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体育館に行くと思った通り部活が終わって片付けをしていた。 なんか中学での光景を思い出すなぁ。 まぁ空のだけど。
「あ! りっくん!」
俺の姿が見えた空は大きく俺に手を振った。 そして片付けの手が止まっていた空は後ろから部員にポカッと頭を叩かれる。
「あの子恥ずかしい」
海が手で顔を覆ってそう言った。
「なんか空ちゃんらしいね」
空は片付けをチャチャッと済ませ部活の終わりの号令が済むと一目散に俺の所へ来た。
「空、お疲れ様」
「お疲れ。 私達ちゃんと待ってるんだから余所見しないで集中しなさい」
「空ちゃんお疲れ様」
「えへへ、ありがと! 待っててくれてありがとね」
空は俺に猫のように顔を擦り付けて甘えてきた。 他の部員もいるってのに……
すると同じバレーボール部の部員らしき人が空に声を掛けてきた。
「この人が空の言ってた彼氏?」
大きい…… 空に話し掛けてきた女の子は俺と同じくらいの身長だ、流石バレーボール部。
「そうだよ! ちょっと訳ありであたしだけのりっくんじゃないけどあたしのりっくんなんだぁ」
空、お前日本語大丈夫か?
「なんかよくわかんないけど空の彼氏って事でいいんだね? 私は1年の安藤 美衣子「あんどう みいこ」、同級生だよね。 海ちゃんにそれに姫花ちゃんは知らない子いないわ。 凄く可愛くて有名だから。 空もだけど」
「あたしをついでみたいに言わないでよまったく!」
「それにしてもそんな3人ととても仲良さそうな空の彼氏ってどうなってんの?」
「ああ、俺は神城陸だ」
「うん、空から聞いたよ」
どうなってんの? って聞かれても俺もこいつらの事好きなんだけど、どういうわけか成立してどうなってるんだ? という感じだ。
「いろいろあってこうなったんだ」
「端折りすぎでしょ」
「簡単に言うと俺が3人のうち1人を決めれないからみんなで付き合うって事にしたんだ」
「つまり神城君はみんなから公認して三股してるのね? てかよくそんなの通ったわね…… しかもそこのお三方から。海ちゃんと空ちゃんは幼馴染って聞いてたからわからなくもないけど姫花ちゃんはそれでいいの?」
「うん、あまりその事でせっかく仲良くなれた海ちゃんと空ちゃんと拗れたくないし陸君にも無理言って付き合って欲しいって言ったから今はそれで満足なの」
「姫花ちゃんが無理して付き合うほど…… アッ! なんでもない! ははは」
そこまで言ってやめてももう何言いたいかわかったんですけど?
「海ちゃんと空ちゃんは幼馴染補正が掛かってるからアレだけど姫花ちゃんはなんで神城君の事好きなの?」
「え? 私?」
そう言われると姫花は俺の顔をチラッと見て少し赤くなった。
「陸君とは席が隣でよく話しててだんだんこの人と凄く私話しててドキドキするしなんていうか……」
「あー、むず痒くなってきちゃった! もういいよ、あははッ」
安藤がそう言うと姫花はホッとしたような顔になった。
「姫ったら陸にチョロいんだから」
「海ちゃんが言うとなんか変〜ッ! じゃあ帰ろっか?」
体育館から出て校門まで出ると姫花は立ち止まった。 あ、そうか。 姫花は帰りが違うんだった。
「私は方向違うから」
「そうだったね……」
ちょっと寂しそうな顔をしている姫化を見て海は少し考えていた。
「じゃあ姫、明日みんなで姫の家にでも遊びに行っていい? 行くよね陸?」
「え? 私の家に?」
「何よ? 嫌?」
「ううん! わかった、じゃあ明日ね!」
姫花は一転して嬉しそうな表情になり俺達と別れた。
「海ちゃんって凄く姫花と仲良くなったね?」
「そうかしら? 私は普通にしてるだけだけど?」
「海ちゃんって素直になれる相手だと一気に優しくなるもんね!」
「ああ、俺もそう思ってた。 海は優しいもんな」
「もう! 2人してやめてよ! まぁ歩み寄るって言ったしね」
海は俺に寄り掛かって恥ずかしがる表情を隠した。
「あ…… 私お化粧してたの忘れてた」
「あーあ、りっくんのブレザーにファンデーションが」
「別にはらえば落ちるだろ」
「陸と空が余計な事言うから……」
「あたしは部活始まったしすっぴんだからりっくんに顔スリスリしても問題なし! にししッ。 海ちゃんもすっぴんでも可愛いんだからお化粧やめたら?」
「私それほど思い切り良くないの! てか空汗かいてるんだから陸にベッタリするのやめなさい!」
そして空の部活終わりまで待っていて家に帰るともう18時を過ぎていた。
「りっくん! …… やっぱなんでもない!」
なんだ? そのまま空は家に帰った。なんか俺の家に後で来そうだな…… そう思い俺は家に入った。




