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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

N〇R勇者に僕はなる。

俺の名前はルーツという。

俺には婚約者がいる、名前は今は省いてもいいだろう。

婚約者は俺の幼馴染というやつだ。同じ町で生まれ家も近所ということだけ

あって幼いころからずっと一緒だった。そのせいで親同士が俺と婚約者の

間をもち婚約という形にしやがった。

婚約者に対してなぜこのような評価をしているかって?

俺だって最近まではそんな風には思っていなかった。だけど今隣から

聞こえてくる声を聴いてしまったらそうならざるを得ないだろう。


この不規則に声を荒げている声を聴いてしまったら。


俺の国には最近魔王とかいうやつが復活した。

こいつはある一定の周期で復活するやつでそのたびにこことは違う世界の

やつを勇者としてよんで討伐するのを手伝ってもらうのだ。

そして今元婚約者の幼馴染の相手をしているのもその件のやつだ。


事の始まりは約1年前、魔王の復活が確認されてそれに伴って勇者が違う

世界から召喚された。勇者が召喚されるとそれに伴い資格ある者たちが

この世界の神から選出され戦う力スキルをもらうことができる。

そして俺の元婚約者は聖女に選ばれた。

初めは町が総出で喜んだ。当然だ、なんせ何の変哲もない町から聖女なんて

とてつもない存在が生まれたのだから。当然俺も喜んだし誇りに思った。

なんせ自分の婚約者が聖女として選ばれてこれから世界を救うのだ

誇りに思わないわけがない。しかし、町に迎えに来た勇者を一目見たとき

いや勇者に婚約者と俺が紹介された時に俺は本能的に気づいた、

いや気づかされた勇者と婚約者を一緒にさせてはいけないと。

なんせ勇者は聖女が婚約者である俺が紹介されると明らかに雰囲気を

変えたのだ。その雰囲気はなんとあらわしていいかわからないが、

とにかくやばいものであることは分かった。

だから俺はすぐさま勇者が婚約者を旅に連れて行こうとしたときに

自分も連れて行ってくれないかと願い出た。

その時の俺は必至だった。このままいかせてしまっては取り返しのつかない

ことになるそう思ったからだ。俺は幸いそこそこ腕が立つだからそこを

勇者に売り込んで同行の許可を取ろうとした。

勇者はこれから危険な旅が始まるそんな旅に実力もわからないやつを

連れていけない。そこで自分に力を証明できれば同行を認めるとのこ

とだった。俺はすぐに勝負を受け入れ戦いを始めた、しかしそれがだめだった

いくら焦っていたとはいえ今自分が身に着けているのは自分が持つ

最低限の装備だった。それでも最近この世界に来たばかりの奴に負けるはず

がないと高をくくっていた。結果は惨敗ものの見事に俺は地面に寝かされる

ことになった。勇者は俺の短慮なところを指摘してそんな先のことを

見透かせない奴は連れていけないと同行を拒否されそこで戦闘のダメージ

ゆえに三日寝込んでしまった。その間に勇者は旅だってしまっていた

思えばこの時だったのだろう婚約者に見限られていたのは、俺はそうとも

知らず特訓が始まった。最初は手紙を送ろうかとも考えたが勇者の

意向でメンバーの心の迷いや情報の洩れなどを防ぐということから禁止

されていた。それは婚約者である俺も同じであった。

だから俺は己を鍛えることにしたなんでも勇者は約一年後ここに戻ってきて

家族などに連絡を取れないというストレスを見越し聖女を里帰りさせて

心のケアをしてもらうために戻ってくるそうだ。そこで成長した俺を見て

もらい今度こそ同行を認めてもらおうと考えたのだ。

そこから俺は強くなるためにありとあらゆることをした。

町にあるギルドでどんどん討伐依頼を受けながら己の腕を磨き、

勇者の旅に同行するのだから貴族と会うことにもなるだろうから

依頼の関係で親しくなった領主に礼儀作法も勉強させてもらった。

そして一年と三か月後勇者がこの町を訪れた。しかしそこに現れたのは

勇者と勇者を囲う美少女達であった。もちろんその中には聖女たる

婚約者の姿があった。俺は勇者がなぜあんな美少女達に囲われているのか

理解できずにいるとある話が聞こえてきた。


「おい聞いたかあの話?」

「あの話ってえと勇者の嫁さんの話かい?」

「ああそうだぜ。なんでも勇者様今いるパーティメンバー全員と

 婚約するみたいだぜ。」

「まじかよ!あれ、でも聖女様には婚約者がいたよな?」

「そんなの解消に決まってんだろ。その婚約者なんて所詮平民だぜ?

