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告白された僕に危機感を感じた幼馴染達が僕を落としに来ている件  作者: しらべ
第二章 なるほど。これがハーレムってやつか。
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9 新たな日常

第二章スタートです。

 三人からの告白を受けて一週間。


 僕の周りはとても賑やかになっていた。


 教室に入れば、楓真や他のクラスメイトから尋問という名の雑談をし、玲が隣に入れば桜がやってきてやたらとくっついて来る。しかも酷い時は翠もいて三人で喧嘩を始める。


 喧嘩するほど仲がいいんだか、悪いんだか…


 でもその環境が居心地の悪いものではなくて、むしろ心地よくて楽しいと思えてきた。

 一年の頃、入学式前日に右腕を骨折しなかったら最初からこんな感じだったんだろう。


 始めての登校日道に迷って遅刻をし、息が切れて自己紹介もまともにできなかったのが原因なんだが…

 我ながら本当に運が悪い…


「ひーくんおっは!」

「桜ちゃんおはよう。」

「桜おはよ」

「玲ちゃんっ今日一緒に登校してきたなら、桜にひーくん成分チャージさせてよ~」


 そう言うと桜が玲をどかし僕の膝上に座った。


「なっ!?桜ちゃんみんなが見てるよ!?」

「うんっ!だって見せつけてるんだもん!」


 桜からほんのりと石鹼のような香りがする。

 破壊力がやばいな…三人の好意を知らない時だったら勝手に勘違いして好きになってたよ…


「こうなったら!私もっ!」

「玲っ!?」

「えへへっ!」


 この光景を見て教室が騒がしくなる。

 そりゃあそうだよね。教室の一区画がハーレム築いてるんだもん。

 信じてもらえるかわからないけど、僕が一番びっくりしてるんだ。


 因みに玲さんと呼ばなくなったのは、数日前に翠と桜だけ名前で呼び捨てでずるいと駄々をこねられたからだ。


「はぁ…氷冴くんいい匂いだなぁ…」


 くんくんと手の匂いをかんだり、頬に擦り付けたり。

 変態じみてきてるからやめようか?


「あっ!玲ちゃんそこまではずるい!」

「えへへ。ずるくないもーん」

「もう終わろっか?」


 時間的にも朝のHRが近い。

 ここを逃したらチャンスはないと思い、桜を降ろして玲を離した。


「ふぅ…」


 一息つくと後ろに気配を感じた。


「……」

「翠…?」


 顔を赤く染め、少しうつむき気味に僕を見下ろしている。


「ひーくんチャージ。」

「えっ?うぉっ!」


 翠は一瞬だけ僕に抱きつきすぐに教室から出て行ってしまった。


「びっくりした…」

「あのツンデレな感じ翠ずるいよね」

「桜ちゃんとは違うあざとさがあるからね…」


 僕を挟んで会話する二人は何だか嫉妬している雰囲気だった。


「あっ、今日のHR楽しみにしててね?二人とも!」

「席替えするんだっけ?」

「桜はひーくんの隣がいいな~?」

「ふふっ!お楽しみだよ?」

「まさか…」


 僕がそう呟くと、


「えへへっ!」


 舌を出して小悪魔っぽく笑う玲に僕は多少の恐怖を覚えた。


 今の笑みでわかってしまう。


『あっ、こいつやったなと。』


 本当に先が思いやられるよ。僕は。


 ブーイングが起こって僕が男子にしばかれなきゃいいけど…


 だって現に後ろの親友の席から、この世の非モテの怨念を一身に受けたような視線が突き刺さっているのを感じているからだ。


 穏便に済みますように。

 それだけを僕は切実に願っていた。






少しでも良かったと思って頂けたらブックマーク、評価、感想をお願いします。


今回もありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

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