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「なんか新井可哀想だったな」
「いいの新井君は! いろいろしてくれるのはありがたいし嬉しいけどさ」
帰り道、俺らは学校の近くのカフェに寄っていた。
「なんか辛い物食べたら無性に甘いもの食べたくなっちゃった! あたしカプチーノにシフォンケーキにしよっと」
「私はダイエット中だから…… コーヒーだけでいいや」
「ふーん、やっぱり海ちゃん太ったの?」
「太ってません! ただそんな気分なだけよ」
「海ちゃん今日凄い絡まれてたもんね、髪型変えただけで凄いなぁ、人気者!」
「別にそうなりたくて切ったわけじゃないし陸にウケが良ければそれでいい」
実際海は今日いっぱい男子に絡まれて迷惑そうにしてたもんな。 普段からちょくちょく絡まれてはいたけど。
「陸は何にするの? 」
「んー、俺はガレットにするわ」
「夕飯前なのに…… 太るよ陸?」
「さっきから海ちゃん体重の事気にしてるけど怪しいなぁ、白状しなさい!」
空があまりにしつこいので海は溜め息を吐いて仕方なく答える。
「空しつこい!52キロよ! 2キロ太ったの!これで満足!?」
「えーと、海ちゃん身長165㎝でしょ? まぁ平均くらいなのかな、普通じゃない? あたしは50キロだけど」
空は身長167㎝でほんのちょっと海より身長が高いくらいだ。 てか海が怒るからあんまり煽るような事言わない方が……
「空は運動やってるから食べても太らないからいいわよねぇ、私も勉強に頭使ってカロリー消費してるつもりだったのに」
「海ちゃんその胸もっと小さくすれば体重も減るよ、あはは」
「でも見た目太った感じしないからいいんじゃないか?」
「お腹…… ううん! そうね」
「海ちゃんあたしと一緒に体でも鍛えてみる?」
「え、遠慮しとく!」
そして注文したケーキや俺のガレットが来た。 海だけ何も食べないのはなんか可哀想なので俺のもあげよう。 ダイエット中で余計なお世話だと思うけど。
「わあ、美味しそう、それに大きい! 海ちゃんにもあげる。 はい、あーん」
「私の話聞いてた? ダイエット中なんだけど?」
「だって海ちゃんだけ食べないなんて可哀想だしさ」
空も俺と同じ考えだったようで先を越された。 そう言われたので海は空のシフォンケーキを一口食べた。
「美味しい。 まぁ…… ありがとう空」
「ううん、どういたしまして!」
「海、俺のも食べる? 俺も海にあげようと思ってたんだけど」
「それだと頼まなかった意味ないんだけどな…… でもいっか、陸のだし」
「じゃあみんなでシェアすればそんなに食べなくて済むね! そうしよう」
「空、お前も食べたいだけだろ?」
「あはは、バレちゃった」
結局みんな同じくらい食べたので海も抜いた意味がなくなってしまったけど本人もどうでもよくなったようなので仲良く3人で食べた。
「そういえばこうしてて思い出したけど危なく新井君と井上君に間接キスしちゃうところだったね! りっくんに怒られるから海ちゃんがりっくんに食べかけの渡してホッとしたよぉ」
「いや、怒りはしないけど」
「それで怒られた方が空には陸の彼女っぽくて良かったって事よ陸」
「いやん、海ちゃん照れる事言わないで」
別にあまり気にしないけどな、間接キスにはなるんじゃないかと思ったけど海と空が気にしなければ新井と井上が別に狙ってたとしても。 ただあんなにあからさまに俺が食べた後はいらないってなると多少はムカつきもするけどな。
「まぁ間接キスはりっくんとよくしてるもんねぇあたし達」
「普通に何度もしてるわね。 ねぇ陸、私達とキスしてみない?」
「え?」
いきなりそんな事言われても…… ていうかその為にこの話題出したな。
「大丈夫だよ、りっくん。 キスしたって子供出来るわけじゃないし、あたしと海ちゃんとりっくんの仲ならキスくらいしたって何も問題ないと思うの」
「そ、そうなのかな」
「そうだよ陸、キスくらいどうって事ないわ。 陸の意気地なし」
なんかいろいろ言われてカフェを後にし家に帰る道の途中……
「りっくん、お手本見せてあげるよ! 海ちゃん、お願い」
「…… そうね、空ならいいよ」
「お手本って?」
海と空はお互い向き合って空は海の腰に手を回した。 まさか…… 海と空でキスするのか!?
「海ちゃん少し赤くなってるよ? 可愛い」
「そ、空こそ…… んむぅッ」
空は海の口を塞ぎそんな空に海も次第に身を委ねる。 なんだろう、百合カップルの見てはいけないものを見ている気分だ……
そしてどれくらいキスをしていたんだろう? やけに長く感じた。 俺は女同士で濃厚なキスをしているのを生で見て硬直していた。 幸いな事に人は通らなかった。
「ふぁッ、海ちゃんの口の中甘い」
「空だって。結局ケーキ最後に食べたもんね…… どう? 陸、こんな風に私達としてみない? 陸と私と空で」
キスした後の2人は何かのスイッチでも入ったかのように妖艶さを纏っていた。




