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「海ちゃん起きなよ? 姫花とあたしら行っちゃうよ?」


「んんッ!」


「いたッ!」



グーで空の頭に拳が飛んできた。 そしてようやく海も起きたみたいだ。



「空ちゃん大丈夫?」


「うえーんッ! また海ちゃんに暴力振るわれたよ、りっくん撫で撫でしてぇ」


「あはは……」



俺が空の頭を撫でてやっていると姫花も空の頭を撫でた。 そんな姫花に空はキョトンとする。



「姫花?」


「あッ、ごめん。 なんとなく……」


「なんかよくわかんないけど、悪い気はしないかな!」


「ん〜ッ…… 何2人して空の頭撫でてるの?」



海が目を擦りながら起きる。



「あーッ! 海ちゃんのせいなのに! って…… 海ちゃんお化粧取れてるよ、あははッ、変な顔ぉ〜」


「ん? もういいや。 メイク落とそうっと、私横になってるから空お願い」


「うあ…… 相変わらずの海ちゃん。 あ、姫花海ちゃんのメイク落としてあげなよ?」


「私が?」



空がメイク落としを姫花に渡してさっさとやってと急かす。



「お、怒られないかな? 海ちゃん結構怖いし」


「大丈夫! なんだかんだで海ちゃん姫花に優しいから! 怒ると怖いけどね、ほら、早くしないとまた完全に寝ちゃうからほら!」


「それじゃあ……」



姫花は海のメイクを落とし再び眠りこけそうになる海を起こす。



「海ちゃん起きて? 海ちゃん」


「んー? 空?」


「海、そろそろ起きないと置いてくぞ?」


「んんぅ…… わかったよぉ。 ふぁ〜、ん? 姫が起こしてたの?」


「海ちゃんの被害受けたくないから姫花に頼んじゃった」


「失敬な…… 陸が刺激的に起こしてくれれば目なんてすぐ覚めるのに」



刺激的って何して起こすんだよ? するとドタドタとうるさく階段を上がってくる音が聞こえた。



バァン!と乱暴にドアが開きそこに居たのは……



「よう! 来てやったぞ!」


「げ…… ゆう



海が引きつった顔で優を見た。 なんで優が? この優という子はうちの母さんのご近所の友達の7歳になる子供だ。 うちに本当にたまにだが顔を出す。 もしかして両親出掛けるから預かってたのか?



「あ! ヒステリーおっぱいお化け!」


「誰がヒステリーおっぱいお化けよ!? クソガキ!」



優もこんな感じだから海も口が悪くなる。 だから海は優の事は苦手らしい。



「あ、優ちゃんこんにちは、お父さんとお母さんお出掛け?」


「だから来てやったんだ! ん? 誰そいつ?」



優が姫花を指差して言った。



「ああ、優も姫花も初めてだもんな。 こいつは優って言ってうちの母さんの友達の子だ、多分親が出掛けてるからうちの母さんが預かったんだ。 で、こっちが姫花お姉ちゃんだ。 俺と同じ高校の同級生だぞ、仲良くしろよ?」


「よろしくね? 優君」



姫花は優に優しく微笑んで挨拶した、そして優はジーッと姫花を見つめる。



「陸兄、この人陸兄の彼女?」


「へ!?」


「なッ!?」


「はぁ!?」



小学生の優に動揺させられる3人…… 優の事だから言うと思った。



「いい!? 陸の彼女は私なの!」


「へぇ? 陸兄可哀想」


「あんたお仕置きされたいの?」


「優ちゃん、りっくんの彼女はあたしだよ!」


「空が彼女? うーん……」


「えーん、酷い優ちゃん」



優のような歳の時って俺もこん感じだったなぁ。 なんとなくからかってみたくなってな、海なんかいいターゲットなんだろう。 俺も海としょっちゅうこんな感じだったし。



「あ! じゃあこの人陸兄の愛人だ!」


「わ、私が愛人……」


「はぁー、姫まともに相手するだけ無駄よ? どうしても優は意地悪したいだけなんだから」


「…… おっぱいお化けなんか変わった?」


「え?」


「前より怖くなった気がする!」


「はあ!?」



前より怖くなったんじゃなくてここ最近昔の海らしくなっただけなんだけどな。



「おい新入り!」


「し、新入りって私かな?」


「新入りは馬になるルールがあるんだ! 馬になれ!」


「え? あ、はい!」


「お前特別可愛いから子分にしてやる!」



姫花が律儀に優の言う通りになり四つん這いになると優は姫花の背中に乗った。 なんて図々しい奴なんだ……



「よし! 流石陸兄の愛人!」


「何やってんだか。そんなルール初めて知ったけど…… 姫、そんなの言う事聞く必要ないわ。優の面倒は空に見てもらって私の家に行きましょう?」


「な、なんであたしだけ!?」



だけど優はなかなか姫花を離してくれなかった。 多分気に入ったんだろう。


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