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「はうぅ…… 心臓が止まるかと思った」
「あら? 私だったら平気だったけど陸じゃなくて残念だったわね?」
「そうだねぇ、あたしもりっくんだったらテンション上がってたけど」
「お前ら…… 」
まぁ優がまだお子様でよかった。 俺だったらずっとネタにされ続けるに違いない。
「姫花お姉ちゃん元気出せッ! 女の裸なんて見慣れてるからさ!」
優が更に姫花に追い打ちをかける。 そりゃあお前同い年くらいの女の子ならまだいいけどさ……
「子供は許されても姫みたいな年頃はダメなの! 少しは反省しなさい!」
海に説教されうちの母さんの所へ優は逃げて行った。
「海ちゃんがお灸を据えたから姫花も気を取り直して海に行こ!」
「そうだね、お騒がせしてごめんね」
そして母さんが車を出して俺達は海へと向かう。
やっぱり優は姫花がお気に入りなのか姫花の膝の上に乗った。
「優ったら姫の事が好きなんじゃない?」
「だよね? あたしもそう思った」
「うるさい! おっぱいお化けは怖いから嫌だ! 空は子分2号だし姫花お姉ちゃんは1号だから!」
うん、まったく意味がわからん…… 空との方が先なのに2号とは。
「あたしって優ちゃんの子分だったの? しかも2号ってどういう事?」
「空は僕の事お子様扱いするからな!」
「十分お子様でしょ? 優ちゃんは。 ていうか本当に姫花の事好きなんだねぇ、りっくんライバル出来ちゃったね」
「ライバルって……」
「てか私の呼び方どうにかならないわけ?」
海が姫花の上に座っている優の頬っぺたをうに〜ッと摘んだ。
「海ちゃんはしっかりしてる分嫌われ役になっちゃったみたいね」
「陸ママも優をもうちょっと叱ってよ」
「海ちゃんに任せるわ。 あ、でも姫花ちゃんの言う事も聞くかもしれないわね?」
そう姫花に言うがどうだろう? 子分にされてる姫花の言う事を聞くのだろうか?
「姫花お姉ちゃん! 海に行ったら僕が泳ぎ教えてやるよ」
「優君は泳げるの?」
「うん! 上手いんだ」
姫花に向かってドヤ顔で優は言った。 こりゃ姫花海でも優に振り回されそうだ。
海水浴場に着くと季節だからやっぱり人は結構いた。そしてみんな水着姿になった。
「海ちゃんと空ちゃんもすっかり女の子ねぇ。 ちょっと前まで優君と似たような感じだったのに」
「陸ママ、優と同じにしないでもらえる?」
「そうそう! りっくん、あたしと一緒に泳ごう? 海ちゃんはカナヅチだし姫花は優ちゃんのお世話だからさ!」
「そうはいかない、足が着くなら私だって大丈夫なんだから! 陸一緒に海に入りましょ?」
2人に挟まれていると優がやってきた。
「陸兄! 姫花お姉ちゃんと一緒にあっちまで一緒に行こう!」
「優君そんなに急いで走ると危ないよ?」
優が姫花の手を引いて沖の方を指差して泳ごうと言ってきた。 姫花と優が泳げようが危ないので目が届く場所に置いとかないとな。
「わぁ、姫花の裸超白いしスベスベ!」
「私日焼けしても赤くなって元に戻っちゃうから」
「あ、日焼けと言えば陸、日焼け止めクリーム私に塗ってよ?」
「その手があった! りっくん、あたしにもお願い」
「空は優と姫とでも泳いでなさいよ?」
あっちこっちで忙しい……
「もうみんなまとめて海に入ろうぜ? 海の足が着くとこくらいまでが1番安全だし」
「ちぇーッ、海ちゃんって海って名前のわりには泳げないんだから」
「泳げないんだ? あははッ」
「なんか凄いムカつく…… いいわよ、陸にくっついてれば安心だもん」
海は俺の腕に抱きついた。 空は当然泳げるけど。
「姫花って泳げるか?」
「うん、それなりだけど大丈夫かな」
なんだろう、姫花のそれなりって言うのはかなり泳げる気がする。
「じゃあ海は俺から離れるなよ?」
「え? うん! 離れるわけないじゃん」
「ちょっとあたしを抜かしていい雰囲気作らないでよ! 海ちゃんが溺れたらあたしがしっかり助けてあげるからね」
「それ以前に海が溺れるような所に行かないんだが」
「早く行こーよ陸兄!」
こうして優に急かされ騒がしいメンツと海に入った。




