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2027 Velo Trophy 開幕戦・オーストラリアGP! 3

●「前回のあらすじ」

 開幕戦直前。ジャンが採用した「ローダウンフォース・セッティング」に苦戦する夢兎は、焦燥感を募らせていた。

 そんな夢兎に対して、シャフイザは冷静にアドバイスを送り、期待と信頼を示す。

 英二の不吉な発言を気がかりに思いつつも、夢兎は気を入れ直し、開幕戦の地「オーストラリア」へと出発した。


 3月。オーストラリア・メルボルン。

 南半球は秋の終わり。落葉樹が目立ち始めたメルボルン市内を通る風は、柔らかで、気持ちいい。


『Velo Trophy World Championship 開幕戦・オーストラリアGP』は、そんな絶好のイベント日和の時期に開催されるため、毎年大勢の観客を集め、人気を博している。

 初開催された40年前は、Velo Trophyとサポートレースのみが開催されるこじんまりとしたレースイベントだった。

 しかし、観客の増加と共に併催されるイベント数も増加。

 オーストラリア空軍の編隊飛行ショーや音楽ライブ、ステージショーや数えきれないほどの路上パフォーマンスも加わり。オーストラリアGPは、レースイベントを越えたオーストラリアを代表するレジャーイベントとして親しまれている。

 特にここ数年は三強ブームもあって盛況が続いており、去年はテストデー、予選日、決勝日の三日間を合わせて延べ45万人以上のファンを集めた。

 毎年、開幕戦らしい盛り上がりでVelo Trophy迎えてくれるため、Velo関係者の間でも人気の開催地だ。


 だが、人気があるということは「=多忙である」ということでもある。

 それを示すように、月曜日にメルボルン入りした夢兎は、月曜からテスト日前日の木曜まで、朝から晩までスポンサーのプロモーションやファンイベントをこなし、開幕戦に向けた準備はその合間を縫って整えるという多忙なスケジュールをこなした。

 ただ、営業活動の多さは事前に聞かされていたので、そこまで問題は感じなかった。


 しかし。


「壬吹さん! 日本のモータースポーツ界は、長年他の人気スポーツの日陰にいました! あなたには、そんな状況を打破するような活躍が期待されています! ファンや関係者が期待する戦績は、収められそうですか?」

「過去、日本の国内王者6人を含め、多くの日本人ドライバーがVelo Trophyに挑みました! しかし、未だに世界王者を獲った者はおろか、レースで勝ったドライバーさえいません! この不名誉な状況をいつ覆そうですか? 今季の勝算はどれくらいありますか?」

「外国人男性と日本人男性では、どちらがお好みですか~?」


 日本メディアの取材攻勢は、凄まじく。

 デビュー戦を表彰台で飾ったこともあって、その勢いは更に激しくなり――。


「夢兎。あなたは今、マシンのセッティングに問題を抱えています。その状況を打破するために、壬吹本社に対して『自分をもっと優遇するように、シェッフェルに圧力をかけ欲しい』と要求している、という噂がパドックで流れていますが……真相はどうなんですか?」


 海外メディアの注目も急上昇。

 日本人の自分には不慣れなストレートな追及や、スキャンダル狙いの煽るような質問が増え、取材対応のストレスはますます大きくなった。

 

(……はぁ。ただでさえ、本業のレースで悩み込んでいるっていうのに……)


