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海から帰り優を家に送りそのまま俺の家に3人とも帰ってきた。 はぁ、なんか姫花が優に俺の事が好きって言ってから俺への優の当たりが少しキツくなったような気がする。
「うーん、やっぱ体が少しベタベタする。 海水浴場のじゃこんなもんよね。 陸の家のお風呂借りようかしら」
「あ!賛成! あたしもそう思ってたんだよね、海ちゃん一緒に入ろう、姫花も」
「3人はキツすぎるだろ…… 前もそうだったろ」
「! ムフフッ、そうね。 陸と一緒にお風呂入ったものね」
「だからそんな語弊があるような発言はやめろ!」
「でも姫花はりっくんの家で初めてお風呂だからやっぱりあたし達と一緒に入ろう! それに身体チェックもしなきゃ」
「ええ!? 身体チェックって何!?」
姫花が体を押さえ青褪めた顔をした。
「姫の裸見た事ないからね、なんだか楽しみ」
「優ちゃんは見たけどあたし達はまだだもんね? 隠し事なしだからね?」
「う、海で見たじゃん? 特に大したものでもないし…… 」
「裸の付き合いもあるしそれとこれとは別って事で。じゃあ行こう!」
そしてあれよあれよという間に姫花は2人に風呂場まで連れられて行った。 あの2人絶対からかう気満々だろ……
まぁいいや。 なんか1人になって落ち着いた。 結構海で動いたしなんだか少し疲れた。 俺も体ベタベタして気持ち悪いけど少し寝よう。
「陸君、陸君ッ」
「あ、なんだ姫花か? どうした?」
風呂上がりなのか姫花が頭にタオルを巻いていた。 てことは上がったんだな。
「どうせ起こしちゃうと思ったから起こしたんだけどドライヤー貸して欲しいなって思って」
「ああ、そうだよな。 あいつらは?」
「海ちゃんは私と一緒に上がったけど洗面所のドライヤー使うから私は陸君の部屋のドライヤー使ってっていう事で……」
ああ、そういう事か。 なんだか姫花まで俺の家の風呂使ってるなんてちょっと不思議な気分だな。
「ん? どうかした? あ……」
「え? 何?」
「よ、よく考えたら私比較的つい最近付き合いだしたのに陸君を差し置いてお風呂まで…… 図々しいよね?」
姫花が申し訳なさそうにしてこちらを見ているけどこういうとこ律儀な所は海に似てるな。
「なんだ、そんな事か。 別になんとも思ってないって」
「はあ、なら良かった…… 陸君もベタベタして気持ち悪いなら入ってきて」
「ああ、みんな出たら入るよ。 誰か入ってる途中で出くわしたら目も当てられないからな」
「そ、そうだね! うるさくなっちゃうけどドライヤー使うね?」
「ああ」
ドライヤーで髪を乾かす姫花の姿をジッと見ていた。 姫花の仕草はどれも可愛らしくてなんだか上品だ。 すると姫花の動きが止まった。
「陸君、ちょっと恥ずかしい……」
俺の視線に気付いたようで姫花は少し困ったように笑った。
「え? あ! 悪い、ジッと見てたから気持ち悪いよな、ごめん」
「う、ううん! そうじゃないの。 嬉しいんだけどなんか緊張してくる。 あははは」
「俺寝てるからさ、乾かし終わったら起こしてくれ?」
「うん」
うわ、めっちゃ俺もめっちゃ恥ずかしいわ。 姫花が俺に好意持ってなきゃ俺ただの気持ち悪い奴じゃん。 とりあえず落ち着け。
ドライヤーの音でも聞いて落ち着こう。 そして数分経った頃海の声が聞こえた。髪を乾かし終わったんだろう。 チラッと隙間から見ると海はニコニコして姫花の髪にブラシをかけていた。
その光景を見るとまるで空に接しているかのようだ。 あれだけ警戒していた事が嘘みたいだな。
ようやくドライヤーが終わると少しして空も上がってきた。 ていうより空バスタオル巻いてるんだけど……
「服は?」
「りっくんのお部屋に忘れてきちゃった。 てへッ」
「あんたはもう……」
「あれ? りっくん寝てるの?」
「ああ、陸君は……」
姫花が言うより先に俺の上に衝撃が走る。 空の奴ダイブしてきやがったな……
「起きろりっくん! サービスシーン見逃すよ!?」
「重い……」
「女の子に向かって重いは酷い!」
「空、姫花が驚いてるから陸から退きなさい」
「ちぇ、はいはい。 りっくんもお風呂入りなよ? あたし達3人の美女の残り湯に浸かれて幸せ者だね、りっくんは!」
3人戻ってきてまた賑やかになったな。 まぁ俺もいろいろ頭を冷やそうと思って風呂場へ向かった。




