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春休みも終わりに近付いた頃、俺と海と空は3人で出掛けていた。 何が目的かというと俺の服を買いに行くのが目的だ。
なんせ昔から2人に見た目の全てを任せきりにしていたし、そうなると自分で服を買いに行こうなんて思わないからすっかり服がくたびれてしまい空が買いに行こうと提案した。
そしてうちの母さんに空がお金を貰い服屋に向かう。 うーん、相変わらずうちの子供みたいだな、うちの母さんにお金を自然に貰いに行く事が……
「予算的に安い服しか買えないね」
「服にいくら掛けるんだよ?」
「陸、そんな事言ってるとモテないわよ? まぁだからってモテ出しても引くけど」
海、酷いぞそれ…… そぉいや俺が告白された時こいつら妙にうるさかったな、海までもあーでもないこーでもないって。
まぁ俺が誰かと付き合うとかずっと俺を見て来たこいつらには信じられないんだろうな。 りっくんは女の子の扱い方がわかってないから付き合うのはダメとか極め付けに陸と付き合った子は不幸になるとか無茶苦茶な事言ってたな。
何気に2人にそう言われるのはショックなんだぞ? 俺的にお前らを見て育ってきたんだから多少なりともわかるつもりでいたのに。 あ、服とか選んでもらってる時点でダメか。
というよりこの2人と服を買いに行くのは少し億劫なんだ。
某服屋に着くと早速海と空は俺を引っ張って行こうとするが両方反対に引っ張る。 ここでも性格の違いが出る。
「空、陸の着る服はそっちじゃないよ?」
「海ちゃんこそりっくんの着る服はそっちじゃない」
「2人とも俺を引っ張りながら言うのやめろ! とりあえず順番に行けばいいだろ?」
「「じゃあこっち!」」
ダメだ…… こんな時も息が合ってる。 ていうかこんな事してたらいつまでも買い物出来ないじゃないか。 だが空の方が力が強いので海の方は負け始める。
だけど海は力の差を見せ付けられても引こうとせず歯を食いしばって俺の掴む腕により一層力が篭る。
「海ちゃんいい加減諦めてよ!」
「嫌…… 空が諦めればいい」
「いい加減にしろって! 面倒だからジャンケンで決めればいいだろ? こんなんしてたらいつまで経っても選べねぇじゃん?」
そう言うと2人はしばらく考えわかったと言った。 もうこのやり取り何度すればいいんだ?
そしてジャンケンの結果、空が勝ち空がオススメする服から選ぶ事になった。
「やったぁー!」
「うう…… 負けたし疲れるし最悪」
「いや、服如きでそんな熱くならなくていいから。空、何着くらい買えそう?」
「うーん、上手く使えば5、6着くらいかな?」
まぁ今日はカットソーだけ買いに来たしそれくらいあればしばらく十分だよな、後は海と空のコーデに任せればいいし。
「じゃあ海と空のをいつも通り半々な、それでいいだろ?」
「仕方ないなぁ、じゃあ海ちゃんそれで行こうか?」
「はぁ〜、わかった……」
服買いに来ただけでそんなぐったりした顔するなよ…… そして空が服をルンルンと選んでいる、これなんかどう? とか言って着させてくるのはもう慣れてる。
空が選ぶ服は空のイメージ通り明るめな男が着る服が多い。 対する海は落ち着いた大人という感じの服だ。
そしてここでも空が選ぶ服に海は陸はそんなんじゃないといちゃもんを付け海が選ぶ服も地味過ぎると空がいちゃもんを付ける。
そして最後には俺はどうでもいいから早く決めろとなる。
「まったく。 海ちゃんは最近のトレンドがわかってないよ!」
「最近のトレンドより陸に似合う服の方が陸に合ってる」
「りっくんはまだ15歳なんだから落ち着いた服はもっと歳を取ってから着ればいいの」
「陸のイメージが大事でしょ? 服に着せられるような陸はNG」
始まったよ、いつものバトルが…… 普段仲良いのにこういう時は火花バチバチ散らしてるんだからなぁ。
「2人とももういいからさ、なんか食べに行かね?」
「「黙ってて!」」
恥ずかしいわこの2人…… 店の中で大声出すなよ。 俺はそろりそろりと2人から遠去かる。