 魔王を倒した暁には貴族それも侯爵の地位が約束されている勇者様と

 比べちまったらそちらを切るのもあたりまえだろ?」

「そりゃかわいそうだ。だけどこうなるのも運命だったんだろうな

 なんせ聖女様だもんな。それに見合うのなんて勇者くらいだもんな。」

「ちげーねーや」

「俺らもかみさんに逃げられないように頑張るか。」

「ああそうだな!」


話元の男たちが消え勇者たちを囲っていた人だかりもいなくなったが

おれはその場で棒立ちになっていた。

それからどれくらい経ったかわからないがあたりが暗くなったあたりで

正気に戻り事の真相を聞きに行こうと勇者の泊まる領主の屋敷に

急いだ。俺が勇者に合わせてくれと領主の屋敷の門番に伝えると

門番は少し顔をゆがめて俺をある部屋に通してくれた。

そしてそこで聖女の、婚約者の息も絶え絶えの声を聴かされる事になった。


俺は気が付いたらいつも自分が寝ている宿の部屋のベッドで寝ていた。

どうやって戻ってきたかは覚えていない。しかし、勇者と婚約者の

関係は確定してしまった。

俺はどうしていいのかわからずにいた。

今までは勇者のため聖女たる婚約者のため力をつけてきたが

それが裏切られてしまいどうしていいかわからなくなっていた。


考えれば考えるほどわからなくなっていく、

結局俺は目の前で勇者と聖女の一緒にいる姿を見ているのに

耐えられなくなりこの町を出ることにした。


俺はそうと決まると最低限旅に必要なものを能力の収納庫に入れ

夜の暗闇の中故郷の町を後にした。


旅が進むにつれ心の整理がついていく、そうすると黒い感情が

生み出てきた勇者は聖女を奪ったことについて、勇者は俺が来ることが

わかっており俺に聞かせるように聖女の声を聴かせてきた悪趣味さ、

そして今まで長い時間を一緒に過ごしてきたのにあっさり

自分のことを裏切った聖女の腐れ○マに対して

そしてそんなことを許した世界・神に対する恨みが募ってくる。


俺は勇者と聖女そして世界に復讐すべく行動を開始した。

やっていることは今までと変わらないまずは勇者の野郎を倒すべく

力をつける必要があったので旅の先々で遭遇する盗賊魔物をひたすら

狩り続けた。

ありとあらゆる状況を想定して道具を充実させていった。

そしてある時気づいた、自分に暗黒騎士のスキルがついていることに

それは龍と戦っている時だった。俺は龍がため込んでいる財宝

の中に勇者が持つ聖装に匹敵する剣があることを聞きそれを入手

するために死闘を繰り広げていた。戦いは長期にわたり

昼前に始め現在は日が傾き夜になっていた。

俺はすでに満身創痍だったが龍も似たようなものだった

お互いにあと一撃強力な一撃を入れれば勝ちという状況だった。

龍はブレスを放つ構えだったしかし俺はそのブレスを止めるため

龍の元へ向かおうとする。そこで気が付いた今俺が持っている

剣に黒いものが集まってきている。はじめ龍の妨害かと思ったが

違った、違うと思ったのはその剣にどんどん魔力が集まって

いくからだ。俺はそのまま本能に任せ剣を振り上げた、同時に龍も

ブレスの溜めが済んだ俺たちはお互いが持てる最後の一撃を

放った。龍はブレスを俺は剣にたまった魔力を斬撃にのせて、

刹那の衝突そして激突。激突の際起こった土煙が晴れ勝者の姿が

現れた。俺は龍との死闘に勝利した、持っていた剣は砕け散って

いたが情報通りとてつもない力を帯びた剣を財宝の中から見つけたので

問題はなかった。しかし、最後に放った一撃がなんだったのか

わからずじまいだったが自分のステータスを見てようやく理解した。

それが暗黒騎士だ。最後の一撃は周囲の闇を吸収して放つスキルで

武器に相当負荷がかかるらしい。それで先代の剣は砕け散ってしまった

様だ、今使っている剣はさすが聖装と肩を並べる代物だけあって

問題無い様だった。


俺は暗黒騎士のスキルと剣の調整をしているある日待ち望んでいた

情報が手に入った。


勇者が魔王と決着をつけるべく魔王城に向かったそうだ。


俺は先回りをして勇者が最後に泊まる町で待ち伏せした。

潜伏一週間後いよいよ勇者が現れた。

そして夜になるのを待ち勇者の住む宿に奇襲をかけた。









僕の名前は佐藤さとう まもる、学校からの帰り道で

足元に魔法陣のようなものが浮かび上がったと思ったら気が付くと

とてつもなく広い部屋の中にたたずんでいた。

状況が飲み込めずあたふたしていると初老の男が来て説明してくれた。

どうやら最近はやりの異世界召喚されてしまったらしい。

僕はすぐに元の世界に戻れるのか聞いたが召喚の都合上元の世界での

存在が消されてしまったらしく初めからいない事になっているらしい。

初老の男は魔王を倒してくれれば今後の生活を保障すると約束してくれた

その後王との謁見ののち自分のステータスの確認を行った。

