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昼休み、弁当を忘れた空が学食に行こうと提案したが予想外の人混みにパンが買えるか不安の中新井が空のパンを自分が買ってくるという事になったが……



「こ、これって……」


「え?」



新井が空に手渡したパンを見ると新井がやっちまったという顔をしていた。 そりゃあデスソースパンなんてな。 てか学校の学食のパンでよくこんなの売ってるよな。



「す、すまん! 買うのに精一杯で種類とか……」


「あ、あはは、あの中じゃそうなるよね……」


「悪い! もう1度行ってくるよ」


「待って! 流石にもういいよ、あたしこれでいいから」


「え、でも……」



戸惑う新井だが流石にまたあの中に戻らせるのも可哀想だと思ったんだろう。 なんだか空は罰ゲームみたいなパンになってしまったけど空が食べられなかったら俺の弁当あげればいいしな。



「空、それ食べられなかったら俺の弁当食べていいからな?」


「ごめんねりっくん。 ありがとう」


「星野、なんかごめん……」


「いいっていいって。 せっかくあんな中で買って来てもらったんだから食べなきゃね!」




そして空いているテーブルに俺達は座った。 両隣に海と空が座って海と空の向かいには新井と井上、そして俺の向かいには誰もいないという……



まぁ海と空が居なかったら俺と関わり合いになる事もなかったかもしれない2人だからしょうがないか。



そして空がパンを開けるとツンとした匂いがしたのかパンをクンクンと嗅いでいる。 空は辛いのは大丈夫だけどそれは人並みなのでデスソースとかは微妙そうだ。



そして小さく一口食べようとすると何故かみんなの視線が空の口元に行く。 特に新井の視線が……



「ちょ、ちょっとぉ…… そんなに見られると食べ辛いよ」


「だって空がそれ食べれるのか気になっちゃって。ね? 陸」


「え? ああ」


「なんか罰ゲームみたいに感じるからやめてよ、なんてことないって」



なんてことないと言いながらやっぱり怖いのか空はほんの少し口に入れた。 そして数秒、大丈夫だったのかもう一口さっきより大きく口に入れる。



もう一口と口に運び大丈夫なんだなとみんな安心したように弁当を開け始めると空が俺の袖をクイッと引っ張った。 すると空は目でもう無理と訴えていた。 やせ我慢してたな、やっぱ辛かったんじゃねぇか……



「空、それ俺に寄越せよ? 俺の弁当食べていいから」


「りっくん、ごめんなさい……」



そんな俺と空に申し訳なさそうな顔をしている新井だが揉みくちゃになってまで買ってきた新井に罪はないので仕方ない。



「空、私にも食べさせて?」


「え? 海ちゃん大丈夫?」


「うん」



どれほど辛いか海が気になったのか空からパンを受け取り一口食べた。



「か、かりゃいしいひゃい……」



ちゃんと喋れ海…… てかやっぱりそんなに辛いのかよ?



「神城じゃなくて俺の弁当食べていいからさ、それ俺が貰うよ」


「いいや、俺辛いの大丈夫だし俺が」



海が食べ終わると途端に新井と井上が俺が俺がと言ってきた。 もしやこいつら間接キスを狙っているのでは? まぁ俺もその2人からそう思われてるかもしれないけど……



海もそれに気付いたのか陸に食べてもらうねと俺に渡された。 なんかやだ…… 新井と井上の眼差しが痛くて。



面倒なので海と空が食べ掛けた所を最初に食べてしまおうと思って一口食べると辛い、半端なく辛い。 辛くて汗が出てくる。



「りっくん凄い汗だよ? 大丈夫?」



海と空が心配そうに俺の顔を覗き込む。 そして流れ出る汗を2人に両サイドから拭かれる。 そんな様子を白けたように見る新井と井上、結局俺が罰ゲームじゃねぇか。



「新井、井上食うか?」


「いや、お前のその様子見てたらやっぱいいや」


「お、俺も遠慮しとく」



この野郎…… やっぱり海と空の間接キス狙いだったか。魂胆見え見えだ。 そして俺が食べたからもうこのパンには用済みと。



「ハンカチ足りないや…… 陸、汗が滝のようだよ? 私のあげるからもうやめたら?」


「そうだよりっくん、あたしもうお腹いっぱいだから」



空は俺の額に手を当てた。 ひんやりした空の手が俺の熱を少し冷ます。 その光景を見ていた2人は……



「神城、やっぱ俺食べてやるよ。 持ってきたの俺だしな」


「え?」


「りっくん、そうしなよ? 新井君がそう言ってるんだし」


「ごめん、頼むわ新井……」



またしても新井の魂胆は丸見えだけどもうこれ以上食べられないので残りを渡した。 俺と同じように汗まみれになっていたがそんな新井に空は「大丈夫?」と心配してはいるものの手で新井を扇いでいるくらいだったので新井は食べ切りすっかり口がヒィヒィいっていた。



俺は心の中で新井お疲れ様と呟いた。



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