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「それでかくかくしかじかでああなってこうなって……」
「ふぅん、そういう事」
俺の細かい変化に敏感な海は用事から帰って来て俺の携帯のストラップにすぐに気付き「どうしたの?これ」とすぐに聞いてきた。
「うん、海ちゃん! そういう事!」
「まぁ文句は言うつもりないけど。 陸ったら意外とそれ気に入ってるんだもん。そういうのって陸あんまりしないのに。 羨ましいな」
「でしょでしょ!? あたしもりっくんそういうのって邪魔!とか言うと思ったんだけどさ、気に入ってくれてあたしとっても嬉しいんだ」
海や空の言う通り俺は少し邪魔かな? と空に買ってもらったストラップを付けていたが案外気に入ってしまった。 空のプレゼントだからだろうか? うん、そうだと思う。
「空だけいいな……」
「ムフフ、海ちゃんにも実は買ってるんだ。ていうかないわけないでしょ?」
「え?」
「じゃじゃーん!」
空は後ろから手を出して俺のと同じだが色違いを海に渡した。 海はそれを受け取りホケ〜ッとしていたがなんだか嬉しそうだ。
「りっくんと同じであたしが大好きな海ちゃんにもね! 姫花の分もあるから後で渡そうっと」
「もう空ってば…… 昔からそうだから空って憎めないんだよね。 陸とそんな事してなんてズルいけどありがとう空、これ大事にするね? 私は鞄に付けるわ」
「みんなの分買ってたのか。姫花も喜ぶと思うぞ?」
「えへへ、そう思う? だったらいいな」
空は少し照れくさそうに笑った。
「ところで陸、私陸と少し離れてたから寂しんだけど?」
「海ちゃんなんかウズウズしてるもんね、さっきから」
「てかどこか出掛けるんじゃなかったのか? それ以前に海下履いてるの? でかいパーカー着てるだけにしか見えないんだけど? 着替えだしていきなり止まんなよ」
「誘惑…… してるつもりなんだけど?」
「へ?」
海が痺れを切らして俺の膝の上に乗っかってきた。
「陸は自分からはなかなか手を出さないんだもん、だから私から行くしかないじゃない」
俺だって健全な高校生だ、そういう欲がないわけではない。3人の誰かに手を出してしまいそうになるのを俺だって必死に耐えているからな。 俺がそういう形を選択したから自業自得なんだけど。
「陸は大変だね? 私達3人に挟まれて」
「そう言うなら……」
「ダメ。 離してあげない、せっかくくっついてるんだから」
「わー、見てて恥ずかしい。 海ちゃんお祭り行くんでしょ?」
「夕方でいいの、姫も夕方にするって言ってたんだから。 だからそれまでは空が独り占めにしてた分私が陸にベッタリする」
でもなんだかんだ言って海はお昼になりそうになると空と一緒に下に降り母さんと一緒に昼ご飯を作りに行った。
そして昼食を済ませて3人で部屋で遊んでいると姫花も来た。
「こんにちは。 あはは…… 相変わらず陸君引っ張りだこだね」
「あ、いらっしゃい姫花。 今日お祭り楽しみだね! あとこれあげる」
空は姫花にストラップを渡した。
「これって空ちゃんが私に?」
「そうだよ、海ちゃんにもあげたし」
「そっかぁ。 私にも…… 嬉しい空ちゃん! ありがとう」
「わわッ! 姫花に抱きつかれるなんて。 あたしりっくんじゃないよ?」
そんなの関係なしに姫花は空からプレゼント貰えて喜んでるんだろう。 だけどこのプレゼントと空の事で後々俺は大変な目に遭ってしまうんだけどそれは後の話だ。
「まぁそんなに喜んでもらえて何よりだよ」
空は抱きついてる姫花の背中に優しくポンポンと手を触れた。
「じゃあ早速携帯につけちゃおっと」
空の目の前で姫花はストラップを付けて見せた。
「うん、いいんじゃないかな」
「えへへ」
「じゃあ姫も来たことだしお祭り行こうか?」
「夏休み最後のイベントだしね!」
それからお祭りにみんなで行って出店を回り最後に花火を見た。
来年もこうしてみんなで見れるんだろうか? もちろん海と空はいるだろうけど姫花は? そんな事を考えていると……
「また来年もみんなで来ようね?」
姫花は俺にそう言った。
「ああ、またみんなで見ような」
「つまり来年まで陸は相変わらず私達をいいように……」
「なんかその言い方胸に刺さるな」
「ふふッ、冗談だよ。 そうであってもそうじゃなくてもこうしてみんなでまた来たいね」
海はそう言って俺に向けていた視線を花火に戻した。




