入学式
投稿遅くてほんっと申し訳ないです。
最低でも、3日に一話ぐらいは投稿できるよう頑張ります。
ソラ達が体育館に着き、中へ入ろうとすると、脇に構えていた女性が近寄ってきた。
「新入生の方ですね?お名前を教えて下さい」
「え?えっと……ソラです」
「私はサクヤよ」
「ソラさんに、サクヤさんですね……あ、あった!おお!お二人ともSクラスなんですね、おめでとうございます!今からこちらの体育館で入学式を行いますので、こちらのコサージュを付けて、あちらのSと書かれた立札の前に並んでいる椅子にお座り下さい!」
「ありがとうございます」
ソラ達はペコッとお辞儀をしてから中に入る。
そして言われた通りに着席した。
「ソラも……Sクラスだったのね」
「サクヤもな。……まあサクヤなら当然か」
「それはソラもでしょ」
まあ、幼い頃から家で英才教育を受けていたのだから当然といえばそうなのだが、ソラは自分の才能を知っているため微妙な気分になった。
恐らくサクヤは知らない。
ソラが落ちこぼれとして家を追い出されたことを。
だからソラの実力を高く見積もっており、そこから当然と言ったのだろう。
ソラが少し悶々としているうちに、入学式が始まった。
入学式と言っても、偉い人の挨拶をあくび交じりに聞き、後は諸々の説明を受けるだけだ。
しかし、一部の説明だけは真剣に聞いた。
「次に、五芒星祭に出場する我が校の代表者を決める方法についてお話しします」
そう、それは五芒星祭についてである。
「代表者は全部で5人です。その5人を選出するために、我が校では週に一度ランキング戦というものを行なっています。こちらで対戦相手を決めるので、皆さんにはその相手と闘っていただき、その勝敗によって順位が決定します。この闘いに学年は関係ありませんので、2年生や3年生と当たる事ももちろんあるのでご了承下さい。五芒星祭の直前までこのランキング戦を行い、最終的に上位5名に入った方を我が校の代表とします。しかし、五芒星祭に興味がなく、闘いたくない人もいるでしょう。その方は後で職員室まで来ていただければ、ランキング戦から除外いたしますのでご安心下さい」
つまり、ソラが五芒星祭に出たければ、このランキング戦で勝ち続けなければいけない。
格上の相手も多いだろう。
知らず知らずのうちに、ソラは膝の上に置いた手をぎゅっと握っていた。
「次は──」
五芒星祭の説明が終わっても、ソラの目は爛々と輝いていた。
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広大な敷地を誇るエリクラル魔法学院では、各学年ごとに専用の校舎が設けられている。
そのうちの一つ、Sクラスにソラ達は案内された。
「はーい、皆さん初めまして〜。私が1年Sクラスを担当するラビリと言います〜。よろしくね〜」
ソラ達をここまで案内した緩くカーブのかかった茶髪が特徴的な女性が前に立って、挨拶する。
なんだかすごく……ほんわかした人だな。
「はい、今日はお疲れ様でした〜。皆さんはこれから共に勉学に励む中ですので、仲良くして下さいね〜。さてと、授業は明日からなので、今日は入学式とクラス案内だけです〜。明日は遅刻しないようにこのクラスに来て下さいね〜。今からの時間は、院内を散歩するもよし、寮に戻って寝るもよしです〜。ただ、寮には門限があるので、それまでには戻るようにして下さいね〜」
院内の地図をお配りしておきます〜と、ラビリが男子寮と女子寮までの地図をそれぞれ手渡す。
ソラもそれを受け取り、ざっと目を通す。
うーん、この広さは実際に見て覚えたほうがいいな。
ソラはそう判断し、取り敢えず寮の位置だけ覚えて、地図を鞄にしまった。
横を見れば、サクヤも同じようにしていたので、恐らく同じ考えに至ったのだろう。
「私はこれから院内を見て回ろうと思ってるけど、ソラはどうするの?」
「俺もそうしようと思ってたところだ。一緒に行かないか?」
「ええ、いいわよ」
サクヤはそう言い、荷物をまとめて立ち上がった。
「初めはどこに行こうかしら?」
「そうだな……じゃあ希望をせーので同時に言わないか?」
「いいわよ。じゃあ…せーのッ」
「「闘技場!」」
ソラとサクヤは同時にそう答えた。