僕はすぐにステータスを見て今後の作戦を考えていた。


召喚されて数日各地に勇者の仲間になるべくスキルを神から授けられた

もの達を集める旅が始まった。初めに行った町で聖女のスキルを持った

僕と同じくらいの年の少女とその婚約者を紹介された。僕は二人を

見た瞬間ニヤつこうとしている顔を何とか押さえつけたが、婚約者君には

気づかれたらしく婚約者君は旅の同行を求めてきた僕は適当に理由を

つけて決闘をしたのち完勝して婚約者君の同行を拒否した。


それから約一年後仲間を集めると同時に魔王を倒すための作戦も

進めていた。僕は仲間の子たちと日課をするため自室に向かっていた

すると今厄介になっている領主の執事がやってきて聖女の婚約者君が

来ていることを聞き日課をしている部屋の隣に通してあると

教えてくれた。僕は執事に礼をいうとかまわずいつもの部屋で

日課を行った。そして数分たち隣の部屋の扉が行きおいよく開けられる

音を聞いて僕は汗を流しながらほくそ笑んでいた。


それから数か月いよいよ魔王との最終決戦を控え最後に寄った

町の宿で僕らは奇襲を受けた。






乱暴に蹴破られるドアそこに立っていたのは聖女の婚約者の

ルーツという男だった。


「何の用だね?聖女ラーナの婚約者ルーツくん?」


勇者マモルは突然の乱入にも動揺せずルーツに問いかけた。


「何の用だと?そんなの決まってる俺はテメーに復讐するために

 ここまで来たんだ。」

「復讐?」


ラーナは訳がわからずルーツの言葉を復唱していた。


「とぼけるなラーナ。安心しろテメーはこいつの後だ。」

「ルーツ一体何を言っているの...。」


ラーナは動揺が隠せずおろおろしていた。


「復讐とは穏やかじゃないね。僕は君に何をしたっていううのかい?」

「あくまでしらを切るっていううならそれでもいい。

 俺はかまわずここでテメーを殺すそして後ろの奴らもまとめてな。」


ルーツは腰の剣を抜いてかまえる。

マモルも虚空から装備を出し装着してかまえる。


しばらくの静寂、先ほどのドアの衝撃で部屋に備え付けられていた

コップが床に落ちた音を合図に二人は同時に動いた。


ルーツは黒いオーラのようなものをまとった剣で

マモルを襲う。対してマモルは盾を前にだしその攻撃を受け止める。

しかし、ルーツの剣はたやすくマモルの事を吹き飛ばしてしまう

マモルは宿の壁を突き破り屋外に飛ばされてしまう。

ルーツはマモルを追ってあいた穴から飛び出す。


ルーツがマモルのいる広場に降り立つと同時にマモルが急接近してきた。

ルーツは油断していたわけではなくマモルのスピードが自身の思っていた

ものより早く対処が遅れてしまう。結果、何とか剣で護るも今いる

広場から一キロは離れている城壁に叩きつけられる。


ルーツはすぐ体制を整えて構える、そこには同じく構えを取り直した

マモルの姿があった。そこからはまさに一進一退の攻防が繰り広げられた

お互いに様子見なんてせず常に全力と全力をぶつけあう。


飛び散る鮮血どんどん荒れていく周囲そしてついに

決着がつく。


ルーツがドラゴンを屠ったあの斬撃をフラフラの体で放つ、

マモルはそれを正面から自身の盾で受け止める。

マモルは受け止める瞬間頬を緩めたがそれに気づいた者は

いないだろう。

マモルはその攻撃を受け切られ唖然としているルーツの

隙を見逃さず一撃を叩き込む。


そしてルーツはそれをもろにくらい意識を飛ばした。





ルーツが目を覚ますとそこは先ほど勇者が泊まっていた宿の部屋だった。

先程の戦闘であいた穴は簡易にふさがれていた。

ルーツは起き上がり逃げようとしたがすぐに行く手を阻まれてしまう。


「どこに行こうっていうんだい?」


こいつは確か盗賊頭のスキルを持つシーファだったか?


「どけ、俺はやらなきゃいけないことがあるんだ。」

「は、そんな体で何をしようってんだい。」

「確かに今の俺は弱っているがお前ごとき今の俺でも余裕だぞ?」


ルーツはそういううと殺気をぶつけるがシーファはどこ吹く風である。

不審に思い警戒を強めると後ろからもう一つ気配がした。


「やっと気が付いたのかい? そんなので私を倒すなんて

 無理なんじゃないかい。少なくとも今の数秒で5回は殺せたけどね。」


ルーツは自分のふがいなさに舌打ちをする。


「俺をどうするつもりだ?」

「もちろんころすよ?」

「嘘だな。殺すならこんなとこで寝かせてねえだろ。

 もうこっちは選択肢はねえんださっさと要件をいいな。」

「...はあ、いいよついてきな。」


シーファはそういううと扉があったとこから出ていき

ルーツもそれについて行った。


階段を上りついた部屋をシーファが開け

その部屋の中を見たルーツは愕然とした。

なぜなら.....











