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そして幾日か過ぎGWがやって来た。 よし! これで徹夜でゲームやっても大丈夫だ! 去年みたいに家族ぐるみでどこか行こうというのも今年はないようだし。
海も空も今日は不意打ちで来ないので朝食を摂る事も忘れ起きた頃には11時半を過ぎていた。
なんかこの時間に起きると眠気が全然覚めないな。 お昼食べるのも少し面倒だしゲーム起動させるのも面倒。 ていうかベッドから起き上がりたくない。
俺はベッドのすぐ下にあった携帯ゲーム機を手に取りとりあえず起動させた。 とりあえずこれでもやっとくか。 そして何十分かやっていると下から母さんの声が聞こえた。 どうやら昼飯が出来たみたいだ。
ゲームの電源を切り背伸びをしてベッドから起き上がる。 だるいなぁ。
下に降り母さんが作った昼飯を父さんと3人で食べていると……
「陸だらけ過ぎよ? 休みになったからって」
「海も空も来ないしな。 たまにはゆっくりでいいだろ?」
「まったく海ちゃんと空ちゃんが来ないと陸はすぐだらしなくなるもんなぁ。 そうそう、昼飯食ったら出掛けるぞ?」
「出掛ける? どこに?」
「海ちゃんと空ちゃん連れて水族館だ」
「え? 俺何も聞いてないんだけど?」
「言ってもどうせ寝坊するし忘れるからって海ちゃんと空ちゃんが言ってたからな。 よくわかってるよな、 ハハハッ!」
ハハハッ! じゃねぇよ…… まぁ確かにその通りだけど。 なるほど、今日朝っぱらから海と空が来なかったのはそれの準備してるからか。
「父さんも一緒に見て回るの?」
「そんな事したら海ちゃんと空ちゃんに悪いだろうが。 送ったら帰るから陸達が帰る時連絡くれれば迎えに行くよ」
「だらしない陸なんかに構ってくれる可愛い女の子とデートなんて恵まれてるんだから行って来なさい」
まったく…… 俺の知らない所で勝手に話進めやがって。 寝て過ごそうかと思っても海と空にかかったらそうは行かないんだな。
部屋に戻り着替えを済ませると下から車のエンジンがかかる音が聞こえた。 早いな、もう海と空が来たのか? エンジンの音に急かされ下に降り玄関を開けると予想通り海と空が居た。
「りっくんやっと来た!」
「陸、いきなりでビックリしたでしょ? サプライズ」
「サプライズって…… お前らが行きたかっただけだろ?」
「こら陸、海ちゃんと空ちゃんに一生分の女運使ってるんだからありがたく行ってこい」
「やだ、りっくんパパってば!」
車に乗り水族館までの道のりはGWだけあって混んでいた。 そして車の中、後ろの席で当然のように両隣は海と空だ。助手席には誰もいない。 父さんも母さん乗せてくれば良かったのにな。 てか渋滞で眠いわ……
「陸、眠いの?」
「ん? ああ」
「じゃあ私の肩に寄りかかっていいよ?」
「ズルい! りっくん、寄りかかるならあたしにして」
父さんだっているのにこいつらのノリは全然普段と変わらない……
「ハハッ、陸を取り合うなんて本当に2人は陸と仲良いいなぁ。こうなると2人ともうちの陸の嫁に欲しいくらいだ」
「陸のお嫁さん…… ふ、ふふ、ふへへ」
海からなんか変な笑いが出ている。 父さんやめろよ、今こいつらにそんな事言うと歯止めが効かなくなる。
「りっくんパパ任せてよ! あたしがちゃんとりっくんの面倒見るから!」
「何言ってるの? 空じゃ頼りないわ。 陸パパ、私の方が向いていると思うの」
「へ!? う、うん、2人とも陸の事しっかり頼むよ……」
一瞬で父さんはマズい事を言ったと察知し無難な返答をする。
「りっくんパパの公認だし遠慮しないでね! りっくん」
「そうよ陸、よかったね」
よかったねじゃねぇ、父さんもしっかりしろよな。
「なんだか前より仲良くなってる気がするけど2人とも陸と何かあったのかい?」
「いや、前からこんな感じだから気にするなって! それよりまだかかるの?」
この前キスしましたなんて言いそうだからこの話はこれで終わりだ。
「今日は本当に道路混んでるなぁ、あと30分はかかるんじゃないか?」
「マジか……」
「いいじゃない陸、眠かったら遠慮なく寝ていいのよ?」
「え? あ、はい……」
「みんなでドライブ楽しいじゃん! りっくん」
「そ、そうだな!」
またぶり返しそうなので眠かった事は忘れるしかない。




