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その後学校から海と空が帰って来た。 2人ともスッキリしたような顔で俺の部屋にやって来た。
「お帰りなさい海ちゃん空ちゃん」
「うッ…… なんか姫花が帰りにりっくんの部屋にいるとりっくんの奧さんみたい」
「同感」
「やだ、奥さんなんて…… ってそんな事ないって、あははは」
「一瞬とても嬉しそうな顔してたよね?」
「そ、そんな事ないからッ! 私如きが恐れ多くて」
いや、むしろ俺如きがなんだけど……
「まぁそれはさておき陸、具合はどう?」
「そうそう、そんな事は置いておいて」
「さておき…… 置いておいて……」
2人とも自分からそんな話を振っておいてこれだもんな。
「もともとそんな心配するほどじゃないって。 この通りもうこんなに元気だしさ、それより学校でなんかあったか?」
「あ、それなんだけどね! 新井君と井上君がりっくんをボコボコにした先輩とっちめてくれたの! それであたしの所に謝りに来てね、ビンタしちゃった」
ビンタしたのかよ…… てか新井と井上は2人ともデカいし新井はそういう事になったら怖そうだし迫力はあっただろうな。
「でね、その時海ちゃんも一緒にいたんだけど海ちゃんも先輩に思い切りビンタぶちかましちゃってさ」
「ええ!? 海までやったのかよ?」
「わ、私は私だけの分じゃなくて姫の分も叩いておいただけよ。 姫だって許せなかったでしょ?」
「あはは…… あ、ありがとう海ちゃん」
まぁビンタまですると思ってなかったのか姫花も少し驚いていた。
「陸が来たらちゃんと謝ってくれるらしいわ。 陸はもう関わりたくないだろうしわざわざいいって思うかもしれないけどさ、私と空もちゃんと謝ってもらいから」
「そうだね、せっかく新井君と井上君が動いてくれたんだから私もその方がいいと思うな」
「わかったよ、俺からも後で直接言うけどさ新井達にお礼言っててくれないか?」
「お礼はあたしがもう言ったけどね。なんか今まで迷惑に思ってたくせに都合の良い時だけ新井君と井上君に頼っちゃって罪悪感が半端ないけど…… うん、りっくんからもありがとうって伝えとくよ」
「そうね、2人の想いに困ってたけどこういう時だけ頼っちゃって私達って大分勝手よね。 だから陸からもお礼は言った方がいいと思うし私達も改めるわ」
新井と井上がこんな形で助けてくれるなんて思っても見なかったからな。 俺達もちゃんとお礼は言うべきだ。
すると海が俺と空を交互に見た。 なんだろうこの海の視線は……
「でもよく考えたら陸って空の為に体張ってそこまでしたんだよね。 空って羨ましいなって思ってさ」
「りっくんの体が心配でそれどころじゃなかったけどそう言われると…… えへへ。 りっくんはやっぱりあたしの事大好きだったんだね!」
「空じゃなくて海でも俺は同じ事したさ、海と空どっちをとっても俺にとって大切な存在だし」
「陸…… うん、私もそう思ってる」
海は俺がそう言うと嬉しそうに自分もと言っていた…… が、俺はそこでなんだか肩身が狭そうな姫花を見てしまった。
自分は蚊帳の外で酷く寂しそうにしているという感じだった。姫花だってもう大事な存在なんだ。
「姫花、お前だってそうだよ。 海や空も姫花の事大好きだし俺もそうだ」
「そうね、姫はもう陸から手を引いてって言っても聞かなそうだもの」
「まぁこんだけりっくんの事想ってるなんてちょっと複雑だけどねぇ」
空は姫花の後ろに抱きついて意地悪そうに言ったがこれは空なりに姫花に想われてるのは自分だけじゃないよと姫花に言っているんだろう。
「海ちゃん空ちゃんに励まされちゃった。 陸君にも…… そう言われるとちょっと自信付いちゃうな」
「こら、姫花は今日陸とベッタリしてたんだから後は私と空の番なんだからね? とりあえず陸は明日も休もうね、腫れた顔じゃ質問責めに遭いそうだからね。 明日は私が付きっきりで看ててあげる」
「マジかよ? また休むのか?」
「陸、私にどれだけ心配掛けたかわかってる?」
「う…… わ、わかった」
「んじゃついでにその次はあたしが看てあげるね?」
空までかよ…… でもこいつも言ったって自分に黙ってたとか言って押し切られるんだろうから観念するしかないな。
「姫花、今日はありがとな? せめて駅まででも送って行くよ」
「嬉しいけどいいよ。 私が勝手に押し掛けて来たんだし、それにそんな陸君連れ回したら海ちゃん空ちゃんに殺されちゃうよ」
送って行こうか? と言った途端両サイドから姫花に視線が飛んだので姫花は2人に睨まれたんだろう。 こういう時は2人とも相変わらずのコンビネーションだ。
「じゃあ気を付けて帰れよ? 後で俺も何かの形でお礼出来ればいいけど」
「陸君が良くなってくれるのが1番のお礼かな」
「姫ったらいちいち陸が喜ぶような事言っちゃって。 まぁ今日はありがと、陸も喜んでるみたいだし。 そこは私も複雑だけど! 陸じゃないけど私と空で姫を送って行くわ、ね? 空」
「うん、ジュースでも奢るよ姫花」
「2人ともありがとう、じゃあお言葉に甘えようかな?」
そうして3人は帰って行った。 まぁ期せずして学校を休める事になった、こうなったらその分ゆっくりと休む事に決めた。




