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「あー、完全に2人とも寝ちゃってるねぇ」



トイレから戻ってきた空は相変わらず姫花を寝ていると思っている。 海は完全に寝ているけど姫花は狸寝入りをしている。



すると空が狸寝入りしている姫花に近付いて行った。 どうしたんだろう? 空は姫花の寝顔をずっと見ている。 そして姫花も依然狸寝入りをしたままだ。



空が姫花のほっぺを指でツンツンした。



「相変わらず可愛いなぁ姫花は。 寝顔まで綺麗、ていうか起きないね?」



そりゃあもう起きてるから…… 姫花も起きればいいのに。 海と空なら寝たふりしてもすぐわかるんだけどな。



そして空はクルッとこちらを向いて四つん這いになって俺に近付いてきた。



「りっくん! えへへへぇッ」


「な、なんだ?」


「よぉ〜く考えてみたらこのシチュエーションドキドキしない?」


「え?」


「海ちゃんと姫花が寝ている中であたしと2人きり。 なんかいけない事考えちゃうよねぇ?」



姫花が寝たふりしている事を知っている俺はどうしてそういう気分になるというのか……



チラリと姫花の方を見ると薄目を開け真っ赤な顔してこちらを見ている。 バッチリ見られてるぞ? 空……



空はそんな事つゆ知らず俺の顔に自分の顔を擦り付けて来た。



「りっくんはたまにあたしの事男の子みたいに扱うからね? ショートカットにしてるからかなぁ? あたしだってりっくんの事が好きな女の子なんだよ? そこいら辺を今じっくりと教えてあげるね?」


「いや、やめといた方がいいと思うぞ?」


「むむッ! そう言われるとあたしも火が付いちゃうなぁ。 ほら、海ちゃんほどじゃないけど胸もあるんだよ?」



腕に組みつき空は俺の腕を胸で挟む。 空は海と姫花に背を向けているからわからないだろうが今姫花は薄目だったのがもうバッチリ開いて真っ赤になって口を開け見ている。



何故か図らずともそういうプレイになりかけている。



「姫花はねぇ……」


「え?」


「姫花はね、今まで見てきてあたし達と同じくらい本当にりっくんの事好きなんだろうなって思ったよ。 それでいてちゃんとあたし達とも向き合って付き合ってる、だから強敵。 でもそういう姫花だから海ちゃんも認めたんだと思うの。まぁりっくんにはよくわからないか」


「それがこの状態と何が関係あるんだ?」


「ムフフ、だけどあたしは海ちゃんやりっくんが思ってるほど精神的にタフじゃないんだ。 りっくんが姫花を見る目とても優しい目してる。 あたしを見る時も優しい目をしてくれるのわかってるけど切なくなる時あるの、だから慰めて?」



空が俺に体重を掛け押し倒す。



「なぁ〜んて! ただりっくんとイチャつきたいだけなんだけどね!」


「お前…… なんか俺の手首掴む力強すぎない?」


「そんな事ないよ? 普通に掴んでるだけだよ」



いや、動こうとしている俺を全力で抑えているように見えるんだけど?



「あー、なんかあたしも眠くなってきちゃった。 このままりっくんに倒れて、たまたまキスしちゃっても抜け駆けとかじゃなくて不可抗力だから仕方ないよねぇ?」


「おい、自分で言ってるとまったく説得力ないぞ?」



空は普段見せないような怪しい…… というより妖艶な笑みで俺に微笑みかける。

姫花はこれもバッチリ見ているんだろうか?



「いひゃッ!」



なんか変な声が聞こえたので俺と空がパッとベッドに向き直る。 そこには胸の辺りを抑えて悶える姫花の姿があった。



「うるさーッ……」



寝ボケてそう言った海が寝返りをうつ。



「ありゃ、姫花起きちゃった。 どうしたの?」


「う、海ちゃんに抱き枕にされてたら急に肘打ちされた……」


「あ、ああ! あははッ、きっとあたし達の話し声がうるさくて姫花とばっちり受けたんだね」


「海ちゃん加減ないんだね、思いっきり打たれたよ、あはは……」


「海ちゃんと寝てるとあたしなんかしょっちゅうやられてるよ」



やっと海の拘束が解けた姫花はベッドから降りた。 ていうかさっきの光景ずっと見てたよな? 姫花は真っ赤になりながら胸をさすっていた。







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