勇者がラーナ達パーティメンバーの前で正座させられていたからだ。


「あ、ルーツきましたねあなたもこの馬鹿の横に並んで正座しなさい。」

「は? 何を言って...。」

「いいから早く!?」


俺はラーナの鋭い一言に従い勇者マモルの横に正座させられた。


「じゃあ勇者マモル様先ほど私たちにした説明をもう一度お願い

 できますでしょうか?」

「い、いや~僕がするよりもラーナがしたほうが聞いてくれるのでは

 無いかな~。ほら婚約者だしさ~。」

「その婚約関係が絶賛危機的状況になっているのは

 どこの誰のせいですか?」

「はい、僕のせいです。」

「ん?」

「っ! いえ、後先考えず馬鹿をやった馬鹿勇者のせいです!」


勇者マモルはそういうと正座のまま頭を下げ土下座をした。


そこから勇者の説明は聞いていて驚愕の連続だった。

要約すると勇者マモルは自分の名にそった能力みたいで、

まもることに関してはぴか一で傷ついても自己回復の能力で

すぐ回復するし、状態異常にもならなければ弱体効果も無効に

してしまうものだそうだ。しかし、攻撃の面ではほとんど

使い物にならないようで身体能力こそ強く剣術も勇者という

だけあって初めから達人並に使えるが魔力を剣に纏わせることが

一日に五分くらいしかできないようなのだ。

それの何が問題なのかというと魔王は倒す際に勇者の魔力を帯びた

武器で首をはねるか心臓を突き刺し砕かなくてはならなくそれ以外の

方法だとすぐに回復してしまうようなのだ。

しかし、勇者は先も説明したように一日五分しか剣に己の魔力を

纏わせることができない。そこで前衛でマモルが守ってる間に

物理(魔力を帯びた武器を使用)で攻撃し続けるやつが必要

なのだそうだ。


「待て待て待て。」

「なんですかルーツ。」

「確かに言いたいことは分かった。要は賢者・聖女・盗賊頭そして

 守しか能のない勇者の前衛職が全くいないこのパーティの

 前衛を任される為に生かされているというのは分かったが

 それを俺が素直に聞くと思っているのか俺は少なからず

 そこの馬鹿勇者とクソ聖女に対して恨みを持っているんだぞ。

 俺の本来の目的はお前ら全員殺して勇者がいなくなった世界が

 滅んでいく姿を見ていくことだったんだぞ?」

「そ、そのことなんですけど~。」

「あ、なんだよ馬鹿勇者?」

「え~とですね。パーティメンバー全員と婚約っていうのあれ実は

 僕が流させた噂なんですよね~。」

「は?お前が噂を流したってそれは事実なんだから噂じゃなくて

 発表だろ?」

「いやそうじゃなくてですね。」

「マモルそこまででいいですわ。

 そこからは私が話しますわ。」

「よろしくお願いします。」

「ああ? どういうことだよ。

 これ以上の説明も何もないだろ。それとも俺はこれから

 お前たちの惚気話でも聞かされるってか?」


こう威勢のいいことを言っているが絶賛ルーツも正座中である。


「ルーツまずあなたは私たちがどのような関係であると

 認識しているのですか。」

「ああ?そんなのお前含めここにいる女全員が勇者の女で