 この時点で、すでに気は滅入っていた。

 滅入っていたのだが……。この開幕戦からは更に〝もう一つ〟、メディア対応に苦慮する話題が増えてしまったのだ。


 その話題とは――。 


 * * *


「よっ! 取材対応、お疲れさん」


 一時間以上続いた個別取材を終えて、チームのホスピタリティハウス――スタッフの休憩、作業スペース――のあるパドックエリアに戻ると、シャフイザが声をかけてきた。


「…………はい」

「マジで疲れ切ってんな。大丈夫か……?」

「大丈夫ではありません……。開幕戦だから致し方ないとはいえ、さすがに取材の数が多すぎて……」


 メルボルンに入ってからというもの、所構わずメディアの取材を受けている。

「プロアスリートなら、メディア対応も仕事の内」、と分かってはいるのだけれど……。

 四六時中追い回され続け、同じような質問や煽るような質問を捌くのは限界がある。


「まあ、今のおまえはメディアの注目の的だからな。こればっかしは慣れて、上手く折り合いつけるしかねえからな」

「そうですね……。ただ、レース以外の質問があまりにも多すぎて……」


 さっきの会見でも、最後の方は表情が固まっていたと思う。

 そのことを思い出しながらため息をつくと、シャフイザが唇をひん曲げて言った。


「ああ……なるほど。〝アイツ〟の話題を振られまくったってことか」

「そうです。何故か分からないんですけど、向こうがかなり好戦的なコメントを連発しているみたいで。『おまえも言い返せ』みたいな圧がすごくて……」

「うわぁ、面倒くせぇ。〝アイツ〟らしいわ……。 ん? って、噂をすれば……」

「えっ?」


 メディア対応が、更に面倒になった原因。その人物について話し始めようとしたところで。

 噂が人を呼んだのか。その本人が、行きかう人々を道端にどかしながらやってきた。


 淡いサックスブルーのワンピースが良く似合う、美しい曲線で構成されたプロポーション。

 くりっとした大きな瞳がチャーミングな、整ったルックス。

 指通りの良さそうな黒髪を三つ編みお下げにし、サイドの一部をぴょんと跳ねさせた髪型。

 もう少し身長があれば、パーフェクトだったと言えるのだが――たぶん160cmくらい? ――。

 それでも、「大人の色っぽさと少女らしいあどけなさ」が芸術的に溶け合った容姿は魅力的で。 


 一瞬、〝彼女〟に見惚れてしまった。


「こ、こんにちは」

「……」


 彼女が二人の目の前で立ち止まると、慌てて挨拶を返す。  


 が……反応なし。

 彼女はくびれた腰に手をあて、無言でこちらを凝視し続ける。

 

「あ、あの……」


 待っても返事が来ないので、先に用件を訊こうととしたのだが。

 その前に。


「ッ!?」

 

 彼女が更に足を踏み出し、夢兎の目と鼻の先まで顔を寄せてきた。

 青灰色の大きな瞳が、自分だけを捉えているのが分かる。


 この容姿に、この強引さ……。

 場違いにも、「皆が魅了されるのもわかる人だ」と思ってしまった。

 

「……あのっ、その……」

「……」

    

 一歩後ずさって首を横に振り、気を取り直してもう一度声をかける。

 だが、彼女はまたも反応せず。夢兎の全身をチェックするように、下から上へ、ゆっくりと観察していく。


「???」

「よう。ウチのルーキーガン見して、何がしてんだよ? おめえは」


 続く奇行に耐え切れず、夢兎が更に一歩下がって両手で上半身を隠す。

 とそこで、二人の様子を胡乱げな目で見ていたシャフイザが、ようやく間に入ってくれた。


 すると、彼女はシャフイザを一睨みして姿勢を正すと。


「ふんっ! 壬吹・ハーグリーブス・夢兎! あなたは私のこと、どれくらい知ってるのかしら?」

 

 わざとらしく鼻を鳴らして腰に両手を置くとと、偉そうな口調で尋ねてきた。


(……初対面なのに、なんて高慢な……)  


 と、内心で少し呆れる。

 だが同時に。彼女が只者ではないことを、夢兎は理解していた。

 

 彼女の名前は――――メイ・シャオシン。

 Veloのトップチームの一つである『AOIアオイ』に所属する中国人で、昨年の最終戦で夢兎がデビューするまで、〝Velo唯一の女性ドライバー〟として活躍していた選手だ。

