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母さんが家に来た姫花に挨拶をした。
「まぁうちの陸ったら海ちゃん空ちゃんだけじゃなくてこんな美人さんを連れて来るなんて」
「いえ、そんな。 佐々木姫花です」
「海ちゃん空ちゃんの立場が危ないんじゃないかしら、ウフフ」
「りっくんママまでそんな事言っちゃって! 美人なだけじゃ陸は靡かないんだから。ねぇ? りっくん!」
「なんだか申し訳ないわ、陸がこんななのにモテちゃうなんて」
こんななのにって表現やめろよ…… まぁ母さん似だったらある意味大変だったろうけど。
そして母さんとの挨拶を済ませて部屋に行った。 まぁもともと押入れ以外は海と空が結構掃除とかマメにしてたからそこまで散らかってなかったけどな。
「姫はとりあえずそこら辺に座りなよ?」
「あんまり広くないけどね」
そう言って空はボスッと俺のベッドに腰掛けた。
「2人が偉そうに言ってるけどくつろいでいいからな?」
「うん。 ありがとう、ここにいつもみんな集まってるのね?」
「まぁ俺の家の事が多いけど海と空の家にもよく行くよ」
「あ、そうなんだ? だったら後で海ちゃんと空ちゃんの家にも行ってみたいな」
「そんなのお安い御用よ。 陸の家で一息ついたら私達の家にも行きましょう?」
そう言うと嬉しそうに姫花はうんと頷きしばらく4人でお喋りをした。
「ふぁ〜」
そうしていると海が大きな欠伸をした。 こいつは大掃除に精を出し過ぎて眠いのだろう。
「陸、ベッド借りるね? ちょっと仮眠」
「ん? ああ」
「時間はまだまだあるし姫も一緒に寝る?」
「ええ? 陸君のベッドで?」
「りっくんヨダレ垂らす癖あるから枕カバーも洗っておいたから安心しなよ姫花」
「おい! いつの話してんだよ!?」
空の奴余計な事言いやがって……
「フフッ、そうなんだ? 陸君そんな癖あったんだね」
「昔だよ、昔」
「うん、可愛いなって思ってね」
そう言って姫花はベッドに横になっている海の所へ行きチラッと俺を見てベッドに腰掛けた。
「姫も寝てみる?」
「えっと…… なんとなく来てみただけ」
「ふぅん? じゃあ私もなんとなく。 えいッ!」
「わッ!」
海が姫花に後ろから抱きついたと思ったら俺のベッドに押し倒した。 海と一緒に俺のベッドに姫花が横になる。
「あ、あのッ…… 陸君ごめんなさい」
「あー、寝そうな海ちゃんに捕まったね、なかなか逃げられないよ姫花」
「だな…… まぁ姫花全然いいから気にすんな」
「陸もそう言ってるんだし気にしなくていいのよ? 陸の匂い嗅いでるとよく眠れるから」
「陸君の匂い……」
姫花は俺の枕に少し顔を深めにくっつけた。 なんか2人以外の女の子にそんな事されると少し恥ずかしい。
「あ! お化粧してたんだった……」
姫花は沈めていた顔を上げた。
「気にしなくていーよ! 海ちゃんなんか眠くて御構い無しになってるし」
「う、動けない……」
「あはは、姫花海ちゃんの抱き枕になっちゃったね。 そうなるとなかなか離してくれないから逃げられないって言ったのに」
「海ちゃん、私そろそろベッドから降りるよ」
「うるさい……」
「え!?」
海のいきなりのうるさいにビクッとして振り向こうとしたが後ろから脚までガッチリホールドされてるので動けない姫花。
「あー、海さ、寝るとそんな感じになるからさ。 おまけに寝起きも悪い」
「そうなるとお腹の上に何か落ちてくるとか衝撃与えないと途中で目覚まさないもんね」
「まぁ俺達どこにも行かないからそのまま姫花も仮眠してていいぞ?」
「で、出来るかな?」
そしてそのまま海に抱きつかれたまましばらく俺らはお喋りしてたが姫花はウトウトし始めて寝てしまった。 そして空はトイレに行き俺はシーンとした部屋にただ1人起きてる。
姫花を見るとまだ寝ている。 姫花の寝顔ってまじまじ見るの初めてだな。 頬に手を当ててみる。
「んんッ……」
起きたか? と思ったが気のせいだった。 姫花に髪の毛が顔に掛かっていたのではらおうと思った時姫花の目がパチッと開いて俺と俺の手を見てキョトンとしているが……
「………… え?」
「あ、髪の毛顔に掛かってたから」
「ひゃあッ、ご、ごめんなさい!」
「え? 何が?」
「あ…… えーと」
空が階段を上がってくる音が聞こえたので姫花はまた目を瞑ってしまった。 狸寝入りか……




