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「でね、ここがこうで…… 陸、さっきから心ここに在らずって感じだけど話聞いてる?」


「ああ、大丈夫。 公式こうだっけ?って考えながら聞いてた」


「うーん、数学は姫の方が得意だから姫が教えた方が分かりやすいのかなぁ?」


「ううん、海ちゃんの教え方分かりやすくて全然問題ないと思うけど…… 」



やっぱり気にしてるな俺。 一旦忘れようと思ったのに空の部活まで覗きに来てるなんて思わなかったからな。



空の部活が終わる頃なのでモヤモヤした気分で俺は体育館に向かう。 まだあの先輩方はいるんだろうか? そう思い体育館に行くと先輩の姿はない。 多分帰ったんだろう、良かった。



「りっくん! 海ちゃん姫花お迎えありがとう、じゃあ帰ろっか?」


「空ちょっと待ちなよ。 なんかさっき先輩ぽいのがずっと空の事見てたんだけどあれ何?」



同じバレー部の安藤がそう言ってきた。 やっぱ気付いてるよな。



「ああ、確かにそんなのいたねぇ。 あたしの事かな? まぁいいじゃん、あたしにはりっくんがいるんだし」



空はそう言ってるが空の事なんだよな。



「まぁそうだけどさ。 まぁあんたがそう言うならいいや。 じゃあ気を付けて帰りなよ?」


「うん、また明日ね! 行こっか?」



空は鼻歌交じりに俺の腕を掴んで進む。 こんなに楽しそうにしている空にはやっぱりあの先輩の事は言えないな。 だからこのまま空には伝えずにダメだったと先輩に言う方がいいかもしれない。



そう思って約束の日が来た。 俺は1人で売店に向かうとあの先輩達が待っていた。



「おう、すまねぇな。 で? どうだった? 上手くいったか?」


「すみません、ダメでした」



俺がそう言うと明らかに先輩の顔がふざけんなよ? という感じに変わった。



「はぁ? 」


「だから言ったじゃないですか? あんまり期待しないで下さいって」



先輩が俺に詰め寄った。 肩を掴まれそのまま売店から3階の人気のない廊下の方へ連れて行かれる。



「ていうかお前ちゃんと星野に話したのか?」


「…………」


「おい、なんとか言えよ? つかその反応って話してないって事だよな?」


「すみません、空は…… いや、俺は空と付き合おうとしてるんです」


「んなの知ったこっちゃねぇんだよ! だったら他の2人の可愛い子俺らに紹介するか? ああ!?」



空がダメだと言ったら今度は海と姫花を? それもダメだ!



「やめませんか? 俺にそういう相談するのは」


「あ? なんて言った?」


「俺にそんな相談持ちかけるのやめて下さい!」



そう言った瞬間に胸ぐらを掴まれた。 すると先輩の目に俺が胸ポケットに入れておいた携帯が目に入る。



「は! こんなストラップ付けやがって!」



先輩は俺の胸ポケットからストラップを掴んでそのまま携帯を俺から奪い胸ぐらを掴んでいた手で俺を強引に後ろに突き飛ばした。



尻餅をついた俺は先輩の方を見ると……



「男のくせに女々しいもん付けてんだな?」


「それ捨てちまわね?」


「あ、いいなそれ」



先輩達はそう言って盛り上がる。 ふざけんな、それは空がプレゼントしてくれた大事な物なんだ! そう思った瞬間、先輩は力任せにストラップを引きちぎり3階の窓から放り投げた。



「こいつもいらねぇよな?」



そして俺の携帯も窓から投げる。 俺は許せなかった、俺の携帯ならどうでもいい。 だけど空からのプレゼントを強引に引きちぎり窓から捨てた事は絶対許せない。



「ふざけんなよッ!!」



俺は空のストラップを投げた先輩に向かい殴りかかった、もう1人には目もくれず。



「やんのか!? てめぇ! ウガッ」


「先輩だからって許されると思うなよ!」


「いい加減にしろこの野郎!」



もう1人の先輩に横から蹴られ俺は壁にぶつかった。 それでも俺は空のストラップを捨てた先輩に再度殴りかかる。



「しつけぇんだよ!てめぇは!」



人気がない事が災いしたのか俺は2対1でボコボコにされた。 結局最後まで誰か来る事はなかったが俺を叩きのめして満足したのか先輩達は帰って行った。



後先考えてないのかよあの先輩方は…… ここまでされる俺もか。



くそ…… そうだ、空のストラップと携帯探さなきゃ…… 俺はヨロッと立ち上がり階段を降りて落ちたであろう場所に探しに行く。




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