 性格にやや難があり。昨シーズンの第10戦で、予選中に他のマシンと接触してコース上で掴み合いの喧嘩を起こして出場停止処分を受けたりと、荒くれた一面もあるが――その影響で、これまで顔を合わせる機会がなかった――。

 女性ドライバーとして、Velo史上初の予選フロント番手ローを獲得するなど、実力は紛れもなくトップレベル。

「《三大主役》に次ぐ実力者の一人」として評価されているドライバーだ。

 

 同性故に、何年も前から比較されてきたので以前から意識していたし、会ってみたいとも思っていた。

 でも、ここまでの変わり者だとはさすがに思わなかった。


「……いいわ。二人で話したいから、ついて来て」


 何がいいのか全くわからないけれど、シャフイザを不快そうな顔でチラッと見やってそう言うと。

 メイは踵を返し、ホスピタリティハウスの裏手の方へと歩き出した。


「……メイさんって、いつもこんな感じなんですか?」   

「……ああ。アイツは、ユイ以上の〝ゴーイング・マイウェイ人間〟だ」

      

 噂以上の強引さに、唖然としてしまう。 

 

(どうしよう……)


 正直、親しくなりたいタイプの人ではない……。

 けれど、このまま無視するのも角が立ちそうだったので、夢兎はシャフイザに断ると、少しだけメイに付き合うことにした。


 * * *


 ホスピタリティハウスの間にある、物置き用のオープンスペースまでやってくると。

 メイは、そこにあった高さのあるステージセットの台に手をつき、「よっ」と声を出して飛び乗った。

 

 そうして、お下げ髪を背中に振って仁王立ちすると、好戦的な笑みを向けてきた。


「私、忙しいの。だから、私が一方的に話すから、あなたは一方的に聞きなさい。時間短縮。わかったわね?」


(なんなんだ、この人は……)


 こちらを見下ろして偉ぶり、めちゃめちゃなことを言うメイに困惑する。


 またよく分からないが、余計なことは言わない方が良さそうだ。

 とりあえずメイの話を聞こう。そう思い、メイの目を見た。見たのだが……。

 そこで、メイの〝あるもの〟が目に入ってきてしまった。


「あ……」


 さすがにまじまじと見るのはマズイと思い目を伏せる。  

 しかし、すぐにメイが眉を上げて「何?」と問いただしてきた。


「えっと……」

「そんな不審な態度されて、話し始める気になんてなれないわ。時間ないって言ったでしょ。何かあるならハッキリ言って」

「そう言われても……」


 見えているものが見えているものだけに、かなり言いづらい。

 けれど、話が進みそうになかったので、一間考えて言うことにした。


「メイさん」

「ん?」

「見えてます」

「何が?」

「……下着が」

「……」

「……すごく、はっきりと」

「……」


 正直に伝えると、メイは不機嫌な顔のまま少しの間、フリーズ。


 二人の間を風が吹き抜け、メイのスカートが翻り、更に下着がハッキリと見えてしまった……。

 そして。一つの静寂が降りてきて、少しの間、二人で沈黙を共有したところで――。


「いやぁぁ~~~~~~!!!! エッチッ!! ヘンタイッ!! 日本人って、男じゃなくて女もヘンタイなの!?!?」


 耳まで真っ赤にして大声を上げたメイは、スカートをばっと両手で抑え、こちらを射殺さんばかりに睨みつけてきた。

 

「見たくて見たんじゃありません! そんな短いスカート履いて、高いところから話しかけるからです」

「……い、勢いでやり過ぎたか……」

「え? 何て言ったんですか?」

「うるさいっ! あー言えば、こう言って! 生意気な新人ね!」

「一言返しただけじゃないですか……」


 メイの傍若無人さに、頭を横に振る。

 

