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カフェから出た後5分くらいして姫花の家に着いた。 あのカフェから本当に近いな。
「遠慮しないで入って?」
「まずは姫のママにお礼しないと」
律儀な海はそう言った。 俺達もお礼は言うからそんなブツブツとお礼の挨拶呟かなくてもいいのに。
「海ちゃんって本当そういうとこ真面目だよねぇ、りっくん。 さっきからずっと挨拶の練習してるよ」
「だな、まぁ海だからな」
そして玄関を開けると姫花の母さんが出迎えた。 1人だけ男の俺がいるから場違い感出ないかな? と思ったけどそんな事はなかった。 前もって姫花が言ったからだろう。
そして姫花は何故か俺達より早く二階の方へ上がって行った。 え? 置き去り? と思ったが程なくして戻ってきた。
「どうぞどうぞ、上がって行って」
「あ、あの! お料理の代金お支払いになって下さりありがとうございます。 後でお礼させていただくのでこの度は」
「あー、いいの。 姫花がこんなにお友達連れてくるの珍しいからこっちも弾んじゃった。 それに男の子もいるしね」
「どうも…… 今日は招いて頂いて」
「堅苦しい挨拶はいいからほら、姫花、お菓子用意したから持って行きなさい」
海にも俺にも被せ気味に言葉を返し姫花の母さんはテンション高く招いてくれた。
あんまりすんなりだったので海はあれこれ考えていたのでポカンとしていた。 そんな海を尻目に空は軽くご馳走になりましたという感じで挨拶をして入っていく。
「海、ボーッとしてないで行くぞ?」
「え? あ、うん」
姫花の後について行き姫花の部屋に着くとどうぞと言われ部屋に入った。 大掃除したというだけあってとても綺麗な部屋だった。
俺の部屋の押入れを見たらなんと言うだろうと考えてしまった。
「り、陸君、遠慮しないでね!」
「ああ」
海や空の家とは違い真っ先にベッドに行き腰掛けるなんて出来るわけもないので床にとりあえず座る。 いつも海と空の部屋をさも自分の部屋のようにしていたから感覚がおかしくなってるな……
「あれ? 陸緊張してる?」
「あたし達以外の部屋なんて滅多に行かないもんね?」
「いや、お前らがそう言って緊張を煽ってるんだろ? 俺は普通だよ」
すると部屋の片隅から物音が聞こえた。 その物音に俺達は反応するとシーツに隠された箱らしきものが……
ホラー映画を見ている俺はまさか…… とは思ったけどそんなわけはない。 俺らの反応を見た姫花は……
「ああ、バレちゃった。 じゃーん!」
姫花がシーツをめくると箱ではなくケージで中にはウサギがいた。
「ビックリさせようと思ってさっきシーツ被せておいたんだけど物音ですぐわかられちゃった」
海と空は目をパチクリさせてウサギをジッと見ていた。
「「可愛いーッ!」」
まるで目がハートマークになったように2人はウサギを見ている。
「ケージから出してみる? 触れるよ?」
「「出して!」」
2人は興奮してそう言った。 2人ともウサギ好きだからな。 姫花がウサギ飼ってるなんて今まで聞いた事なかったから俺もちょっとビックリだ。
「ふああッ…… 陸、この子超々可愛いよ!? 持って帰りたい」
「う、海ちゃん! 次あたしに抱っこさせて!」
2人は姫花のウサギにメロメロになっていた。
「姫花、この子名前は?」
「ええと…… ペドロ」
「「え?」」
仮にも姫花は女の子なのにどういうネーミングセンスしているんだろう…… もっと可愛らしい名前かと思った。
「私がつけたんじゃないよ!? お母さんが勝手に名前決めちゃったの! それでこの子はペドロ……」
「あはは…… 名前なんていいよ、可愛いから!ね? 空」
「う、うん! ペドロちゃんかぁ、慣れれば可愛いかも」
「陸君も抱っこしてみる? 凄く柔らかくて毛並みも柔らかくて触り心地いいの」
「ああ、それじゃあ……」
空の次にウサギのペドロを抱かせてもらった。 本当だ、なんていい毛並みで柔らかいんだ。
海と空が俺が抱いているペドロを2人で撫でる。 大人しいんだな、こいつ。 そう思っていると俺の腕からポロっとチョコボールのようなものが落ちた。 なんだこれ?
そう思ってよく見るとこれはチョコボールなどではなくう○ち……
「ああ! なんでこんなタイミングで…… り、陸君ごめん!」
姫花はペドロを抱き上げると俺の腕にはう○ちが2つ。
「あははッ、りっくんはトイレじゃないよペドロ」
「可愛いから仕方ないね陸」
「ご、ごめんなさい陸君」
「ああ…… まぁペドロに罪はないからな、海の言う通り仕方ないから気にすんなって」
そう言って姫花が抱き上げたペドロを俺も撫でた。 海も空も嬉しそうだし姫花も俺達を喜ばせようと思ってのサプライズだしいいか。




