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「お前ら健斗兄さんが居たくせに素直に退いてったよな」
「だってだってあの花蓮さんって人怖すぎなんだもん」
「えりなさんよくあんなのがいて健斗兄貴と無事付き合えたわよね。花蓮さん普通に健斗兄貴の事好きじゃん」
「だからえりなさん大変だったって言ってたんだね! その点あたし達は仲良しだからいいよねぇりっくん!」
「え? 仲良いはいいけどそれでいいのかな?」
「私と空公認なんだからいいのよ」
そして夕方になり水族館にあるレストランで夕飯を食べる事にする。 俺お金ろくにないってのに。
「なんか高そうだなぁ。 他のとこで食べた方がよくないか?」
「心配ご無用、りっくんパパからお小遣いちゃんと貰ってるの」
空は自慢気に財布からお金を取り出すと1万円札があった。 俺に渡さず空に渡すとは……
「これで美味しいものでも食べなさいって! りっくんパパ太っ腹」
「だからお金は心配しなくていいのよ陸」
「まぁいいわ、それならパァーッと食べようぜ?」
レストランに入るとあんまり人は居ない。まぁ水族館とかこういう所のレストランってこういうもんだよなって感じでなんか中途半端な感じの店内とやけに高めな値段設定。
だけどメニューを見てたらお腹がかなり減ってきた。俺はパエリア、海はグラタン、空はシーフードパスタにした。すると最初に空の料理がやってきた。
「美味しそう! 最初に食べてていい?」
「ああ、食べてろよ」
「ん〜、おいひ! りっくんと海ちゃんも一口どうぞ?」
空はフォークにクルクルとパスタを巻きまず俺に差し出した。 どうせ空の事だから俺や海のも来たらちょうだいと言いそうなので遠慮せず食べてみた。 うん、なかなか美味しい。
「はい、海ちゃん」
「ありがと、 いただきます。 …… うん、美味しいね!」
そうこうしていると俺のパエリアも来た。 パエリア結構好きであると注文してしまう。
「りっくん、あたしにもちょうだい?」
「言うと思った。 ほらよ」
スプーンに一口すくい空の口に運ぶ。
「海も食べるよな? ほら」
「ありがと。 私のも来たら陸と空にあげるね。 陸ってパエリア好きだよね。 後で作ってあげようか?」
「本当か? じゃあお願いするわ。 海が作れば美味しいのは間違いなしだな」
「あー! あたしもその時お手伝いする! あたしだって美味しく作ってみせるから!」
「フフッ、じゃあ空、一緒に作ろうね」
そして海のもようやく来て全員でシェアしながら食べた。 海と空はお喋りしながらゆっくり食べてたのでお腹いっぱいにすぐなったのか2人から大分貰い全部食べ終わる頃には苦しくなった。
「お土産も買ったしじゃあそろそろ帰ろっか?」
「そうね。 陸パパに電話するね」
「お前ら俺の親を自分の親みたいに遠慮なく使うよな」
「あははッ、そうだね」
そして電話し終わると空が水族館の前で写真を撮ろうと言ってきた。 俺と海、俺と空、海と空の順に写真を撮る。 やっぱこいつら2人って写真写りいいよな、実際見た目もいいし。
「撮った写真のあたし達ボーッと眺めてどうしたの? やっぱりあたし達可愛いって?」
「自分で言うなよ…… まぁでも可愛いよな」
「陸は…… うふふッ、なんか眠そうな顔してるね」
「海こそ大体眠そうな顔してるだろ」
そういえば健斗兄さん達の姿も見えないな、もう流石に帰ったろうな。
「陸キョロキョロしちゃって健斗兄貴達探してるでしょ? もう帰ったんじゃない?」
「健斗君とえりなさんだけだったら良かったのにねぇ。 あたし花蓮さん苦手」
「お前ら2人してアイアンクロー食らってたもんな」
「凄い力で痛かったんだから! りっくん撫で撫でしてぇ」
頭突きされるんじゃないかって勢いで空が頭を俺に近付けた。 撫でるまで引き下がらなそうなのでわしゃわしゃと撫でた。
「わぁ、りっくん雑〜! 髪の毛ぐしゃぐしゃ。 まぁ後は帰るしいいけど」
「私の頭も撫でて?」
そんな様子を見てて海も撫でて欲しくなったようなので空と同じように撫でる。
「やっぱ髪の毛ぐしゃぐしゃにされた……」
2人とも頭に手をやりササッと髪型を直していると父さんが迎えに来た。 帰りは空いていたのか意外と早かった。
「今日は凄く楽しかったね! いい思い出になった!」
「うん、楽しかった。 まだ初日だし明日は朝から陸の家にお邪魔しようかな」
「ゆっくり寝てようと思ったのに……」
そしてGW初日はあっという間に終わった。