 シャフイザが言ったとおり、ユイと同じくキャラクターの強い人だ。

 でも、ユイに対した時と同じように不思議とマイナスな感情はそれほど沸いてこない。

 むしろ、高飛車なエリート然とした雰囲気を醸し出しているにもかかわらず、少し抜けた感じがするのが何と言うか……。

 年上の人に対して失礼だが、「なんだかカワイイな」と思ってしまった。


 そんなことを考えながら、メイの子供っぽい言いがかりを受けると。


「……時間ないんですよね?」

 

 忘れてそうだったので、本題に入るように促した。


「ハッ! そ、そうよっ! ……ごほん! 私はアンタと馴れ合いに来たんじゃないの! 警告しに来たのよ」


 本当に忘れていたようで。

 メイは自分のうっかりを誤魔化すように咳払いすると、早口でそう言った。


「……警告?」

「ふんっ! 日本人のくせに察しが悪いのね。周りの連中が、私とアンタを「ライバル扱い」……同格とみなしてることについてよ」


 気が緩んでしまったせいか。最初、メイの話の意図が掴めなかった。

 しかし、再びメイの顔に浮かんだ、小悪魔が見下すような笑みを見ると話が飲み込めた。


 つまり、メイが言いたいことは。

 

「私とのライバル扱いが気に入らない、と……?」

「足りないわ! 許容不可っ! ド新人のアンタと比べられるなんて……侮辱されているのと同義よ!」   

「ッ……!」


 メイの柳眉が吊り上がり、最初から声に生えていた棘の数も明らかに増えた。 


 これは、明確な敵意だ。

 メイの圧に負けないように気を引き締めなおし、交える視線に力を込める。


「フン! 生意気な顔して……。やっぱり、デビュー戦で表彰台に乗って、調子に乗ってるみたいね」

「そんなことは――」 

「あるわね。私を格上と思わずに、盾突いているのがいい証拠。アンタが表彰台に乗れたのは、完全に〝フロック〟だっていうのに……!」


 Velo3年目のメイが、新人の自分と同格に扱われて気分を害した気持ちは理解できる。

 でも、さすがにここまで言われたら、「はい、そうですね」とは言えない。


 しかし、こちらの内心など知ったことではないと言わんばかりに、メイの大上段トークは更にヒートアップ。

「壬吹のお嬢さまで、下のカテゴリーでいいチームのマシンばかりに乗ってきたくせに、大した成績を挙げてこられなかったアンタなんか敵じゃない!」、「去年の最終戦で私がシェッフェルのマシンに乗ってたら、レ・ジュールに勝ってた!」、「アンタと私じゃ、次元が違う!」


 などなど……、自分が上の存在であることを主張し続けると、最後に。


「ウォルフガング・エッフェンミュラー、ユイ・キルヒネン、そして、シャフイザ・クライ……。《三強》を倒して、新しい時代を築く。私は、その大事を成せる人間なの! 開幕戦は、今季用の新型が間に合わなかったから無理だけど……。新型が投入されたら、私の力をたっぷり見せつけてあげるから! 覚悟していなさいよ!!」


「《三強》を倒す」という、現役Veloドライバーとしてこれ以上ない啖呵を切って勝ち誇るような表情を浮かべると。

 台から飛び降り、そのまま満足げな様子で去って行った。


「行ってしまった……」


 Velo三年目のメイが、新人ルーキーの自分と比べられて気分を害しているのは分かる。

 でも、あそこまで言われるのはさすがに……。


 昨シーズンに受けた出場停止の影響でメイが活動自粛していたこともあり、面と合うのはこれがはじめてだった。

 メディアを通じて何か言った覚えもないし……。同じ女性ドライバーだから、潰してやろうという考えなのだろうか?