 勇者とどれくらいかは知らんが夜ベッドで腰を振り合う

 ほど親密な仲であるっていうもんだが何も間違って...」

「大間違いですわ!!!

 この大馬鹿ーーーーーーーーーー!!!!」


ラーナは今まで聞いたことのないくらい大声で叫び

今まで見たことが無いくらい顔を真っ赤にしていた。


「大馬鹿って俺は何も間違えてないだろ?」

「一から十まで全部間違いですわ。

 私はこの馬鹿の婚約者になった覚えはありませんし

 あとの二人も勇者に好意を抱いてはいますが

 勇者もシーファもネル(賢者)もヘタレで何も

 進展のしてないただのチキンたちですわ!」

「ちょ!」

「な、何言ってんですかあなたー!」

「おだまりなさい。これは私の人生がかかっているのです。

 あなた達ヘタレの事なんて知りませんわ。」


ラーナの他女性陣二人が会話に参戦して場がカオスになってきた。


「って。いやいや騙されないぞお前数か月前に町に戻って

 来た時によろしくやっていたじゃないか。

 俺はその時隣の部屋にいてお前の喘ぎ声をしっかり聞かされて

 いるんだからな。」

「それも誤解ですわ!

 おそらくそれは日課でやっている体内魔力の増強訓練の

 時の声ですわ。あれは体内の魔力を常に出し続け中の魔力が

 空っぽになったら大気にある魔力を事前に出した自分の

 魔力と一緒に取り込み魔力の器を大きくするためのものですわ。

 断じてえ、エッチなことなんてしてませんわ!!」

「じゃあなんで俺はお前らに直接合わせて貰えず隣の部屋で

 そんな聞かされるみたいな事させられたんだよ。」

「それもこの馬鹿のせいですわ。

 この馬鹿はあなたに私たちがそういう関係だと

 誤解させたくてやったらしいですわ。」

「はあ?何言ってんだ?」

「ほら馬鹿ここからはあなたがしゃべりなさい。

 こんな内容おぞましくて口にするのもいやですわ。」

「イエッサー。

 ええっとですねこんなことを考えたのは君たち二人を

 見た時なんですけど。二人といううかルーツ君「ああ?」

 いえルーツさん僕が初めて会ったときすぐ僕の事警戒

 したじゃないですか?」

「ああテメーからなんか嫌なもんを感じたからな。」

「ええ。その時です僕がこのことを考えついたのは

 魔力増強の訓練はこの時からやってましたし、

 その際に少し変な声が出てしまうのもわかってましたし、

 僕は一目見た時あなたに宿る強い力を感じました。

 しかし同時に何か詰まっているような感じもしました。

 そこで古き良きやり方婚約者を奪って怒らせて

 その力を覚醒してもらおうと考えたのです。」

「テメー...」

「あ、は、話は最後まで聞いてください。

 考えたのですがあのー僕恋愛経験もゼロで

 ぶっちゃけ童貞なんでそんなこともできないし

 なによりそんなことしたら協力してくれないじゃないですか。

 それで奪ったように見せかけることは出来るんじゃないかな~

 と思いこの作戦を実行しました。」

「最低ですわ。」←ラーナ

「最低ね。」←シーファ

「勇者さん馬にけられて死んじゃいますよ?」←ネル(賢者)

