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「さて来週からテストなんだし陸に誕生日プレゼントも早めに渡した事だしこれで勉強に集中出来るわよね? 特に空!」
「うはぁい…… りっくん逃げたいよぉ〜、とりあえずゲームして気分転換してから」
「ゲームするなら没収します。 陸を使って逃げるのも禁止!」
誕生日プレゼントを買ってもらった次の日は海は待ってましたと言わんばかりにテスト勉強を始める。
「あ、あたし用事出来ちゃったんだぁ、また後で来るね!」
「空ズルいぞ! 俺も一緒に手伝ってやるよ」
「待ちなさい2人とも!」
海が部屋のドアの前に立って進路を塞ぐ。
「そんな小学生みたいな言い訳して逃げれると思ってるの? 姫が見たらどう思うでしょうねぇ?」
「なんでそこで姫花が出てくるんだよ?」
「空が居ると教えるのに手こずるから特別に呼んだの。 陸が見惚れるからこういう時はあまり呼びたくなかったけど!」
海が刺すような視線で俺を見る。 俺は苦笑いしながら後ずさるとムニュッとした感触が……
「あんッ!りっくんのエッチ!」
後ろに居た空の胸に手を置いてしまったらしい……
「りっくんもっと触って良いよぉ〜!」
空が俺の手を掴んで更に胸に当てる。 すると海のゲンコツが俺と空に飛んできた。 何気に痛い……
「い、いったぁ〜いッ! な、何今の!? まったく手加減なしだったよ」
「そりゃお前が悪いぞ空……」
「陸もね! またゲンコツされたくなかったら元の場所に戻って!」
「こ、怖い海ちゃん…… りっくんと取っ組みかかってた頃の海ちゃんみたい」
「空のお陰で俺まで飛んだとばっちりだよ……」
そして空も観念して勉強を始める。 海は空に集中的に教えていた…… が海の様子がなんか変だ。
「空…… やれば出来るじゃない。 ちゃんとすれば頭は悪くないと思ってたけど。 むしろ陸より出来てる…… 」
「えへん! 空ちゃんの実力思い知ったか海ちゃん!?」
空は得意な顔をして胸を張る。 マジかよ? 俺いつも図書室で海と姫花に勉強見てもらったのに部活していた空に勉強で負けた?
「ちょっと見せてみろ」
俺は空の問題用紙を海から奪い取る。 本当だ…… いつの間に空は勉強してたんだ?
「うしし、りっくん現実をしっかり受け止めなよ。 鬼教師の海ちゃんよりあたしが優しく愛情込めてしっかりくりっくんに教えてあげようか?」
「空、調子に乗らないの! たまたまかもしれないのに」
「もう、海ちゃんもあたしの実力信じてないなぁ?」
その後も海は空の勉強をいろいろ見ていたがやはりいつの間にか空は俺よりも勉強が出来るようになっていた。
「うーん、急にどうした事かしら? 空がこんなに出来る子になっちゃうなんて」
「あー! 酷い! 人が出来ないとガミガミ怒るくせに出来た途端そんな事言うなんて!」
「て言ってもねぇ…… 本当に不思議 」
海は空の問題用紙を見つめて黙り込む。
「あたしが頭が良いとわかった所でりっくんイチャイチャしよう!」
そう言って俺に擦り寄る空を海は制止した。
「頭が良いって言ってもまだ陸とドングリの背比べよ! 陸レベルなんて私からしたら恥ずかしいの。 ここから練り上げる余地はまだまだあるわ!」
「ひええ…… これでもダメだなんて」
「俺もついでにダメ出しされたぞ」
空が思ったより出来るようで海のやる気スイッチが入ったのか更に熱を込めて勉強に乗り出した。 そんな時姫花がようやく家に来た。
「ひ、姫花ぁ〜! これほど姫花を待ち望んだ時ないわ、あたしとりっくんを海ちゃんから助けて!」
「ええ!? どうかしたの? 」
「あら姫、空の口車に乗ったらダメよ? 逃げる気なんだから」
「ええと私どうしたら…… あ! お菓子買って来たんだ、良かったら休憩してみんなで食べない?」
「海ちゃん、姫花もこう言ってるんだしさ」
「はぁ〜、姫ったら甘いんだから。 んー、そうね。 頭使ってたからカロリー消費したし。 姫がせっかく買って来てくれたんなら頂こうかな」
「やったぁ! りっくん助かったね!」
バカ、余計な事言うな空…… そんな事言ったらまた海が勉強言い出すだろが。
チラッと海を見ると笑顔で空を見ている。 これは食べた後みっちりと空をしごき上げるコースだろう。