 メイの敵対的な態度が腑に落ちず、悶々とした気持ちで来た道を戻る。

 そうして、パドックエリアのメイン通りの手前で待っていてくれたシャフイザと合流すると。

 夢兎は、メイに対する不満と疑問をそのままシャフイザに伝えた。


「たぶんアイツのことだから、『新人ルーキーのおまえにVeloで先に表彰台乗られたのが気に入らなくて因縁つけに来た』、ってところじゃねえかな」

「ッ! そんなことで、あそこまで言うでしょうか……?」


 シャフイザの答えに、呆れ半分驚き半分で返すと。

 シャフイザは両手の掌を上に向けて、顔を横に振った。


「アイツは2シーズンVeloで走って、未だに表彰台未経験だからな。気にしてたんだろう。で、そこをメディアに突っ込まれまくってイラっと来て、八つ当たりに来た……って流れなんじゃねえかな。プライドっけぇ~~~~からな、アイツは」

「そういう……」


 メイの人となりは分からないが、先ほどの初対面のスゴさを考えると十分あり得る話だ。

  

「意気のいい新人がいびられるのは、世の常だ。まあせいぜい、レースで仕返ししてやれや。AOIアオイに乗るアイツとは、これから何度もレースでぶつかることになるだろうからよ」

「はい」


 その言葉に頷くと、意識を内側へと向けた。


 シャフイザが言ったとおり。昨年コンストラクターズランキング3位――トップチームの一角であるAOIに所属し、《三強》に次ぐ実力者として評価されているメイ・シャオシンは、正に直近のライバル。

《三強》の戦いに割って入るのなら、絶対に倒さなければならない相手だ。

 同じ女性ドライバーということで、デビュー前からメイのことは少なからず意識していた。

 だが、今年はより一層彼女のことを意識することになりそうだ。


 そこまで思考を進めると……自然と奥歯が噛み合い、身体にりきが入った。

   

「メイさんと私の対決は、メディアがかなり注目しています。スポンサーにアピールするためにも、負けないように頑張ります」

「ふぅむ、その意気だぁ。けど、気合入れ過ぎて、いきなりマシンぶっ壊したりすんなよな~~」

「わかってます! 縁起でもないこと言わないでください」


 開幕戦のアルバートパーク・サーキットは、半市街地コース。

 一般道区間は路面のグリップが低くてタイヤが滑りやすく、コースアウトしたら即 ウォールにヒットするようなタイトなコーナーも多い。

 セットアップの特製が掴めず、マシンと格闘するように荒く走っている今の自分にとっては、まさに天敵ともいえるタイプのサーキットだ。


 しかし。

 この約一ヵ月、ファクトリーを二十四時間フル稼働させ、このメルボルンに手荷物でパーツを持ち込むほどギリギリまで新型の開発に励んでいたチームスタッフたちのことを考えたら……。

 レース前にマシンを壊すなんて、絶対にできない。いや、レースでもだ。


「ハハッ、煽りすぎたな。まぁでも、おまえがまだ戦える状態にきてないってことは、チームのみんなも分かってるから。先のことや外野のことは考えず、今は自分の走りだけに集中していいんだからな。そこだけは忘れなんよな」

「……はい!」


 夢兎の返事に、にっと笑って返すと。

 シャフイザは、「万一マシン壊しちまったら、俺も謝ってやっからよ!」と軽口を叩きながら、チームのホスピタリティハウスへ歩き出した。

 

 その背中に続きながら、開幕戦のことを考える。

 セットアップの問題に、ライバルとの戦い……。

 一つだけでも悶え苦しむような難問を、今は同時に二つも抱えている状態だ。おそらく、この開幕戦は笑って追われるようなレースにはならないだろう。


 でも。

 自分には、目の前に居る〝この人〟を筆頭に、「名門」シェッフェル・エッフェルの頼れる仲間たちが着いている。

 みんなの力を借りて最善を尽くせば、今抱えている問題もきっと解決できるはずだ。


(……よし! 頑張ろう!)


 エースドライバーの鼓舞を受けて、気を入れ直した夢兎は。

 目の前に山積する問題に立ち向かう決意と活力を確定させると、その勢いのまま開幕戦へと臨んだ。 


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