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告白された僕に危機感を感じた幼馴染達が僕を落としに来ている件  作者: しらべ
第二章 なるほど。これがハーレムってやつか。
15/16

15 翠の気持ち

今回は翠視点になります

 〔高坂 翠〕


 私には、幼馴染が二人いる。

 一人は鷹野 氷冴、もう一人は東雲 桜。

 2人は私にとって大切な友人だし、家族同然…いやそれ以上だと思っている。

 桜は恋敵でもあるけど、彼女に負けるなら後悔も少ないと思う。


 氷冴に恋をしたのはいつだっただろう。

 生まれた日が同じで、生まれた病院も同じで。

 いつも一緒にいるのは当然だった。


 幼少期から桜は彼にべったりだったけど、その頃は嫉妬という感情が湧くことはなかった。

 小学校高学年の頃だった。クラスの女の子達から「好きな人」の話題が出てきたのは。

 最初はよくわからなくて、いないと言っていた私だったけど恋に気づいたのは唐突だった。


 いつもの帰り道、三人で下校している時だった。


「ねぇひーくん?」

「どうしたの桜」

「好きな人っているの?」


 桜の質問で、彼が考え始める。

 その答えに私は興味があった。

 自分だったらどうしようという期待感と、他の子だったら悲しいなという気持ち。


「うーん…まだ僕にはわかんないかな。でも二人のことは好きだよ」


 その言葉に幼い私は安心する。

 恋愛的な意味ではない事を、なんとなく理解していても嬉しかった。


「だってよ!翠ちゃん!やったね!」

「そ、そうだね…」

「そういう2人は好きな人っているの?」

「桜の好きな人はひーくんっていつも言ってるよ?」

「そうだね。ありがとう」


 彼はこの頃から鈍感だったし、敵を作らないおとなしい子だった。

 この頃の周りの子たちは、男女でいることをからかったり思春期に差し掛かる時期。

 氷冴がからかわれていてもおかしくなかった。


「み、翠もひーくんのこと大好きだから!」


 多分本格的にひーくんを意識し始めたのはこの言葉がきっかけだったと思う。

 でも少しずつ、私達の関係は少しずつ崩れていった。


 中学生になって、私はもっと"ひーくん"に見てもらおうと勉強に学級委員、生徒会長まで色んな事に挑戦していった。

 でもそれがいけなかった。


 私がどんどん前に出ていくにつれて、桜と氷冴と仲のいい高坂翠ではなく、みんなの生徒会長高坂翠として扱われるようになった。

 正直、望んだ事ではなかった。それに私が近くにいなかったのが災いしてか、氷冴は運動部の男子から散々な言われようをしていたらしい。


 挙句の果てに私は「才色兼備の生徒会長」とまで言われて、他の男子から言い寄られることも日常となっていた。


 その頃の桜は、大人しくて友達も仲のいい数人とずっといたらしく、氷冴は楓真くんとずっと何かをしているようだった。


 高校入学直前。


 桜と共に彼の両親から氷冴の進学先を聞き出し、その高校へと入学を決めた私達2人はある約束を取り決めた。


 それは氷冴に対して行ったことは互いに逐一報告して、フェアにアピールしていくこと。

 人の気持ちはそう簡単には変わらない。片方だけリードしていても面白くないと言った桜の提案だった。

 でもお互いのすることに一切の口を出さない。これが前提だった。


 最初の一年はお互いに何もなかった。

 学校の中庭で氷冴が花に水をあげてた。だとか観察日記みたいだった。


 二年になって、私が生徒会長になった。

 ここまで計画通りだった。


 やっと大胆に動けると思った矢先の出来事だった。


 毎日同じ時間に来る桜からの定期連絡。


「ひーくんが女の子に告白されてる!」


 その日の夜は、眠ることなんて出来なかった。




お久しぶりです。

やっとパソコンを新しくしました。使いやすい…

ストックが切れて久しぶりの投稿になるので、変なところあったらご指摘ください。

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今回もありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

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