な臭気をまき散らしている。



ドーマ……



いくつもの国を渡り歩いて滅亡と死を置き土産にして行く魔人…元は呪術師だったといわれている。

セイメイ老師はどうもドーマの正体を知っているようだけど、それを俺たちには話してくれない…

深い深い関わりがあると、そう想像をすることが精一杯で、なにがあったかはわからない。



魔人ドーマ…呪術師ドーマ……



チラリと森の切れたところから本殿の屋根が見える。



完全復活か…



屋根から立ち上るどす黒いオーラは、そこに奴がいることを俺たちに知らせている。

逃げも隠れもしないってな…正面から前回のリベンジかよ。



「さぁ、行こうか?」


俺の声にみなの明るい声が返ってきた。



こんなで大丈夫か?



目の隅で老師の顔を見る…苦虫をかみつぶした様な渋い表情……



だよな…だけど今注意してもおそらく聞く耳持たないだろうなぁ……


「みんな、気を引き締めろよ。相手はドーマなんだからな。この石段だって両脇から待ち伏せがあるかもしれないし…」

「だいじょ~ぶぅ~~♪」


ユミンのお気楽な返事にまた笑い声がもれる…

さすがに石段を大太鼓は持って上がれない。

美玖は担ぎ太鼓を肩に、戦鼓隊の先頭をきって石段を登り始めた。



当然のように俺たちの行く手をはばもうと魔物が現れたけど……ほとんど無傷で石段を昇りきった。



ドーマがいる。

あっけないくらいにそこにいる。



もうちょっとかっこよく登場しろよ…



美玖と戦鼓隊の太鼓で俺たちは配置についた。

アーネの銃弾がドーマに向かって発射され、ユミンと桜太夫が両サイドへまわり込み、瀧夜叉の薙刀が正面から奴へ叩きつけられた。



なんだこの違和感わっ



美玖の発した必殺の響刃が、彩姫の呪文でさらに増幅されてドーマを両断する。



出る幕ないし…あっけないってか……なさすぎだし



最期の悲鳴すらあげずにドーマは崩れ落ち、灰になってしまった…


「まるで式神だな…」


ドーマの灰は風に舞っている…


「ん?」



おわぁっ!



ぞぞぞっと背筋に悪寒が走って全身に鳥肌が立った。


「灰…」


灰は風に舞い…い~や違う!


「やばいっ!撤収!」


俺の判断と鳥居の下にいた老師の判断は同時だったけど、一瞬遅かった!

灰は風に巻きこまれた黒い森のとがった葉っぱと嫌な臭気と混じりあって…俺たちを囲む壁になってる!



切り離された!老師は壁の外だっ!



一箇所に固まろうとする俺たちを壁が分断する。半透明な灰風の壁はみなの姿をうっすらと見せている。



やられたっ!



壁に長剣を振り下ろしたが、あえなく弾かれちまった。

皆がそれぞれの武器で…無駄な抵抗……

美玖も戦鼓隊と切り離されて灰風の壁に囲まれている!

彩姫が防御魔法で灰風を遮断しようとしたけど効果なし……


「卓っ!」


美玖の悲鳴に近い叫び。


「タクっ!壁が!」


桜太夫の声に気づけば、壁と俺たちの間が迫ってきている。


「やだぁっ!」

「おやめくださいっ!」


ユミンとアーネは風に捕らわれ宙に浮き上がっている。彩姫が、桜太夫が…瀧夜叉と美玖までも!


「って、俺もかぁ!」


当然同じ状況。臭気で息が詰まる。



風に縛られた俺たち…

ってか、やばいっ!やばい…やば……い………や……



………





どこ…だ?


視界がクリアになり、今置かれた状況を認識した。


俺たちは巨大な蜘蛛の巣に捕らわれていた。


「こういうことかいっ!」


勿論、服も甲冑もつけている。


「出て来いやぁっ!」


俺の声で皆が目を覚ましたようだ。


「ふふ……お早いお目覚めね?いい夢見ること、出来たでしょう?」


低いけど、艶やかな女の声……


「土蜘蛛の一族か?」

「あら、一緒にしていただきたくないわぁ」


姿を見せた女……ってか……


「いらっしゃい」

「どういう…こと……だ?」


そこに現れた女は瀧夜叉の母親であり、この国の国王ショウモンの妻シャクヤク…


「うふぅん、どういうことでしょう…ねぇ」


意味ありげに微笑むシャクヤクの視線は美玖と瀧夜叉を交互にとらえて離さなかった。






【続】

本来の原作から18禁部分を改変すると…圧倒的にボリュームがへるなぁ(笑)

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