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体育館に着くと空がこちらに向かってきた。


「りっくん、海ちゃん! 」



空が俺に向かって抱きつく。



「こら、空! 汗まみれで陸にくっつかない! ほら、タオル」


「あ、えへへ。 そうでした、ごめんねりっくん」


「別にいいよ」



海からタオルを受け取り空は汗を拭いた。



「あらぁ、なんだか前よりも違う意味で仲良くなったんじゃないの?」



大沢さんがニヤニヤとしてさっそく抱きついてきた事につっこんできた。 まぁそりゃそうなるわな。



「はい! あたしと海ちゃんりっくんの女の子なんで」


「え? 空ちゃんだけじゃなくて海ちゃんも? 確かに3人とも前から異常なくらい仲良かったけどそこまで?」



空のおかしな発言に大沢さんはクエスチョンマークが顔に出ている。 当たり前だ、海と空公認で両方と付き合ってますみたいな事言ってるんだし。



そして今度は怪訝な眼差しで俺を見てきた。 差し詰め俺はそんな海と空を弄ぶ彼氏みたいな眼差しで……



「陸君、海ちゃんと空ちゃんとどっちが好きなの?」



そんな大沢さんの問いに海と空はこちらを向きジッと俺を見つめる、そして大沢さんも。



「ど、どっちも甲乙付け難いというか俺にはどっちももったいないというか……」


「り、陸は私達の事ちゃんと考えててくれるもんね!」



海が大沢さんを遮り俺をフォローした。



「うーん、確かに結構人見知りする海ちゃんがここまでべったりイチャイチャ出来るの陸君くらいだもんねぇ」



まぁ海は小学生の頃はそうでもなかったけど歳を重ねるごとにそんな風になっていったしなぁ、俺と接している時はまったく人見知りそうな感じはしないしむしろ積極的だけど。



「そうなると空ちゃんは海ちゃんにとって目の上のたんこぶみたいなもんだと思うけどやっぱり古い付き合いだからそういう場面でもそんな事ないのかしら?」


「大沢さん! 酷い! あたしが海ちゃんの目の上のたんこぶなんて」


「あはは、ごめんごめん。 私が海ちゃんだったら空ちゃんは強敵だなぁって」


「あたし海ちゃんの事だって大好きなんだから海ちゃんの敵じゃないです、むしろ海ちゃんの味方だもん! ね! 海ちゃん」


「うん、空はバカだけど私も空のそんな所大好きだよ」


「海ちゃんまで酷い! あたし褒められてるのか貶されてるのかわかんないじゃん」



なんか女の子同士で勝手に盛り上がってきた。 俺はいつ地雷を踏むかわからないので少し離れる。 そういえば体育館に着いた途端少し眠くなってきた。












_________________________________________










海ちゃんや大沢さんと話をしていたんだけど…… あれ? りっくんはどこいったんだろうと体育館を見渡すと。 居た! って…… え? りっくん寝てるの?



「海ちゃん、りっくんあそこで寝てるんだけど?」


「え? ああ。 陸ったら朝方までゲームしてたみたいで。 もう…… 」


「えー、あたしのとこに来てくれたのに寝ちゃうなんてしょうがないなぁ、りっくんは」



寝ているりっくんに近付き呑気な顔してグーグー寝てるりっくんの頬っぺたを指で突くと煩わしそうに手で振り払われた。



まったく。 せっかくりっくんに見てもらいたかったのに。でも可愛いなぁ、りっくんの寝顔。



「わぁ、空ちゃんが乙女な顔してる」


「へ? って大沢さんか。 なんですかぁ? あたしが乙女な顔してるの似合わないんですか?」


「ううん、空ちゃんもともと可愛いのにそんな顔しちゃうともっと可愛いなって」



え? あたし今どんな顔してるんだろ? でも可愛いって言われても世の中広くて姫花の方がもっと可愛い…… 自信無くしちゃうよ。



「ん? 浮かない顔ね、さては恋のライバルでも居る? あの感じだと海ちゃんではないでしょ? 新しい高校の同級生とか!?」


「…………」


「え? 図星?」


「…… はい、その子あたしなんかよりとっても可愛くて」


「んー、空ちゃんらしくないわねぇ。 空ちゃんとっても可愛いのに。 ここのバレーボールのチームでもみんな空ちゃんの事可愛いって言ってるのよ? まぁおじさんとかにそう言われても嬉しくないだろうけどね」



あたしだって海ちゃんみたいに不安に思う事もあるんだよ? でもそんなのあたしらしくないよねぇ…… うん! 前向きに考えなきゃ、あたしだってモテてるんだしそれなりに可愛い! と言い聞かせてコートに戻る。



そして一通り練習してお昼になるとりっくんは相変わらず爆睡中。 ここでこんなにグッスリ寝れるりっくんある意味凄いや。



「空お疲れ様。 お団子買ってきたんだけど食べる?」


「海ちゃん気が利く! ありがとッ」


「ほら、陸も起きて」



海ちゃんがりっくんの肩を揺らすが相変わらずあたしと同じようにりっくんは煩わしそうにうーんと唸りなかなか起きそうにない。



「陸ったら…… あ、空。 陸の口に触れれば起きるよ? やってみる?」



え? 海ちゃんりっくんにキスして起こしてるの!? あたしに黙って? ズルい! 抜け駆けじゃん! あたしはそう思ってりっくんの唇に自分の唇を近付ける。



「ち、違う空! そうじゃない」



海ちゃんは慌てて止めようとするけどこれ以外どうやって唇に触れてるの? するとあたしの唇が触れようとした時りっくんの目がパチッと開いた。



「う、うわぁ!? そ、空!? 何してんだ?」


「え…… あ、だってこうすると起きるって海ちゃんが……」


「だから違うの。 指で陸の口に触れればビックリして起きるって事」



海ちゃんが溜め息混じりにそう言った。な、なんだ…… そういう事か。 りっくんは呆気に取られたような顔をしてあたしを見ていた。




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