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昼休みが終わるので教室に戻ると新井と井上から「この裏切り者!」と罵倒される。 裏切るも何も…… まぁ不毛なのでやめておこう。



「あはは、神城君可哀想に。 新井君と井上君探してたのよ? 」


「どうせ海と空をだろ?」


「うふふッ、そうだけどね。 あの2人って結構海ちゃん空ちゃんに凄い執念だなって思うよ。 私も少し見習ってる」


「え!? 」


「なんてね…… でも神城君、はっきりさせてあげたら?」


「はっきりって?」


「…… ううん、それはそれで聞きたくないしってのもあるかもしれないけど。 なんでもない」



そして午後も滞りなく終わる。 空は明日からバレーボール部に入るので今日で早い時間に帰れるのは最後だ。 まぁテストが始まるから2週間後に部活は休みになるけど。



俺と海と空は教室を出て廊下で話をしていた。



「陸、さっき井上君に言われたんだけどテスト勉強しないか? って」



そうだった! すっかり忘れていた。 相変わらず行動力あるな。



「それあたしも新井君に言われたよ? 超迷惑なんですけど!」


「実は俺も佐々木に……」



サラッと流れで言ってみた。



「「はぁ?」」



この突き刺さるような2人の視線…… こうなると思った。



「なんで姫花まで!」


「ごめんね?」


「え?」



横から佐々木の声が聞こえた。 苦笑いをして佐々木はちょっと申し訳なさそうに立っていた。



「ひ、姫花……」


「え? 空?」



またしても空はたじろぐ。 そんな空に海も違和感を覚えているようだ。 佐々木はなんともなさそうなのにな。



なんかあのバスケの後から佐々木に対しての空の態度はやっぱり変だ、弱気というかなんていうか。



「空ちゃん」


「な、何よ?」


「やっぱり私がいると嫌?」



佐々木が空に詰め寄り空の手を握って少し悲しそうな顔をしていた。



「ちょッ、近いって! べ、別に嫌ってわけじゃ……」


「え? 空、なんで? どうしたの?」


「良かったぁ、嫌ってわけじゃないんだね? 私空ちゃんに嫌われちゃったかと思った」


「なんでそうなるのよ!? 嫌っちゃ嫌なのに……」



海が空を掴んで自分の方へ寄せた。 なんだか海が苛立っている、しかも空に対して。



「海ちゃん!」


「もう……」



空が海の後ろに隠れた。 そして佐々木を海越しから覗き見る。 なんか意味あるのかそれ?



「ええと…… これじゃ話が進まないね、私神城君に勉強会しよう?って誘ったら井上君に聞かれちゃってならみんなでみたいな空気になっちゃってさ」


「ああ、そういう事。 で? 佐々木さんはどうして陸にそんな事いうわけ? 陸には私が勉強教えようと思ったんだけど? 陸の親と空の親からも私そういうの任されてるの。 佐々木さんにそれが務まるの?」



海が佐々木を威圧するようにそう言った。 海がここまで言うなんて珍しい、多分空の変な態度が気になってこうなったら自分がと思っているんだろう。



「あの…… 海ちゃん怒ってる?」


「怒ってないよ? 佐々木さんの事がムカつくだけよ。 何も私達の事わかんないくせにポッと出の佐々木さんに私達の邪魔して欲しくないの」


「おい海、いくらなんでもそれはキツすぎだって」


「いいの、ごめん海ちゃん。 そうだね、私が無神経だったよね」


「そうよ、いい迷惑だわ。 本当イライラする」


「でも…… でも何もわからないのは私にわからせてくれようとしない海ちゃん達のせいじゃないかな?」


「はぁ!?」



急に場の雰囲気が重苦しくなる。 え? 売り言葉に買い言葉で喧嘩なんてやめてくれよ……



「私海ちゃん空ちゃん神城君と仲良くなりたいって思ったの。 私もあんまり自分から積極的に接するっていうのは得意じゃないの。 だからこうして思い切って誘ってみたの」


「本当にそれだけ? 何か他意があるんじゃなくて?」



海が冷たい表情で佐々木に問い掛ける。 こんなに冷たい顔している海は見た事なくて俺も少し怖かった。



佐々木はそんな海の問いに唇を噛み言い辛そうな顔をしていた。



「…… ご、ごめん。 なんかまた私変な空気にしちゃったね。 本当にそんなつもりないのに、 今日はこの辺で私帰るね? なんか今は私邪魔みたいだし。 でも勉強会したいってのは本当だから、考えてて欲しい。 じゃあまた明日」



そう言って佐々木は走って俺達から去っていく。



「おい佐々木!」


「陸ダメッ!! 追いかけたら陸でも許さないんだからッ!」


「え? 海……お前なんで?」



海を見ると空の肩を掴んで大粒の涙を流して追いかけようとした俺を睨んでいた。


「海ちゃん……」


「嫌だよ、陸は私達の味方してよ! 空だって変になってるんだよ!?」


「あ…… ごめん、海……」



泣いている海に俺はそんな言葉しかかけてやれなかった。






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