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あれからしばらく経ち中間テストも無事終えた。 海のスパルタ勉強の賜物で成績も幾らか上がったような気がする。



空も半ベソをかいて海の指導を受け赤点はなんとか回避したようだ。 姫花も俺達の勉強を手伝ってくれた。 姫花はやっぱり勉強が出来、海はそんな姫花に火花バチバチだったが。



そして海は空の指導に熱が入り過ぎたせいか風邪でダウンしてしまった。 そしてそんな海の近くにいた空も。 まぁ俺にも急接近していたけど俺と姫花には移らなかった。



月曜の朝にそれを知ったので俺が起きる時間では朝から様子は見に行けないので学校が終わったらお見舞いに行く事にした。



「陸ぅ〜、辛いよぉ、心細いよぉ…… 早くお見舞いに来てね?」


「りっくん…… 喉痛い、頭痛い、ダルいし動けない、お見舞いよろしく」



学校へ行く途中2人から電話が掛かってきた。 珍しく海が弱気だ、結構熱があるせいだろう、そして空も。



2人ともただ勉強を頑張っただけなのに可哀想にな、帰りは何か栄養ドリンクでも買って行ってやろう。



学校へ着くと新井と井上から今日は1人か? 寂しい奴だなぁと冗談混じりにからかわれる。 まぁいつも海と空と一緒だったからこいつらじゃなくてもネタにするだろう。



そして席に着くと姫花が2人の様子を聞いてきた。



「2人大丈夫そう? 熱あるって言ってたけど」


「んー、俺も時間なかったから見てないんだよなぁ」


「そっかぁ。 私も学校終わったらお見舞いに行くね?」


「え? 逆方向だし移んないとも限らないし姫花はいいよ」


「ううん、行くったら行くよ。 移っても行かないよりいいし」



姫花を見ててわかる、姫花は俺の事関係なしに本気であの2人の事心配してるんだな。 だから海と空の事こんなに思ってる姫花を俺も……



「まぁ姫花も来てくれた方が海と空も喜ぶかもしれないしな」


「うん! 友達だもん」



まぁ姫花がそう言うなら行かせた方がいいか。



「それに2人がいないと陸君調子出ないみたいだしね」


「え? なんで?」


「だって海ちゃんと空ちゃんの席チラチラ見てるよ?」



ああ、無意識にそうなっていたようだ。海はともかく空の声は後ろの方からよく聞こえてたからな。 仮に姫花が休んだとしたら俺も2人の時のようにそう思うんだろうか?



「ん? どうかした?」


「いや、俺も姫花が休んだりしたら気になるのかな?って」


「え!? 私? 急に私にそんな事聞かれても…… ああ…… ええと、気にして欲しいなって…… お、思う」



つい考えてた事を口に出してしまった。かなり恥ずかしい事を言ってしまった。



「お前ら朝っぱらから何話してんの? 聞こえてくると凄くこっちが恥ずかしいんだけど? てかお前にクラスの美女3人取られてるって思うと凄えムカつくんですけど」



新井が白い目をしてこちらを見てきた。 うん、客観的に見たらそうだわな。



「あ、新井君、取られてるんじゃなくて私が勝手に陸君の事、す………… 気になりだしだしたっていうか…… 」


「いや、変わんねぇから…… こりゃ重症だ」



姫花はノートを出して暑いのかパタパタと扇ぎ出した。



午前の授業が終わると姫花が俺の机をトントンと指で突いた。



「陸君! あの…… お、お昼食べよう?」



姫花とはいつも一緒に食べているのになんでこんなにオドオドしているかと思ったら海と空がいないもんな。 最初の時こそ姫花自らが今日からお昼は俺達と食べるって言ったがその時とはシチュエーションが違い直で俺とだし。



「そうだな、じゃあ屋上の方行くか?」


「うん」



姫花と一緒に廊下を歩く。 歩いているのだが…… なんだろう? このなんか微妙な感じ。



神妙な面持ちで俺よりほんの少し後ろを歩いている。 いつも海と空が俺の隣を歩いているから。だから姫花はそれより一歩下がっている。



だけど今日は海と空もいないし隣でも何も問題ないはずだけど。 それに姫花の視線が俺の手元辺りに行ってる気が……



もしかして手を繋ぎたいのか? それで微妙な感じになってるのか? 姫花とはもうキスまでしたのに? いろいろあったけど海と空にも認められて曲がりなりにも付き合ってるって事になってるのに?



でもあれから姫花は俺達とはいつも一緒にいたけど海と空とは違って一歩距離を置いていたような気がする。 なんでかな? と思ったけど姫花にも何か思う所があるのか? と思って俺も何も言わなかったけど……



俺はさりげなく姫花に手を差し出した。 そうすると姫花はピタッと止まった。



「陸君?」


「あー、いや、俺の考え違いだったらマジで恥ずかしい事なんだけど手繋ぎたいのかなって……」



そう言うと姫花は目を見開いて下を向いた。 げ…… これはマジで考え違いかな? と思ったが……



姫花は俺の差し出した手を握った。



「うん……」


「え?」


「こうやれたら凄く嬉しいなってずっと考えてた。 でもそう陸君が考えてくれた事の方が嬉しい」



姫花はそう言ってようやく俺の隣を歩いた。

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