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異世界召喚アイドル☆マダラちゃん   作者: 宮下。
魔王との遭遇
2/7

第1話 イドラプロデューサー


「今日から、あなた達も我が御霊川学園プロデュース科の1年生です。一般的な高校生とは全く違うのは言うまでもありませんね?そのことを踏まえて、ここの生徒である自覚をきちんと持ってくださいね」


 私の名前は舞沢(まいざわ)まい、高校1年生の地味めな女だ。

 とあるアイドルに憧れて、ここ御霊川学園に入学した、女の子が大好きな女である。



「そして、午後はいよいよあなた達の専属(バディ)が決まります!コンディションを整えておくように」


 専属(バディ)とは、御霊川学園の1年生が入学とほぼ同時に行われる儀式、召喚(スカウト)によって選ばれるパートナーのアイドルのこと。専属と今後3年間共に過ごしていくことでお互いの芸能スキルを磨き上げるのが目的だ。


 御霊川学園はアイドル養成学校ではある。しかし、アイドルと言っても現実世界、つまり現界のアイドルの養成する学校という訳ではない。この学園は異世(イデア)(かい)から召喚された異世界のアイドル、通称イドラを養成する機関である。そこに通う現界の生徒はただのプロデューサーに過ぎないのである。


 異世界の女の子は、私たち現界の女の子と見た目に大きな違いはなく、言葉も通じるとのことだった。あえて言うならば顔立ちが良すぎるということくらいらしい。

 文化も多少違っていて、向こうの世界では魔物が存在し、魔王が統治することで平和を保っているということだ。


 午後の召喚は、呼び出す生徒(プロデューサー)の才能と同程度のイドラが呼び出されるので、入学初っぱなから現実を突き付けられるようだ。

とは言っても結局は才能なので、お互いの努力次第ではトップアイドルも夢ではない。


 と、午前のガイダンスでみっちり叩き込まれて頭がパンクしそうだった。

 新しいことが滝のように私の脳みそに流れ込んできてクラクラしてしまう。

 午後になるまで教室でお昼寝でもしよう、このままじゃ処理が追いつかない。小学生の時から教室で寝るのには慣れているので特に抵抗もない。

 いつものように寝るために机に突っ伏したそのときだった。


 上から何とも明るい声が聞こえてきた。


「ねえ!あんたどうしたの?具合悪いの?」

「え?」

 顔を上げて声の主に目を移すと、そこには気の強そうなつり目の女の子が1人、ポツンと立っていた。


「入学早々狸寝入りしようだなんて、あんた面白いね」

「た、狸寝入り…?」

 どこかいい匂いの女の子は、にやにやしながら話を続けてくる。

 一体なんなのだろうか。


「あれ?もしかして本当に寝ようとしたの?」

「うん、まあ…」

「うっそ!マジ!?」

 女の子は声高らかに笑い出すが、私には何が面白いのか理解できなかった。


「いいね、あんた。これから仲良くしようよ。あたしは丸山(まるやま)瑠夏(るか)、ルカって呼んでよ。名前は?」

「え?あー、私は舞沢まいです」

「舞沢まい…じゃあマイマイだね!」

「ま、まいまい…??」

「そそ、略してマイマイ。いいでしょ?」

「あ、まあいいですけども…」

「つかなんで敬語なの!同じ1年なんだからタメでいいよ〜」

「タメ口!?うーん、頑張りま…頑張るよ」

 私は初めましての人と話すのが苦手で、相手が幼児であろうと敬語になってしまう癖がある。


「おっけーおっけー、じゃあお昼食べいかない?召喚まで暇じゃん?」

「え?私なんかでいいの?」

 今まで同級生とお昼ご飯を一緒に食べることが少なかったので動揺を隠しきれない。


「マイマイがいいの、あたしは。まだ友達もマイマイしかいないしさ。それに1人って苦手なんだよね!」

「と、友達…?」

「あだ名を付けたらもう友達!うん!さ、行こ!」

 そう言うと丸山ルカは私の手を引っ張って、席からひっぺがし、颯爽と教室を後にした。

 その強引な力強さに抗うことは、非力でコミュ障な私には一切できなかった。


「よーし!ここの食堂のパスタが美味しいらしいんだよねー!早く行くよー!」

「ちょ、ちょっとー…あんまり引っ張らないでぇ…」


 突然の出来事に全く頭も体もついていけない。私のプロデューサー生活、波乱の幕開けです。

専門用語(?)多すぎ

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