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「随分遠くまで行ってたね? 海ちゃん大丈夫だったの?」


「聞いてよ姫花、海ちゃんったら危なくどざえもんになる所でさぁ」


「海って名前のくせにマジで泳げないんだ? おっぱいお化けの弱点発見!」


「このクソガキ!」



海は優を追い掛けて浜辺で転んだ。 まぁ運動不足だな。



「姫花、優の相手して疲れたろ? 任せてばっかりでごめんな?」


「いいのいいの! 私みんなと海に来れただけで本当に嬉しいから」


「姫花は謙虚ねぇ。 あたしは助かるけど。 りっくんあたしお腹空いた! 海の家行こ?」


「そうだな。 姫花も一緒にいかないか?」



そう言うと姫花は嬉しそうにうんと頷いた。 海はと…… いた、まだ優を追い掛けてる。 砂だらけになりがら……



「うわぁー、おっぱいお化け脚遅ぇ〜」


「こ、この…… はぁ、こんなチビに追い付けないなんて……」



調子に乗った優は海の周りをうろつきながら捕まえてみろと言わんばかりだ。 優がこちらに来たので姫花はガシッと優の肩を掴んで捕まえた。



「優君海ちゃんをそんなに困らせないの。 それに海ちゃんをそんな風に呼んだらダメでしょ?」


「ええ?」



姫花が優に諭すように言った。 あれ? どうしたんだろう? 海も不思議そうに見ていた。



「だってあいつが僕を怒るから」


「あいつもダメ。 それに優君が怒らせるような事してるからだよ? 海ちゃんはね、この中で1番優しい子なんだよ?でもそんな事ばっかりしてると海ちゃん本当に怒っちゃうよ?」


「怒ればいいし!」


「私も怒る」



姫花がちょっと厳しめな表情でそう言うと優は少しビックリしたようにどうようした。 姫花が怒る、そんなの想像つかないけど……



「こ、子分のくせに!」


「うん、優君が良い子でいてくれたら喜んで子分でもなんでもいいよ?」



姫花はそう言って今度はニコッと優に笑ってみせた。 そんな姫花に優は少し恥ずかしそうな顔をしている。 まさか本当に姫花の事好きになっちゃったんだろうか?



「わかった……」


「じゃあ海ちゃんって呼んでみて?」


「海……」



少し抵抗があるようで呼び捨てだ。 てか空の事も呼び捨てだしな、そんな優に海は溜め息を吐いた。



「まだなってないけど仕方ないわね。 それで許してあげるわ」


「良かったね優君、よく出来ました!」


「子分に言われても嬉しくないしッ!」



姫花に頭を撫でられて照れ臭そうに優はそう言った。 そして姫花の胸に優は顔を埋めた。



「抱っこ……」


「ん? 」


「走って疲れた。 抱っこ!」


「フフッ、うん」



姫花は優を抱き上げた。 女だとからかいたくなる優を姫花は上手く手懐けた。



「うわぁ、優って本当に姫好きなのねぇ」


「凄いね、あのわがまま優ちゃんが大人しくなったよ。 てか海ちゃん顔まで砂まみれだよ? せっかく可愛いのに台無しじゃん。 そこで流そう? 今から海の家でなんか食べに行くんだよ」



そして空は海を連れて顔を洗いに行った。5分くらい待っていると姫花の胸に顔を押し付け優は眠ってしまっていた。 こいつどれだけ羨ましい事をしているかわかっているんだろうか?



俺が言うと盛大なブーメランにしか聞こえないけど……



「本当凄いな、騒がしい優をここまで大人しくさせたなんて」


「あはは、そんな事ないって」


「それにさっきも優にちゃんとダメなとこ注意してたろ?」


「うん、でも優君素直に言う事聞いてくれて本当は良い子だからだよ」



まぁなんだかんだで俺も小さい頃海とは優と同じくらい喧嘩してたから人の事は言えないが。



「陸君も小さい頃はよく海ちゃんと喧嘩してたって聞いたしね」


「え、そんなの聞いたの? 空の奴だな……」


「だから優君も小さい頃の陸君に似てるのかなぁ? なんて思っちゃったり」



姫花は自分の腕に収まっている優を見て優しく微笑んだ。



「どうだろうな?」


「優君の性格が幼い頃の陸君に似てるっての実は聞いたんだけどね。 だから海ちゃんも優君の事憎みきれないんだよ」



優を抱きながらそう言う姫花はとても優しくて綺麗に見えた。 そんな姫花に見惚れていると海ちゃんと空ちゃんが戻って来たよと指差した。




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