「うう、本当に申し訳ありません。

 なのでルーツさんあなた様の婚約者のラーナさんには

 一切手を出してませんので赦してとは言えないです。

 ですがなにとぞ魔王討伐に協力してくれませんでしょうか?」


勇者(土下座状態)がこれまでの事の真相を話し協力を

仰いできているがルーツは正直もう頭はそれどころではない。

え、じゃ何?今までの全部勘違い?

確かにちゃんと確かめなかったことはないけど

これはさすがに恥ずかしすぎやしません?

みたいなことを頭の中でぐるぐる考えていた。


「ルーツこれではっきりしましたね?

 私はあなたを裏切ってはいません。あの馬鹿らしい

 噂もこの馬鹿にさっさと責任もって撤回させます。

 だから私からもお願いします。どうか力を貸して

 いただけないでしょうか。魔王を倒した暁には

 この馬鹿を煮るなり焼くなりミンチにするなり

 好きにしていいので。」

「ちょ!」

「なんでしょう?」

「いえなんでもありません。

 好きにしてください。」


俺は真実を聞かされてラーナに頼まれても

答えを出せずにいた。

了承してしまってまた裏切られたらと思うと

しかもさっきの話だって何一つ証拠があるわけでもない

とネガティブな考えで埋めつくされている。


ラーナはその様子を誰よりも早く気づき覚悟を決めた。


「ルーツあなたは今保障と証拠がなくて迷っていますね?」

「っ! なぜそれを?」

「そんなの見てればわかります。

 何年あなたと一緒だったと思うの?」

「うっ。」

「そんなあなたに保障と証拠をあげますわ。」

「はっ?」

「シーファ、ネル隣の部屋を借りますわ。

 二人はその馬鹿がその体勢を崩さないように見張ってて

 もらえませんか?」

「いいよ。了解した。」

「あの、がんばってください。」


俺とマモルは何のことかわからずにいると、

ラーナが俺を立たせて隣の部屋に連れて行く、

俺は先ほどまでずっと正座させられていて足がしびれていて

まともに動けずただ誘導させられるがまま隣の空き部屋に入り

そのまま部屋のベッドに押し倒された。


「ラーナお前、っ!?」

「ぷはっ、これから少し早いですけどあなたに報酬を

 与えますわ。これはあなたに対する保障と証拠にも

 なりますのでゆっくり味わってくださいませ。」


そして報酬はベッドに赤い染みを作り明け方まで

払い続けられるのであった。










その後俺は無事勇者パーティに参加し、迷惑をかけた宿屋の主人に

勇者とそろって頭を下げに行った。

魔王討伐はそれから一週間後に行われパーティの誰一人

かけることなく終わりを迎えることができた。

勇者は結局シーファとネルと婚約して今は王都で暮らしている。

勇者に対する復讐だが魔王討伐から王都の王城に帰るまで

「僕は童貞です」という札をずっと首から下げさせるという

罰を与えてやってそれで手打ちにしてやった。


そして俺たちはといううと


「ルーツ早くおしめを取ってきてくださいませ!

 いつまでも汚いままではこの子もかわいそうでしょ!」

「わかってるよ!」


あの報酬で授かったと思われるフィー(女の子)の

子育てをしつつ面白騒がしく過ごし

続ける平和な日常を過ごして行くのであった。




          END

たまにはこういううのもいいですよね!

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― 新着の感想 ―
[一言] 確認せずに勘違いした主人公も悪いけど里帰りしたのに婚約者に会いに来ない人もどうなのかと…会えば誤解することもなかっただろうし…
[一言] 幼馴染視点もよろしくお願いします
[一言] 呆れながらも見捨てない二人はいいコだと思いました(こなみ)
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